肺がん末期の母

2011年1月末に肺がん末期と診断された母のことを綴っていこうと思います。

入院14日目

2011-02-23 23:56:03 | はじめに
早いもので入院して2週間かーっと
日課のように病院にいく支度をして
玄関に立つと店を任せているkさんからTEL。

何か問題でもあったのかな?と焦って出ると、
実は昨晩店が終わって家に着く頃に母からTELがあり
キチガイのように叫んだり泣いたりしていたようで、
看護師さんに替わって「今からこれますか?」と聞かれて
行ってくれたそうだ。

『ごめんね、母も昨日こんなことあって
 辛くて多分おかしくなったのかも・・・』
そういうと
「いいのいいの。私はママが大好きだし、
 薬でそうなっているのは分かるからさ!
 ただでしゃばったまねして、Jが知らなかったら
 申し訳なくってね」
そういってくれた。

病院にいってkさんは添い寝をしてくれて
慰めてくれたらしい。
本当にありがたい・・・。

「Yママの香典を持って来いといわれてね。
 帰りに1万もらって、お花と化粧品のお金って。」
と。

病気になってもなお、自分優先じゃないんだね。
すごいな・・・。

けどやっぱり不安や怖さはあるに決まっていて
k先生から病気のこと聞いてもっと怖くなったんだよね。
辛いよね・・・。

だから必死にあがいているのかな?と思った。
いやな顔せず行ってくれたkさんに本当に感謝。

病院に着く直前に母からTEL。
「ミーが病院の外にいる!!
 かみつきざる以上に報道されちゃうよ!!」

ミーとは飼い猫の名前。

・・・?w
ははははって笑いながらも
心配がよぎる。

幻覚・・・?
それにしてもこんな時間まで?

看護師さんが替わって「多分薬のせいで・・・。」と。
『もうすぐ着きます^^』
そういって切った。

病室の前にくると母の声が聞こえる
「あそこよ、ほらっ!」
車椅子に乗って、窓の傍で外を眺めながら
大声で説明している母。
私にも説明をし始める。
「写メにも撮ったから!みてみ!!」
そういわれてみるが猫は写っていない・・・。
母の指差したところはコンクリートで、
多分しみがそうみえるのだろうと演技して
『おおー本当だね、あそこかぁ』
といえば、
「わかってないくせに。
 なんで馬鹿にするの。」
と怒り出す。
『えぇ、わからないよ・・・
 キノセイじゃない?』
そういえば
「何で皆わからないの?馬鹿じゃない?」
と怒り出す・・・@@

「ミーちゃん~、こっちよ~チッチ」
と見えない猫を呼び出そうとする母は
正直怖かった。
まるでシャ○中です^^;

「気」の先生が約束の時間に来てくれて
治療が開始された。
座ったまま前と後ろから一番大きな腫瘍のある部分に
気を送ってもらう。
その間に色々話すが、とてもじゃないが「胡散臭い」w
私には理解できないが、母が信じているから黙って見ていた

40分で5千円。
ははは・・・w

夕方一旦戻り、娘を習い事に送ったあと、
甥っ子を拾って一緒に病院へいくと、
兄貴がいた。
兄貴にも同じように猫の説明をしている。

が、昼と違って猫の招待はしみと影ということを
知っていた(笑

甥っ子と母と仕事にいく兄を見送り
そのまま11Fのレストランで食事をしようとエレベーターを
待っているとkさんが降りてきた。
一緒にお茶をすることにした。

母は入院してから食べる気力がない。
食べる力もなければ、食欲もない。
その姿をみてkさんが
「そんなんじゃ困るっ。
 もっと気力を持ってくれなきゃ!」と
叱ってくれた。
そして
「笑って!!笑うのは良いんだって!
 癌すら逃げていくんだよ」
って。

こういう叱咤激励は私にはもう出来ない。
母の苦しみ、辛さが痛いほど分かるから。
だからこういうことをいってくれる人がとても
ありがたいなぁと感じた。

帰りに甥っ子が
「じゃぁな、ばーさん。がんばれよ」
そういうと母が泣き出した。

やっぱり寂しいよね、辛いんだよね。

甥っ子だけが気がかりといつもいう母。

その甥っ子が思春期なのにそんな言葉を
口にしてくれたのが嬉しかったのだろう。

『ほら、抱っこしていいこいいこしてやんな』
そういって甥っ子を傍にいかせると母は
抱きついて頭を撫でながら泣いていた。

その姿を見ていると私は羨ましくおもった。
私が子供の頃はこんな風に母に心配されることがなかったから。

夜から朝にかけて人の3倍働く母に迷惑をかけたくなくって
いつの間にか何でも1人で出来る子になっていたから。

母は兄のことも私のことも気にしたことがなかった。

兄なんて卒業式の前日
「明日は学校これるよね?無理ならいいよ」と
言ったくらいだ。

私は孫である甥っ子が息子のように気にして
愛されていることを知っているが
時々甥っ子がそれに気付いてない恵まれた子と
思って悔しくなる。

やきもちかね。