川越立てこもり 長谷部容疑者

埼玉県川越市の駐車場で、住所不詳、金子謙容疑者（５５）＝銃刀法違反容疑で逮捕＝が乗用車に立てこもって拳銃で自殺した事件で、直前まで一緒にいた長谷部伸一容疑者（４３）＝公務執行妨害容疑で逮捕＝が「拳銃は金子容疑者が用意した」と供述していることが分かった。県警は４日午前、長谷部容疑者をさいたま地検に送検した。【浅野翔太郎、小泉大士、飼手勇介】

　長谷部容疑者は調べに、金子容疑者から５月下旬、携帯電話の闇サイトで呼び掛けられ、「自分が応じて知り合った」と供述。金子容疑者とは今月２日に東京都内の駅で初めて会い、「金子容疑者が小田急線経堂駅近くのレンタカー屋で車を借り、迎えに来た」と話しているという。

　さらに、長谷部容疑者は、立てこもり直前の３日午前０時半ごろ、金子容疑者と同県鴻巣市内のパチンコ店に押し入り、現金約６８０万円を奪ったと供述していることも判明。長谷部容疑者は９９年ごろ、鴻巣市の北隣の行田市に住み、このパチンコ店に勤務したことがあったという。県警は、金子容疑者が強盗を計画し、店の事情を知り、土地勘がある長谷部容疑者が事件を手引きした可能性があるとみている。

　県警は、両容疑者から▽ペンシル型▽車外に投げ捨てた３８口径の回転式▽自殺に使ったトカレフの拳銃３丁を押収した。入手経路を追及しているが、銃器評論家は「ペンシル型は威力が小さいものの、９０年代から暴力団の護身用として使われている。暴力団周辺に接点がないと入手できない」と指摘している。