美と知

 美術・教育・成長するということを考える
( by HIGASHIURA Tetsuya )

高等部3年生選択授業「陶芸」

2006年02月22日 | 教育美術
陶芸はまず粘土を練ることから始まり〜成型〜乾燥〜素焼き〜釉薬塗布〜本焼きという手順で茶わんや器(うつわ)が仕上げられていきます。
粘土の練りは単純そうですが、慣れないと実は難しいものです。まず、粘土を荒練りし、次に菊練りと呼ばれる練り方をします。力任せではいけません。そこには、各人の研ぎすまされたバランス感覚が要求されます。十分に土を練ってやらないと、作られた作品は数百度の温度に耐えられないのです。
ロクロに練った粘土をセットしていよいよ成型。始めはなかなかイメージ通りに形が作れませんが、全神経を手先に集中させていき、いい形が出来たとき、本当にうれしいものです。ただし、こうやって出来た作品もここからがまだまだ大変。1週間後、少し乾燥させた状態で、器の底の形(高台)を削りだします。そして完全に乾燥させてから素焼きです。窯の中で800度で焼かれ、器はやっと固くなります。始めの練りが不十分だとこの段階で作品は粉々になって壊れてしまうのです。素焼きの出来上がった作品には、思い思いの絵や図柄を描き、そして釉薬(上薬)をかけて、いよいよ本焼です。ここで最終的に1200度という高温の炎の洗礼を受けて作品は個性的な表情を持って生まれてくるのです。同じ人が二度作っても決して同じものは出来ません。作る人の心を写す器が命を受けるのです。
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