スケッチはデッサンとは違うと以前書きました(スケッチのすすめ)が、この本の題名はは『デッサン入門』・・・
スケッチ? デッサン?・・・言葉の使い分けに戸惑われる方もいらっしゃるかも知れませんね。
普段、便宜上デッサンとかスケッチとか使い分けますが、あまりそんなことを気にせずに「絵を描く」ということを、その心、精神から考えてみましょう。
この本で使われている「デッサン」という言葉は、「画家の眼」という意味にとらえるといいかと思います。
「表現する作家の真摯な態度、深い洞察・・・」
「一本の線に霊気みたいなものさえ感じる・・・」
奥深い真理をみつめる、人間の深い精神活動としての表現ということを考えて見ましょう。
絵はテクニックではなく、心だということをあらためて考えさせられる本です。
この本の著者である前田常作先生は、大学時代、大学院時代の恩師です。前田常作先生は、一般には曼荼羅絵画ということで宗教色の強い印象がありますが、純粋に造形という点で非常に厳しく、また、表現者としての姿勢を身をもって私たちに伝えてくださいました。
ピュアな精神性を学ぶことが出来る本です。
『デッサン入門』平山郁夫・前田常作 共著、1985年、新潮社
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