不登校・中退生ボランティア学習会

「学校行けなかったら人生終わり」そう思っていましたが、現実は違いましたよ。路はいろいろある。一緒に未来をつくりましょう!

心のベクトル

2022年03月08日 | 不登校
春到来ですね。
いつもの散歩コースで早咲きの桜の花が咲いていました。
春、ですよ。

私が働いている塾(不登校の生徒や中退した生徒たちの塾です)では、国公立大学、公立高校の受験が終わりほっと一息の時期です。
毎年、受験、そして勉強は修行だなあとつくづく感じる時期です。

大学入学共通テストが終わり、1人の受験生が体調を崩しました。
激しい頭痛、倦怠感、だるさ、寝ても眠れてないから、疲れも取れない。
入試前だから、勉強しなくては、と頭ではわかっているものの、体が動かない。
体調のよい時間にzoomを使って、家と塾を結び、一緒に過去問演習(今は便利になりましたね。)、週に1度お母さんのお休みの時に塾に連れて来てもらう、そんな1か月でした。

以前には、受験時に、髪の毛が抜けた生徒もいました。
繊細な彼らにとっては、受験のプレッシャーは、私たち大人が考えている以上に、大きいのですよね。

一方、高校1年生の生徒が、先日こんな話をしてくれました。
「今、むちゃ地理楽しいんですよ。知る喜びって感じで。」
聞くと、世界中の文化や習慣を話してくれる学校の地理の先生の話が面白いらしいのです。今までの自分が知らなかった世界の話が大変新鮮なんだそうです。
彼は小学校、中学校とあまり学校には登校できていませんでした。そんな中、高校入試をきっかけに勉強を始め、無事志望校に合格し、今は毎日楽しく高校へ通っています。毎日がとても新鮮らしく、楽しんで勉強をしています。
「世界って広いんですね。」
最近の彼の口癖です。今、彼の心のベクトルは外に向いてるんですよね。
自分の知らない世界を知り、視野も心も広くなっていっている、そんな感じです。

二人の違いは(まあ、受験が一番大きいのですが)、心のベクトルの向きなんだろうと思います。
受験生の子は、きっと今すごく自分を責めてるのかもしれません。心のベクトルが内に、自分に向いて、いろんなところを攻撃して、体に来てるのかもしれません。
もう一方の彼は、外に向いている。知らない世界を知り、学ぶことが楽しくてしょうがない。そんな感じです。

でも、私たち大人にだって、気持ちが外に向くとき、内に向くときはあります。
大事なのは、希望を忘れないこと、ですよね。
内に向きすぎて、自分を攻撃しすぎないこと。いつか外に向けれる日が来ると思えることですよね。

入試が終わり、彼女が塾に遊びに来ました。
「試験前日、大学に下見しに家からバスで行ったんですけど、大学構内を少し歩いただけなのに、試験当日筋肉痛になってて。何日も外に出なかったからですよね。
今思うと、学校に通ってた頃、体育の授業とかって嫌でたまらなかったけど、大事なんですね。私も体を鍛えないと。。」
晴れ晴れした表情で、笑顔で語ってくれました。いろいろあったけど、受験を乗り切った、やり切った充実感ですよね。
今、彼女のベクトルは再び外に向き始めています。

春は来る。
受験の結果も楽しみにしています。
(その後、彼女から、『合格しました!』との連絡がありました。ちゃんと春は来ました。)


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