不登校・中退生ボランティア学習会

「学校行けなかったら人生終わり」そう思っていましたが、現実は違いましたよ。路はいろいろある。一緒に未来をつくりましょう!

不登校を体験した生徒たちのアンケート

2021年07月28日 | 不登校
学校に行けない子供たちとかかわって10年以上。
すっかり大人になった子たちもたくさんいます。
先日、彼ら、彼女たちに以前とったアンケートを読み返してみました。


・学校に行けないときに言われて嫌だったことばは?
 「私は乗り越えられたから、あなたにもできる」
 「ちゃんとしなさい、なんでできないの?」
 「学校に来てください・学校に行ってください・学校に行くだけ行きなさい」・・・

・行けなかったとき、何を考えてた?
 「これからの人生」
 「将来のこと、一般的な高校生活からはずれてしまった」
 「これから先、どうやって生きていこうか」
 「自分の将来、この先も友達がいない生活を送るのか」など
 「自分が学校に行かないことで、家族が周りからなんて言われるか」
 「いつになったら抜け出せるんだろう」
 「これから先どうにもならないし、近いうちに死のうとだけ考えていました。”自分が楽になれる場所、自分が認められる場所がほしいけど、私には一生手に入らないよなぁ、そんなものないよなぁ”と考えて毎日泣いていました。」


彼ら、彼女らに最初に出会ったときのことを思い出します。みんな疲れた表情でした。
アンケートを見てもらっても分かるように、すごく悩みます。いろいろ考えます。疲れます。だからすごく寝ます。でも、寝れていないんです。不安でたまらなくて。
当然疲れますよね。

中学から高校にかけての子供たちは、ちょうど大人になる準備をするときです。
自我が目覚め、人の中で、どう生きるか、考え始める時です。そんな時に、色んなことがきっかけで、動けなくなることがあります。勉強のことや、部活のこと、周りとのかかわりのこと、など。。。
悩んで、悩んで、そしてある日、『充電が切れるかのように、パタッと動けなくなる』そうです。
まわりの大人は慌てますよね。
「病気なのかも・・・」
「先生のせいだ、学校のせいだ。」
「私の育て方が悪かったんだ・・・」
と。
でも、そんなことはありません。



アンケートの続きです。

・逆に言われてうれしかったこと
 「まあ、ぼちぼちでよかたい」
 「人生長いから気にしなくていいよ」
 「もう、がんばらなくていいよ」
 「生きてるだけでいい、いてくれるだけでいい」
 「”どうすれば楽になるかなぁ”と一緒に考えてくれたこと」

結局、充電が溜まっていくのを待つしかないのかもしれませんね。
つまり ”見守る”。
難しいですよね。放任や甘やかすのとは違います。子どもたちも、言うことをなんでも聞いてくれるのを望んでいるのではありません。わがままを言うのは、受け止めてくれるのか、試しているだけで。
私たち大人は、子供の気持ちは完璧に理解することはできないし、どれが正解なのかもわからない。
学校に行けない、できない、それも含めて子どもたちを丸ごと受けとめ、親は味方として存在していることをわかってもらい、でも大人としてできることと、できないことをきちんと伝えつつ、かかわり続けていくしかないのかもしれません。
なかなか難しいですよね。

でも、しばらくすると、”動き出す時”が来ます。
そのタイミングで、情報を提供したり、一緒に考えていってほしいそうです。
でも、"自分の人生"という自覚を持つためにも、立ち上がるそのタイミング、方法は、子供自身で選択するように促してほしいそうです。
これもまた難しい。
大人が動いた方が早いし、うまくいく方法をたくさん知ってますもんね。いろいろ口を出したくなります。
でもぐっと我慢して、”見守る” です。

子育ては苦難の連続ですね。
でも、大人になった彼ら、彼女らは、今、とてもいい顔しています。
親御さんとの関係も、すごくいいです。
苦しんだ分、考えた分、しっかりと人生を歩んでるんだと思います。


悩んでいる皆さん、今はきっと苦しいですよね。
でも、笑顔で過ごせる時は必ず来ます。
だから、どうしようもなく苦しいときは、また”おしゃべり会”実施するので、参加してみてください。
少しでもみなさんの苦しみが和らげばいいなと思っています。