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2005年09月05日  |  インタビュー:平井良明
 

選挙ポータル「ELECTION」 平井良明さんインタビュー

「ネットと選挙」という言葉が注目されている以前から、候補者情報、ネット世論調査などの選挙情報をインターネット上で紹介しているサイト「ELECTION(エレクション)」。昨年からは、政治家のブログポータル「エレログ」もスタートした。

選挙が始まると1日10万ページビューを超え、開票速報時は1分で5万アクセスを記録するこのサイトは、2人のボランティアによって運営されている。エレクション生みの親で、ONLINE ELECTION推進委員会・西日本統括事務局の平井良明代表(35)にインタビューした。

平井良明(ひらい よしあき) ONLINE ELECTION推進員会・西日本統括事務局代表

九州工業大学情報工学研究科修士課程在学中に起業。1995年ホームページ制作などを業務とするイーハイブ・コミュニケーション合資会社設立。97年に(株)イーハイブ・コミュニケーションを設立して代表取締役に。インターネットシステムの企画開発などを行っている。2000年6月に選挙情報専門サイト「ELECTION」を立ち上げた。



Q. エレクションを立ち上げるきっかけは。

2000年のアメリカ大統領選挙(ブッシュVSゴア)の予備選で、共和党のマケイン候補がインターネットを使って選挙資金を集めるなど、新しい手法で戦いました。それを聞いて「選挙」というキーワードで検索してみたところ、日本では選挙専門のサイトはありませんでした。政党のホームページは貧弱で、議員のホームページも非常に少なかった。世間ではネットという情報ツールがもてはやされていたのに、選挙では使われていなかった。そこで、選挙情報をまとめて出していくサイトを作ろうと思ったわけです。

Q. 公職選挙法とネットとの関係が話題になっていますが。

エレクションの目的は、特定の政治家や政党を応援するのではなく、有権者が判断する情報を提供していこうという姿勢ですので、公職選挙法には抵触していないと考えています。ただ、公選法はグレーの部分が非常に広いので、ダメだったら止めるというスタンスです。いまのところ、何の注意も受けていません。

総務省の解釈では、以前は選挙期間中はホームページを閉鎖、現在はホームページの更新をストップすべきだということですが、それでは選挙期間中起きる新しいニュースや出来事に対する候補者の立場を知ることができません。有権者が判断する材料が少なくなってしまいます。

ネットが普及してきている今、公選法は時代に合わなくなってきていると思います。今後はネットが選挙活動に使えるよう、明確な方針を打ち出してもらいたいです。

Q. ホームページを管理する上で気を付けていることはありますか。

選挙ですから売名行為のようなものもあります。このため、コメントやトラックバックは事前にチェックしてから出すようにしています。また、いわゆる「祭り」防止も注意しています。コメントがすぐに反映されてしまうと、次々とコメントが書き込まれ、議論が過熱してしまいます。「一度こちら側でチェックする」と書いておくことで、利用者も冷静になるのか、「祭り」になったことはありません。
▲選挙情報専門サイト「ELECTION」


Q. ネット選挙、ブログ選挙という言葉がマスコミをにぎわせています。

ネットが普及したというのが一番の理由でしょう。それにブログができて、ホームページを作ることが簡単になり、技術に詳しくない議員の方でも気軽に更新ができるようになりました。ブログがないころは、選挙直前にホームページを作り変えるだけの方も多かったのですが、最近では普段でも更新している議員が増えてきています。

実は、ブログがはやり始めたころはあまり注目していませんでした。私自身システム屋ですから、掲示板とそんなに変わらないと考えていました。しかし、実際に使ってみると、トラックバック、コメント、RSS、携帯対応、それぞれの機能が面白いし、なにより使いやすいツールでしたので、さっそく「エレログ」を始めることにしました。

「エレログ」は04年の参院選から動いています。19人の議員が登録して、積極的に使っていたのは10人ぐらいでした。今回の衆院選での登録者は35人と、着実に増えています。

政治家とブログは相性がいいと思います。国会議員は1000人近くいますが、マスコミをにぎわして注目を集める議員は一握りです。テレビでのパフォーマンスもいいのですが、地道に政治活動をやっている議員の姿は、マスコミからはなかなか伝わりません。まじめに活動されている方ほど、有権者に自分の言葉で伝えたいのではないでしょうか。有権者にとっても、ブログから議員の人となりが伝わってきます。実際、「エレログ」を見ているユーザーから「議員活動を身近に感じるようになった」との声もあります。

今後は、ブログのコメント欄、トラックバック欄を使った政策論争にも期待したいです。ひとつの問題や政策を、議員と有権者、専門家が話し合う場所にしてもらいたい。議員同士がコメントやトラックバックを使って議論すれば盛り上がるし、いろいろな角度から、さまざまな人が議論することで問題点が見えてきます。それに、テレビと違ってブログは文章に残るので、言いっ放しができない。後々、議員の発言を有権者がチェックすることができます。

Q. ネット言論が実際の選挙に影響を与えるとお考えですか。

ネットは無視できない存在になりつつある、という状況でしょうが、まだまだです。一般的なネットユーザーが求めているのはエンターテインメントです。政策などの難しい問題は反応が鈍い。それに、サイトへのアクセスも9割近くが男性。女性にも関心を持ってもらわないといけません。ただ、そう遠くない将来、選挙といえばネットを見る時代が来ると思います。

Q. 今後エレクションはどうなっていくのでしょうか。

選挙というキーワードを全部扱いたい。このサイトを運営するまでは知らなかったのですが、国政選挙だけでなく、知事選や町議選などを含めれば、毎週のように日本のどこかで選挙をやっている。政治家の選挙以外にも、大学の学長選挙、商工会の理事長選挙、学校の生徒会長の選挙まで、選挙は無限にあります。

その割に、選挙で何をしたらいいのか、何をしてはいけないのか、分かりにくい。その上、選挙に興味がないのが格好いいという風潮があります。「行っても何も変わらないなら無駄だよね」という雰囲気です。

しかし、私たちは選挙で選んだ人に自分たちの将来を何パーセントか預けているわけです。選挙は民主主義の根幹です。せっかく持っている権利を活用すべきです。ネットを使った情報発信が増えて、若い人に関心を持ってもらって、選挙がもっと身近なものになるように願っています。

(gooニュース 2005年9月1日 ELECTON事務局にて)


選挙情報専門サイト「ELECTION」
http://www.election.co.jp/



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