eternalturquoiseblue

日本人として日々の暮らしの中で思うこと、知りたかったこと

日米にとり台湾は韓国よりも戦略的に重要①

2019-03-11 23:14:46 | 時事
2018/6/2(土) 午後 7:40

今年の1月と2月にアメリカの上院と下院の超党派によって、台湾との政府高官レベルの訪問を可能にする法案「台湾旅行法」がそれぞれ可決され、中国が「法案が『一つの中国』の原則に反している」として反発する中で、3月16日(現地時間)トランプ大統領が署名し、法律として成立。


実は、2017年1月のトランプ大統領の就任以降、米国の行政部門はビジネスや文化・教育分野、米台が締結する「グローバル協力訓練枠組み(Global Cooporation and Training Framework GCTF) に関する活動などに、関連省庁の経験豊かな職員を頻繁に台湾へ派遣し、双方で実質関係をより強めてきた。


2018年3月の「台湾旅行法」の成立は米国の行政府だけでなく、議会も関与する形で米台関係の強化を図るもので、これにより米台関係のさらなるレベルアップに繋がるとみられている。


日本は1972(昭和47)年の日中国交正常化で、日本が中国を「唯一の合法政府」と承認したことに伴い、日台は断交し、日本政府は台湾を「地域」として扱い、交流はこれまでは民間団体を窓口に行われたきた。


しかし、2002(平成14)年版の外交青書で「非政府間の実務関係としても民間及び地域的な往来を維持してきている」と記し、2003(平成15)年以降は「緊密な経済関係を有する重要な地域」となり、2013(平成25年)版から「重要な地域」の部分が「重要なパートナー」に昇格。


2016年(平成28年)版は、「自由、民主主義、基本的人権、法の支配といった基本的価値を共有し、緊密な経済関係と人的往来を有する重要なパートナーであり、大切な友人である」となった。


5月15日に閣議了承した2018(平成30年)版では「大切な友人」との表現は、他の国には見られない。首相が自身のフェイスブックや演説で用いた言葉を反映したこと、東日本大震災で200億円を超える義援金を寄せてくれた台湾の人々への感謝と配慮を示したもの。「国」という単語を使わないで、最大限の敬意を表している絶妙の言い回しである。


一方、今年の外交青書の中の韓国に関する記述では、2017(平成29)年版まであった「戦略的利益を共有する最も重要な隣国」の表現を削除し、「日韓両国の連帯と協力は、アジア太平洋地域の平和と安定において不可欠だ」と記述するにとどまっており、事実上、扱いを“格下げ”にしている。


そればかりか、昨年まで見られなった「日本固有の領土である竹島の韓国による不法占拠」という記述も加わったのだ。韓国は日本にとってもはや、「自由、民主主義、基本的人権など基本的価値を共有する隣国」でもなければ、「重要な隣国」でも、「大切なパートナーあるいは友人」でもないという、日本からの「三行半」である。


しかし、これは日本政府の意図だけではなく、「前駐韓米国大使への殺人未遂事件、トランプ大統領の訪韓時の反米デモ、終末高高度防衛ミサイルTHAADミサイルに対する強烈な韓国国民の反発、政府レベルでの中国、北朝鮮へのすり寄り、慰安婦問題解決のために米国が間に入った日韓合意を韓国が事実上反故にしたこと」等々、一連の事柄を通して、米国側の韓国に対する不信感も反映して、「韓国に対する日本からの特別な配慮がもはや必要なくなった」ということのようである。


一方、日米がこのように台湾との関係を重要視し、関係を強化している背景として浮かび上がってくるのが、南シナ海の軍事拠点化などで近年明らかとなっている中国の軍事的膨張主義や、2016年5月の葵英文総統就任以降に台湾に対する軍事的圧力を強めてきたということが背景にあるようだ。


2017年10月の中国共産党全国大会で、中華民族の偉大な復興という「中国の夢」の実現が強調され、習近平総書記は香港・マカオに対する全面的な管理権の掌握に加えて、中国と台湾が「一つの中国」に属するという原則を相互で確認したとされる「1992年合意」に基づく中台関係に言及。


今年3月の全人代の演説でも、「中国を分裂させようとする計画は失敗に終わる運命にある」とけん制。


4月12日に48隻の艦艇や76機の航空機、約1万人の将兵が参加して行われた「中国史上最大規模」の観艦式に空母「遼寧」を台湾海峡を南下して南シナ海に入り参加させ、4月18日には、人民解放軍が台湾海峡で昼夜15時間にわたる実弾射撃訓練を行い、爆撃機などが台湾を1周する飛行訓練を実施したそうだ。


トランプ大統領は就任前に葵総統と電話で会談し、米国の「一つの中国」政策を見直す発言もしているが、今年の2月習首席との電話会談で、「一つの中国」を尊重すると伝えたものの、台湾への関与を強めている。


台湾は「第一列島線」(注)の中心に位置する戦略的要衝であり、17年12月に成立した米国防権限法に、米台の軍艦船の相互訪問を検討すること含まれており、実際に米艦船や米沿岸警備隊の台湾への寄港が検討されているそうだ。


注:
第一列島線(だいいちれっとうせん)および第二列島線(だいにれっとうせん)は、中華人民共和国の軍事戦略上の概念のことであり、戦力展開の目標ラインであり、対米防衛線である。


引用:
https://www.mofa.go.jp/mofaj/fp/pp/page23_002506.html

Wedge june2018 「北朝鮮情勢の陰で高まる台湾海峡の緊張」




コメント

大事な記事を見落とししてまして御免なさい!
>日本は1972(昭和47)年の日中国交正常化<
この時、台湾に滞在してまして領事館より外出を控えるようにと連絡が有りました。
前々から田中首相の意図を解っていても台湾と国交断絶にはしないと思って戴けに残念と云うよりも酷いと思いました。
列島改造論でイケイケドンドンの波で経済優先で切り捨てられた台湾国民。
それでも災害時には最大の援助をして呉れる台湾。
親父から続いた義兄弟と思ってた友が今年九月に亡くなり一つの時代の終焉でしょうね。
報怨以徳の心の有る國が大好きです。
2018/12/6(木) 午後 6:10 jinsen99

> jinsen99さん
こんばんは。コメントをありがとうございます。台湾は今の日本や米国にとって、地政学的にも、心情的にも韓国よりも重要なパートナーのようです。これは事実なので、日米両政府がそのような戦略で記事にも乗せた内容のことが起こっているわけです。

韓国との二国間関係はどんどん崩壊していますし。国際社会の場で韓国と北朝鮮を事実上一つの朝鮮として扱うようになる日もそう遠くなさそうですね。
2018/12/6(木) 午後 6:40 kamakuraboy

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。