「DARKER THAN BLACK 黒の契約者 外伝」#3-2 君の手に負えやしないのに…。

※注意:こちらは3話の後半感想になります。
　　　 最初から見てくださる方は、前半の方からどうぞ。
　　　 TB下さる場合は、出来ましたら前半の方に頂けるとありがたいです。
　　　 強制ではありませんので、既に貼った後でしたら、構いません、
　　　そのままでどうぞ。

前半感想はこちら
「DARKER THAN BLACK 黒の契約者 外伝」#3-1 突然のアンバー登場には驚いたよ。


はい、後半感想参ります。


能力使った対価として、クロードはハイビスカスの花を齧る。
どこに持ってたさ、そのハイビスカス。

「雨霧という男は馬鹿だな」
クロードのぼやきを野良犬は肯定し、
だがそれに輪を掛けて馬鹿なのがクロードだと言う。
「お前、あのドールをどうするつもりだ」
「なぁんだ、アンタは反対だったんだ」
銀(イン)がイザナミだと分かったら殺せという命を
彼らは受けていた。
だがクロードは銀(イン)を殺すのが惜しくなった。
命令に納得がいかないのだから仕方ないと返す。

といってキミの手におえる存在じゃないんだけどねぇアレは。
愚かなことだ。

イザナミが完全に覚醒すれば世界は崩壊する。
だが今でも十分崩壊してるとクロードは言う。
「だからと言って、更なる災厄を招いても構わないというのか。
アタシはゴメンだ。まだ死にたくない」
崩壊したとして、人間はともかく自分達契約者が死ぬとは限らない
というのがクロードの見解のよう。
「アンタがマダムから何を聞かされているか知らないけど、
マダムも人間だよ」

マダムは2期で突然ビルの屋上に現れたり、
人間技とは思えぬ行動がしばしば見られたから
契約者かと疑ったこともあったのだが…
やはり人間は人間なのね。
変な能力があるように見えていたのは、
全部シュレーダー博士の作ったおもちゃを
使ってたせいってことかしらね。

実際我々が見たのは2期11話のSFちっくなスーツと
おもちゃのレーザー銃みたいな対契約者兵器ぐらいですが、
博士ならなんか色々作ってそうだし
それをマダムが持ってた可能性だってありますよね。

野良犬がマダムから聞いた事は一つ。

「私達契約者はドールになりきれなかった人間。
つまり出来損ないだ」

ええ～っ!契約者の方が出来損ない?
それが本当なら驚きですが…。
クロードもそれは知ってたみたいで、ちょっと苦い表情を浮かべてる。
…てことは本当にそれ、事実なんですか?

ふとクロードが気付いて、視線を野良犬の斜め後ろへと向けた。
経っているのは頭部だけきっちり銀(イン)を象ってる観測霊。

首から下は透けてますから、とてもシュールです。
内緒…とでも言うように口に人差し指を当てて悪戯っぽい目を
クロードに向けている。
小悪魔という言葉がピッタリな感じですね。

身体を硬くして身構えたクロードでしたが、
相方の様子がおかしいのに気付いて
野良犬がクロードの見ている先へ首を向けた時には
もう彼女の姿はありません。
「ドールの分際で…」
いやでも契約者の方が出来損ないだというなら、
その台詞もおかしいのでは?

赤ん坊は泣きやんでスヤスヤと眠っている。
契約者の母親は、やはり感情のない顔で、
黙々と赤ん坊の眠る籠を揺すっています。
感情は見えなくても、この子を愛してはいるのよね、きっと。
ん?わずかに口元が微笑んでる…か?
赤ん坊の籠を挟んで、銀(イン)もソファに座っています。
銀(イン)はよほどこの赤ん坊が気になるようで。

それを少し離れたところから見ていた黒(ヘイ)ですが、
雨霧がちょっといいかと近づいてきた。
「ああ」と応えて雨霧の後に続く黒(ヘイ)が、
チラリと銀(イン)に視線を送る。
今度は銀(イン)が赤ん坊の籠を揺らしていました。
それを見てほんのり微笑む黒(ヘイ)が良いですね。

「香港の連中が取引しようとしていた相手を特定した」
日本の特務機関だが名称や所属は不明。
エクスプロージョン以降、契約者を重用する機関が、
日本にも作られるという噂があったが、
それと結びつくかどうかもまだ分かっていないらしい。

三号機関の事ですね。2話のCパートでゴルゴが
『例のドールの回収に雇った連中が、死体となって発見された』
と耀子に話していましたから、彼らが小姐(シャオジー)達を雇った事は
もう分かってましたが、雨霧の口ぶりから、
この時点で三号機関は発足してまだ新しいって感じですね。

