ジャズとボサノヴァの日々

Days of Jazz and Bossa Nova

ロンドンを拠点とするゴスペル合唱団キングダム・クワイアがアレサにトリビュートした"I Say A Little Prayer"

2020-07-12 22:00:00 | Burt Bacharach
I Say A Little Prayer performed by The Kingdom Choir

世紀をまたいで歌い継がれる名曲のひとつと言っても過言ではない"I Say A Little Prayer"は1967年という、アメリカが経済的繁栄を謳歌しながらもヴェトナム戦争の泥沼化により凋落の間際にあった年を象徴する作品だと思う。当時のヴェトナムを思い起こすと、グエン・カーン将軍とズオン・バン・ミン大統領というアメリカの傀儡政権がアメリカからの軍事援助を自国のクーデター防止の為にサイゴンに集結させ前線に兵力を配備しなかったため、結果として南ベトナム解放戦線と北ベトナムが戦局を有利に展開し始めた時期で、米国民のヴェトナム反戦、並びに米国政権への反感が増してきた年と記憶している。作詞のハル・デヴィッドが意識したのかどうかは分からないが、やるせない時代背景を念頭に聴き返すと、"I Say A Little Prayer"は遠く離れた戦地で戦う夫や恋人、家族への女性たちの想いを表しているかのようだ。



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