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日本人として日々の暮らしの中で思うこと、知りたかったこと

チャーチル~自国のためにマキャベリズムを貫いた指導者は”歴史上最も尊敬される英国人”

2019-08-25 01:42:54 | ヨーロッパ
一国のリーダーは「冷厳な世界観」をもち、知的で謀略に長け、内外の人心を屈服させ得る毅然とした人物でなければならない。


例に挙げると、ウィンストン・チャーチルのような人物であろうか。チャーチルは元々王立陸軍士官学校を出た軍人で、英領インド帝国でパシュトゥーン人反乱鎮圧戦、スーダン侵攻、第二次ボーア戦争に従軍。


25歳の時に政治家となり、「自由貿易主義者」として自由党政権発足時に、「植民地省政務次官」として英国に併合されたボーア人融和政策や中国人奴隷問題の処理などの英領南アフリカ問題に取り組み、つまり植民地を現地で管理するという経験によって「民を管理する」という政治学と行政学を学んだようだ。


海軍大臣のときには第1次世界大戦で自ら計画・遂行した「ガリポリの戦い」で約50万人もの若い兵士の死傷者を出し、この経験が「人道主義者」に向かわせたともいわれているが、あくまでも「英国にとっての人道主義」らしい。


英国軍人として「植民地戦争」に従軍し、「植民地省政務次官」として植民地を管理し、「海軍大臣」として軍を統率し、判断ミスから50万人もの若い兵を死傷させ一時は失脚するという経験を経て、「(英国民にとっての)人道主義者」となり、ノルマンディー上陸作戦も決行の直前まで悩みぬいたといわれいるが、この人物は決して「人道主義者」などではなく、冷厳な世界の現実を直視して、如何にして英国という国家の生存を図るかを考え抜いた人物なのだ。


だからこそ、一度は政治家として失脚しながらも「歴史上最も偉大な英国人」として今でも尊敬されているのだ。


チャーチルは、欧米諸国の植民地での搾取を棚に上げつつ、日中戦争への介入を積極的に行い、日本に対して今でいう「経済制裁」の「ABCD包囲網」をつくった人物であり、その結果として日米開戦となり、米国が第二次世界大戦に参戦するよう促した人物なのだ。


英国のためならば、他国民である日本国民が疲弊することも、もしかしたら日本という国そのものを滅ぼすことも厭わなかった人物であって、日本人にとっては心底「くそ野郎」なのではあるが、「(英国にとり)最大の困難を最大の勝利へ導いた男」として「歴史上最も偉大な英国人」と称えられているそうだ。



大英帝国1922年
当時の大英帝国は「太陽の沈まない国」 としてアジアに14カ国、アフリカに19か国、北米大陸に(現在の米国の出発点である)13植民地と英領カナダ、南米に3つ、カリブ海地域に15か所(その内のアンギラ、ヴァージン諸島、英領モントセラト、ケイマン諸島、タークス・カイコス諸島は現在でも英領)中南米に3つ(その内のフォークランド諸島とベリーズは現在でも英領)オセアニアに3か国を植民地支配。





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3 コメント

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Unknown (泉城)
2019-09-07 19:44:21
kamakuraboyさん
こんばんは
地図を見るとあらためて大英帝国がいかに広く植民地を有していたかがわかりますね。

今でこそ中国が覇権主義国家ですが、植民地時代は欧米がそうでしたから、歴史をみればチャーチルやルーズベルトが日本を戦争に駆り立てたと言えそうです。
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Unknown (eternalturquoiseblue)
2019-09-07 23:54:16
泉城さん、こんばんは。コメントをありがとうございます。日本が欧米列強相手にアジアと太平洋で戦った歴史を、日本国民はもう少し「自虐史観」でない世界観で眺めて、これからに生かして行かなければ、あの戦争で亡くなった多くの人々にも申し訳ないですね。もう我々は「戦犯国」などという勝者側のマインドコントロールから抜け出さなければ、何が「戦争」を作り出すのかという世界の実相を見誤ってしまいますね。

しかし、どうやら核保有国同士の今世紀の実際の戦争は「経済戦争」と「サイバー戦争」のようですし、北も既に「核保有国」認定されたということになるののであれば、日本は今後どうすべきなのか難しいですね。
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Unknown (eternalturquoiseblue)
2019-09-08 00:28:48
今のイギリスにはサッチャーやチャーチルのようなリーダーがいないことも混乱の一因の様に思えます。「何をとって、何を捨てるか」ということを国民に向けて説得しなければ意見がますますまとまらなくなってしまいますし。

中国の「遅れてきた覇権主義」は無駄なインフラを輸出して当事国に債務を負わせてその見返りに港湾などを借りて軍事拠点化するなど露骨ですし、世界中から警戒され出してはいるようですね。日本はODAで無駄なものをつくるのではなく、それぞれの国の風土にあったその国が自立していくための産業支援を行っていくべきなのでしょうが‥‥国内も多くの問題を抱えていますから、国内の問題をまず最優先にしてもらいたいと思ってしまいます。
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