「他にもあのドールを追ってる奴らは居るだろうが、
俺の知る限り、連中がもっとも多くの情報を掴んでいる」
機関としては、そうでしょうね。
でも一番掴んでるのは、マダム・オレイユなんじゃないかな。

ここもいつまで持つか分からない。
先手を打つなら今だと雨霧は言う。

森の中を1人、雨カッパを着て歩いている黒(ヘイ)。
開けた場所にEPRのメンバー達が5人立っています。
黒(ヘイ)を待ち伏せしてたみたいですね…。
ここ、唐突なのでどういう事なのか
最初はちょっと良く分からなかったんだよね。

5人を見回して、雨霧はと黒(ヘイ)が訊く。
「雨霧は来ない、俺達だけでやれとのことだ」
肌の浅黒い男がそういうと、早速瞳が赤く光り能力発動。
この言い方では雨霧が黒(ヘイ)を殺せと命じたみたいですが、
それは無いと思うんだよね。

雨霧は黒(ヘイ)を探していました。
「黒の死神を見なかったか?」
そう訊かれた仲間達は互いの顔を見て不思議そうにしている。
「ヤツは今、森の中だ」
「何しに行った」
いよいよ困った顔になった女が逆に訊く。
「ヤツを殺すんじゃなかったのか?」

あぁ…そうか。
森へ呼び出されたから、黒(ヘイ)は1人で向かったんだね。
雨霧の名で呼び出されたわけか。
みんな…踊らされてるね。
で、誰がそんな指示を出したかと言えば、
雨霧にも化けれるクロードってことになる。

黒(ヘイ)を始末するチームの中には、
あの赤ん坊の父親も居るんだよね。
キョロキョロと様子を伺ってた彼は、
背後で稲光のような光が起ったので振り向く。
その隙にワイヤーが樹の影から放たれ、彼の首を捕らえた。


樹の幹に男の顔を押さえつけて黒(ヘイ)が問う。
「何故だ!何故俺を狙う」
殺すつもりならば何故香港で助けたんだって話だし、
ここへ連れて来てからだって、
黒(ヘイ)は小姐(シャオジー)から受けた傷で
寝込んでいたわけですからね。
いくらでも簡単に殺せた筈。
ここまで匿っておいて、今になって態度急変って変ですよね。

「雨霧が判断したからだ」
そう、彼らは雨霧の指示に従ったまでのこと。
その雨霧が偽者だとも知らずにね。

その雨霧は慌てて銀(イン)の元へと走ってました。
部屋で椅子に座る彼女に近づこうとして少し躊躇したのは、
銀(イン)の異変に気付いたからかな。
我々には見えないけど、
イザナミが表に出ていたのかもしれない。

「お前は我らの計画を潰し、アンバーを殺した。敵だ」
赤ん坊の父親さん、この男の能力は今ひとつ分かんなかったよ。
押さえつけられていた樹が振動し…
でもこの樹を電撃で裂いて散らしたのは黒(ヘイ)だよね?
男は死に、黒(ヘイ)の左肩には樹の枝が刺さった。
それを自分の手で抜く黒(ヘイ)…。
い、痛いぃぃぃぃー。
これがまたけっこう深く刺さってて、
抜く動作は見てるこっちも苦しくなるよ。

やっと引き抜いてそれを放り、ぜいぜいと息を整える。
そんな彼の脳裏にすぐ浮かんだのが銀(イン)。
自分が狙われたということは銀(イン)も
他のメンバーが始末に当たってる可能性がありますよね。
肩を押さえてアジトへと戻る。
皆がいつも集まっていた部屋には人っ子一人おらず、
なにやら周囲の器具の破損に眼が行く。
ここで戦闘が起ったと思われるのだが…。
その時、ガタッと音がして逃げる人影が!
黒(ヘイ)が捕まえると陳(チン)でした。

「何があった!」
「知らねぇよぉ!」
寝ていたら突然凄い叫び声がして、
おっかないからずっと隠れていたのだと言う。
静かになったので出てきてみれば誰も居なかった、と。

いきなり走り出した黒(ヘイ)。
そう、銀(イン)の事が心配ですよね。
行って見ると部屋は酷い有様です。
壁には何かを叩きつけて凹んだ跡。
これは雨霧がここで能力を使った証拠ですね。

「なにがあったんだよぉ…」
後を追って走ってきた陳(チン)がぽつりと呟き、
黒(ヘイ)が溜息を薄く吐いて俯いた時、
赤ん坊の泣き声が2人の耳に届きました。
２人で鳴き声の方、温室へと向かうと
メンバー達の死体が、ごろごろ転がっていました。

