樹木紹介・その7

2007年03月12日 | エトセトラ
 県有林は落葉樹が主体。現在、広葉樹は未だ落葉中、開葉は先のことのようです。県有林の常緑樹は少ないのですが、今回はソヨゴを取り上げました。


 ソヨゴ(Ilex pedunculosa Miq.)はモチノキ科・モチノキ属の樹種。常緑の小中高木。高さ5~10m、大きいものは15mになる。葉は互生、長さ4~8cm、卵状楕円形で先はとがり縁は全縁。花期は6月頃、葉腋に直径約4mmの白い花を付けるとあります。

 性質は陽樹でやや乾いた土壌を好み、生長は早い。耐火性、耐煙性、耐塩性があり、耐寒性もあり、移植は容易。

 樹形を整えて庭木、耐陰性を生かして緑化樹に、また材は器具材。床柱に利用するともあります。

 和名ソヨゴは戦ぐ(ソヨグ)という意味で、ソヨゴの葉柄は長く、硬い葉が風に揺れてざわざわと音を発てるので命名されたのは林業人なら周知の事実。

 一名フクラシバとも云う。この語源は「膨ら柴」の意で、葉を火にあぶると膨らむところから名付けられている。

 飯石郡・雲南市・仁多郡ではフクラシ、邑智・浜田市(旧那賀郡)ではフクラシバ、益田市(旧美濃郡)・鹿足郡でクラシバとの方言があるようです(引用:樹木の島根方言)。


  民家の庭に植栽されたソヨゴ


 分布は本州(太平洋側関東南部以西、日本海側は新潟県佐渡島以西)、四国、九州(対馬、屋久島まで)、台湾、中国の暖地に広く分布する。となっていますが、当然県有林にも自生をしています。

  林道小田線に張り出したソヨゴ


  ソヨゴの枝葉


 ソヨゴと名の付く樹木にクロソヨゴ(Ilex sugerokii Maxim.)があります。
 別名ウシカバ。生育地は山地の岩場、暖帯の低木で、分布は本州(山梨県以西)、四国。
 名前の由来はソヨゴに比べ樹皮が黒っぽいことによるとなっていますよ。


 見分け方のポイントは、①若枝は暗紫色、縦のうねがある。②葉は小さく、中央脈は両面に盛り上がり、上面では微毛がやや密にある。となっています。


 写真は県有林内林道小田線の展望台から県有林境に草ノ城山ルートの遊歩道があります。この遊歩道を入るとすぐに岩石が点在する中、この樹種にお目にかかることができます。
 
  雪の中から顔を覗かせたクロソヨゴ



 クロソヨゴの枝葉:中央脈は盛り上がる

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。