てくてくだより

森のこども園てくてくの日々での雑感を、園長小菅がつづります。

木を運びながら、、、

2015-05-26 20:38:55 | 日記
先週、森づくりとしてトトロ組の保護者の方が5組集まって、木の運び出しをした。昨年秋に、高田農業高等学校の生徒が一人一本チェーンソー実習で木を伐倒したものが、まだ山に倒されたままになっている。それを木材として利用できるようみんなで運び出した。

お山のために何か役に立つことをしたいと思ってくださった方が森へ来る日。お山の役に立ちたいと思いながらも実は、こんな素晴らしい経験をさせてもらっている一番の受益者でもあるかもしれない。一緒に木を運んでくれた皆さんが、「なんだかとっても嬉しい」と言って帰られたのは、自分の人としての価値を実感したり、自然を生かす役割を担えた充実感があったのではないだろうか。

生前の地主さんは、本当に懐の大きな素晴らしい徳のある方だった。どうしたらそんな人になれるんだろうといつも思っていたけれど、こうしてちょっとお山の仕事もさせていただくと、こうした経験から、自然の価値と人の価値を肌で感じ、そのことを大切に生きておられたんだろうと思ったりする。私たちもこうした経験から、地主さんのような素晴らしい仁徳のある方に近づけるのだろうか、、、まだまだ道のりは果てしなく遠いだろうけれども、この道で間違いはないと実感を持ったりしている。


今の林業は機械を使っての仕事だ。しかも大型機械で皆伐を行い、それを運び出す大きな道を作り、そのために木を伐り、山を削るということが多いのだろう。地主さんは、自分たちの手で、一つ一つをやってこられていた。自分の手を使うからこそ、湧いてくるお山への愛着。愛着があるからこそ、「その木を活かしてほしい、お山のことは頼んだよ」と私に言っておられたことを想うと、下正善寺の拠点づくりに木を生かせる可能性は本当にうれしい。何とか実現させたい。
一人では到底無理だけれど、こうして一緒にやってくれる仲間がいる。本当に大切な仲間だ。その仲間もこのお山がつなげてくれた。

今日は、振興局や市役所、消防署を回り、改修工事の実現に必要な手続きで分刻みで動いていた。課題は多い。山が高ければ高いほど、のぼりがいがあるし、上ったところから見える景色が楽しみだ。さあ、今年も楽しみますか!