・鳥貝Egg cockle calm とりがい
ザルガイ科、二枚貝で水深10～30mの砂泥地、本州南部の湾内に生息している。足の、その尖がりぐあいが鳥のくちばしに似ている、鶏肉に似た味であるとかがその名のいわれという。伊勢湾、瀬戸内海で多く産出するが輸入、養殖ものの増加傾向にある。
殻は、薄く壊れやすく殻付きの生ものが出荷されることが少ない。大きさは、直径10cm膨らみがありほぼ円形、表面が淡褐色、短毛あり、殻頂(かくちょう：付け根部分)より淡桜色の縞模様がみられ、赤貝のように放射線状に溝がある。内側は、濃いピンク色をしている。
5～10月にかけ産卵し秋から春先、9月より翌年3月に採れるものを旬とする。紫褐色をした長い足にあたるところを食用に、通常むき身とし足を割(さ)いてボイルしたものが市場に出される。加熱しすぎると硬くなり旨みがなくなるので加減を必要とする。
甘味があり筋肉のしこしこした食感がよく、刺身、酢のもの、寿司だね、和え物、バター焼き、干物に利用される。100g中に鉄(貧血予防)2.9mg、亜鉛(たん白質の合成に関与)1.6mgのミネラルを多く含む。
[2019.10.22]