「兄さん…」
ぼんやり立ち尽くす黒(ヘイ)。
これは誰の仕業なのか、それを見極めようとしている?
自分の能力で死んでいるならイザナミだし、
そうではなく別の死に方をしているなら、
誰か契約者が殺った事になる。
その時、黒(ヘイ)の横にぼんやりと人型観測霊が立った。

やはり…ここの皆はイザナミ能力で殺されたってことですか…。

「何やってんだよ!まだ赤ちゃんが泣いてるよ!」
黒(ヘイ)を陳(チン)が責めますが、黒(ヘイ)の足は動かない。
じれて陳(チン)は声のする方へ走って行きます。
黒(ヘイ)は雨霧と銀(イン)、２人の言葉を思い出していた。
『その書物によれば、女は覚醒した後、世界を変えるだけの力を手にする』
『何かが語りかけて来る…』

「うぇええっ!!」
陳(チン)の悲鳴に顔を上げ、彼の元へと走った黒(ヘイ)。
赤ん坊は母親の腕の中にいました。
横たわり、もう息をしていない母親の腕の中で泣き叫んでいる。
感情が希薄な契約者でありながら、
最期まで子供を手放さずに逝くとは。
母親の愛情が、ちゃんと残っていたんですよね。(ほろり)

でも陳(チン)が驚き、声を上げているのは
そんな母親の姿のせいじゃない。
この母子の前に立ち塞がるように立ち、
立ったまま死んでいる雨霧の姿にギョッとしたんだね。


雨霧…。

陳(チン)はよたよたと雨霧の横を通り、
赤ん坊を母親の腕から抜き、
「おぉ…ゴメンよ、ゴメンよ」
抱きかかえる。
「よーし、よーし」
陳(チン)って、基本は良いヤツっぽいですよね。
見た目ネズミ男みたいだけど。

黒(ヘイ)が自分の着ていた雨カッパを脱いで陳(チン)に差し出す。
泣きそうに顔を歪めて陳(チン)はそれを受け取った。
それに包んで陳(チン)が抱いて歩くと、
赤ん坊は眠ったようで大人しい。
BGMがまた物悲しくて切ないよ。
2期の時の死亡フラグ曲だよねコレ。
切なくてキュンキュン来るけど好きなんだなぁ。

前方からクロードと共にいた野良犬がヨタヨタと歩いてきて、
バッタリと倒れる。
傍に黒(ヘイ)が屈むと、犬はもう虫の息で、
地面に血がどんどん流れ、滲んで行く。

「あの馬鹿にやられた」
「何があった」
「私の隣に立っていた若い契約者…。
ヤツめ、お前のドールの覚醒が、
どうしても待ちきれなかったらしい。
何か吹き込んで、精神を不安定にさせた」
もう少し気付くのが早ければと、彼女(野良犬)は悔やむ。
時は既に遅く、黒(ヘイ)に知らせに行こうとして
やられたらしい。

そこまで言うと野良犬は口からおびただしい血を吐く。
「もう…この犬でいる事も限界だ」
猫(マオ)と違って、そこらにいる動物に
移ったりは出来ないのかしらね。
もう時間がないと感じた彼女は、黒(ヘイ)に結論を告げました。

クロードはここに居た何人かをたきこんで、
銀(イン)を連れ去ったらしい。
「銀(イン)はどこだ!」
「糸はつけてある」
その言葉を受けて黒(ヘイ)達に近づいてきたれのは、
1話に登場した少年のドール。
黒(ヘイ)と銀(イン)のやりとりに刺激受けて、
彼もちょっと進化しかけたんだよね。

「お前のドールはまだ覚醒しきっていない。
最後は自分で覚醒を押さえ込んだ。
まだ…間に合う…だから…」
これは2期の作中でも言われてましたね。
自分で覚醒を止めたって。

「さっさと殺せ」
その言葉に黒(ヘイ)はハッとする。
覚醒だけはなんとしても止めなければいけない。
選択肢はそれしかないんだよね。
銀(イン)を殺す。
そんな事出来るはずないと、
この時の黒(ヘイ)は思ったろう。

野良犬は、う…と小さく呻いた声を最後に、息を引き取った。

残ったのは、降り注ぐ雨の音だけ…。


予告。

　戦いは続き、廃墟は血と硝煙にまみれる。
　求めるのは進化か破滅か
　なぜ銀(イン)が選ばれた。
　差し出した手をすり抜け、落ちていく。

ああ、もう最終段階のイザナミの姿にもなってるじゃないか～。
そして黒(ヘイ)は不精ヒゲ生えかけ…。
確実に2期の頭に繋がる流れですね。
外伝4話、いよいよ完結ですよ。
早く見たいような、見たくないような…。
複雑な気分です。