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島根県庁林業課林業普及スタッフからのお知らせ

雲南市の取り組み

2016年02月10日 | エトセトラ

 先進的な木材利用の取り組みや現場を視察し、今後望まれる木材利用についての知見を深め、林業普及員の資質向上を図る目的で、2月5日に16名の林業普及員等が参加して「雲南市」の取り組みについて研修を実施しました。

 

雲南市の取り組みを一言で言うと「市民参加型森林バイオマス利用による里山再生(クリック詳細)」ですが、平成18年頃から検討が開始されたこの取り組みも、順調に成果が上がっており、雲南市公共施設でのD材(燃料)利用はもとより、現在は中間土場を利用したA材(地元製材用)やB材(合板用)の確保、C材(広葉樹)の薪利用、さらには中間土場での選別・採材の人材育成等、取り組みがさらに大きく発展してきています。

また、運営にあたって設立された「合同会社グリーンパワーうんなん」の存在も非常に大きいものがあります。

今後は、地元製材所の生き残りをかけた新たな製品の開発・需要開拓や、UIターン受け入れによる地域資源を活用した交流・移住の促進などにも取り組まれる予定です。

後方に見えるのが市民出荷材(D材と広葉樹)

大原森林組合が搬出した合板用材(B材)

地元製材所向けに入札を行うA材(大原森林組合搬出)

当日は、島根県森林組合連合会OBの方による、選別採材指導が、森林組合職員を対象に実施されていました。

市民材を利用した「おろち湯ったり館」(温泉施設)のバイオマスボイラー

「合同会社グリーンパワーうんなん」納入の燃料破砕チップ

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また、今年度、雲南市庁舎が新築され、木材の利用状況も見学しました。

利用量が少なくて、雲南市さんは大変恐縮しておられましたが、それでも省エネをコンセプトにした新庁舎は木質バイオマス利用による冷暖房を採用し、一階フロアはスギの圧密フローリング、議会議事室等の壁にはスギ材のスリット、地元材利用による庁内ベンチやパンフレット棚など、いろいろな工夫が見られました。

また、雲南市の取り組みは、実施に当たっての「調査・分析・合意形成」がとてもしっかりしており、「構想」⇒「合意形成」⇒「実現」の好事例と感じました。

 


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