2019年度近畿総文&近畿大会の会場は、「八幡市文化センター」です。
京都府にとっては、2005年度の京都府大会と近畿大会、2006年度の全国大会を開催の折にお世話になった、大変思い出深いホールでもあります。
さて、今回は、「八幡市文化センター」のある「八幡市」の歴史について、ご紹介したいと思います。
木津川・宇治川・桂川の3つの川が合流する地域の「八幡」は、古来、交通の要衝として栄えてきた地です。
「八幡」の地名は、男山に鎮座する石清水八幡宮に由来するといわれます。
「八幡宮」は「はちまんぐう」ですが、「八幡市」は「やわたし」と読みます。
平安時代の初期に、豊前国(現・福岡県東部と大分県北部)の宇佐神宮から八幡神が勧請(かんじょう/神仏の分霊を他の地に移して祀ること)され、男山に石清水八幡宮が創建されて以降、鳥居前町として繁栄してきました。
石清水八幡宮は、兼好法師の『徒然草』で、「仁和寺にある法師、年よるまで石清水を拝まざりければ、心うく覚えて...」と始まる章段でも、とても有名です。「古文の授業で習った!」という人も多いかと思います。
石清水八幡宮に参詣に行った仁和寺の法師が、男山のふもとの極楽寺や高良神社に参ったことですべてだと思い込んで、男山山頂の石清水八幡宮の本社には参らずに帰ってしまったとか。
「八幡市文化センター」の最寄り駅のひとつは、京阪「石清水八幡宮」駅です。
極楽寺は現存しませんが、高良神社は、1868年の鳥羽・伏見の戦いで焼失したのち、幾度かの再建を経て、現在も参詣することができます。石清水八幡宮駅から、徒歩3分ほどです。駅から八幡市文化センターへ徒歩で行くと(20分少しかかりますが…!)、その途中で通ります。
また、「発明王」トーマス・エジソンが、白熱電球を実用化したことはよく知られています。
エジソンは、フィラメントの材料として竹を使うことで、長時間の点灯を可能とすることに気づき、多くの種類の竹を世界から集め、実験を繰り返しました。
その中で、もっとも長時間、点灯したのが、八幡産の竹で作ったフィラメントだったのです。
八幡市文化センターのホールのホワイエには、「電球の発明と八幡の竹」という展示もありますので、ご来場の際はご覧くださいませ。
観劇のおともの「お弁当」といえば、十字の仕切りの入った弁当箱の「松花堂(しょうかどう)弁当」が有名です。
その名は、江戸時代初期の書画家で、「寛永の三筆」の一人である、松花堂昭乗(しょうかどうしょうじょう)に由来します。
石清水八幡宮のある坊舎に住んだ昭乗が、四つ切りの箱を好んで用いたそうで、松花堂弁当の器の着想のもとになっているそうです。
八幡の歴史も感じながら、八幡市文化センターへお越しくださいませ。
お待ちしています。
▼京阪「石清水八幡宮」駅前の様子。バスターミナルの中央部には、大きな竹が!
▼大分市の「宇佐神宮(宇佐八幡宮)」。平安時代初期、ここから八幡神が、男山に勧請されました。石清水八幡宮の始まりです。