NEC<6701.T>は29日の経営説明会で、携帯電話事業について松下電器産業<6752.T>と具体的な提携の協議に入ったと発表した。今後は成長分野であるIP(インターネットプロトコル)ネットワーク領域に力を入れることを表明。03年の中期経営計画で掲げた、中期的にROE(株主資本比率)15%、営業利益7%を達成するとの目標にも改めて言及した。
会見した矢野薫社長は不振が続く携帯電話事業について「松下電器産業と具体的な協議に入った。両社のブランドを生かしながら、スケールメリットを出すような提携にする」と述べた。さらに、提携先には米テキサス・インスツルメンツ(TI)<TXN.N>も含まれていることを明らかにした。
矢野社長は事業統合の可能性は明確に否定したものの「(提携には)さまざまな形態がある」と語り、合弁事業の設立など資本関係にまで踏み込む可能性については含みをもたせた。
提携の具体的内容について矢野社長は「協議に入ったばかりで今は何も言える段階にない」とし「開発のほとんどを一緒にやって、最後の部分でNECらしさ、松下らしさを出せれば開発費は大きく減る」と述べるにとどめた。スケールメリットで開発費をどのくらい削減できるかについては、明らかにしなかった。
同社の携帯電話事業は海外市場などでつまずき、06年3月期は250億円の営業赤字を計上。今期も150-160億円の赤字を見込んでいる。
さらに矢野社長は、今後の成長のためIPネットワーク分野の事業に力を入れていくことを表明した。今期は同分野への設備投資額を前期比2倍の400億円に拡大する。NTT<9432.T>やKDDI<9433.T>が従来の電話回線をIPネットワークに順次切り替えることを発表しており、同分野は将来的に成長が見込める。矢野社長は「(携帯電話などの)懸念事業をターンアラウンドさせるとともに、将来に向けて攻めに転じるときだと思っている」と述べた。
また今回の経営説明会でNECは、03年の中期経営計画で掲げた「中期的にROE15%と営業利益率7%を達成する」との目標を改めて表明した。だが06年3月期のROEは1.5%、営業利益率は2%で、NECの厳しい現状が改めて浮き彫りになった。
(2006.5.29/ロイター)
会見した矢野薫社長は不振が続く携帯電話事業について「松下電器産業と具体的な協議に入った。両社のブランドを生かしながら、スケールメリットを出すような提携にする」と述べた。さらに、提携先には米テキサス・インスツルメンツ(TI)<TXN.N>も含まれていることを明らかにした。
矢野社長は事業統合の可能性は明確に否定したものの「(提携には)さまざまな形態がある」と語り、合弁事業の設立など資本関係にまで踏み込む可能性については含みをもたせた。
提携の具体的内容について矢野社長は「協議に入ったばかりで今は何も言える段階にない」とし「開発のほとんどを一緒にやって、最後の部分でNECらしさ、松下らしさを出せれば開発費は大きく減る」と述べるにとどめた。スケールメリットで開発費をどのくらい削減できるかについては、明らかにしなかった。
同社の携帯電話事業は海外市場などでつまずき、06年3月期は250億円の営業赤字を計上。今期も150-160億円の赤字を見込んでいる。
さらに矢野社長は、今後の成長のためIPネットワーク分野の事業に力を入れていくことを表明した。今期は同分野への設備投資額を前期比2倍の400億円に拡大する。NTT<9432.T>やKDDI<9433.T>が従来の電話回線をIPネットワークに順次切り替えることを発表しており、同分野は将来的に成長が見込める。矢野社長は「(携帯電話などの)懸念事業をターンアラウンドさせるとともに、将来に向けて攻めに転じるときだと思っている」と述べた。
また今回の経営説明会でNECは、03年の中期経営計画で掲げた「中期的にROE15%と営業利益率7%を達成する」との目標を改めて表明した。だが06年3月期のROEは1.5%、営業利益率は2%で、NECの厳しい現状が改めて浮き彫りになった。
(2006.5.29/ロイター)