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1980年以前の中学に家庭科、未必修の男性諸氏に医療従事者を含め必要かも。

[米に不足のアミノ酸] 食生活について語ろう

2019年10月12日 | 美容ダイエット
・リジンとスレオニンLysine and Threonine
 日本人は、主に米を主食として生活してきました。しかしながら米の栄養価はアミノ酸のリジンとスレオニンが不足しており、アミノ酸スコア(アミノ酸価)65です。必須アミノ酸は成人では8種です。
理想的アミノ酸のパターンとしてWHOによる必須アミノ酸の成人向け1日当たり推奨摂取量は、必須アミノ酸体重1kg当たり(mg)、イソロイシン20、ロイシン39、リジン30、メチオニン+システイン:15(合計)、フェニルアラニン+チロシン25(合計)、スレオニン15、トリプトファン4、バリン26として示しています。

アミノ酸スコア[全窒素1g当たり]:イソロイシン250mg、ロイシン440mg、リジン340mg、メチオニン+シスチン220mg、フェニルアラニン+チロシン380mg、スレオニン(トレオニン)250mg、トリプトファン60mg、バリン310mg
◇精白米:イソロイシン250mg、ロイシン500mg、リジン220mg、メチオニン+シスチン290mg、フェニルアラニン+チロシン580mg、スレオニン(トレオニン)210mg、トリプトファン87mg、バリン380mg

複数のアミノ酸が不足している時ひとつだけのアミノ酸を補っただけだと別のアミノ酸の要求される量が不足に陥いります。インバランスで成長阻害、脂肪肝を起こしやすくなります。
不足している複数のアミノ酸があるときには、その複数のアミノ酸を与えることによって栄養価が向上します。

必須アミノ酸は、どれかひとつが不足すると他のアミノ酸もそのレベルまでしか働かず色々の食品を組み合わせて取ることが大切なことです。ひとつだけのアミノ酸の補充だけだと他のアミノ酸の要求量が増すことによる現象が起きてくるのです。

精白米の不足しているアミノ酸に、リジンとスレオニンありますがその不足しているその2種類のうちのひとつだけのリジンを補っただけだとスレオニンの要求量が増加します。さらに不均衡(ふきんこう)、不釣り合いであるとビタミン・ミネラルの消化吸収代謝も正常に行われません。
人体アミノ酸の必要量を基準とした比較タンパク質を想定し必須アミノ酸の必要量に対して一番不足している必須アミノ酸によって栄養価が制限をうけます。
最初に人に必要な必須アミノ酸最小必要量より必要な比率を求め、これを元として栄養的に理想的なたん白質を標準たん白質としています。これを百分率で表しこの中で最も比率の少ない必須アミノ酸の百分率で表しそれを制限アミノ酸の数値とします。
一般に動物性たん白質は、必須アミノ酸のバランスがよく、アミノ酸スコアは、100%を示します。植物性食品のアミノ酸スコアは、米65%、小麦粉44%、大豆86%、野菜50%内外です。
リジン、スレオニン、メチオニン(含硫アミノ酸)の不足が多くにみられ、動物性と、植物性食品の混合食とすることにより栄養効果を上げることができ、それを補足効果といいます。
できるだけ同時に取るのがよく時間を置いての摂取より補足効果が期待できます。

 日本人の戦後間もなくと近年との摂取栄養量を比較しますと
昭和25年(1950年)
エネルギー2098kcal、タンパク質68.0g(動物性17.0g 植物性51.0g)、脂質18.0g、炭水化物418.0g、カルシウム270mg、リン1.82mg、鉄46mg、ビタミンA効力:2459IU(738μg)、ビタミンB1:1.52mg、ビタミンB2:0.72mg、ビタミンC107mg

平成22年(2010年)
エネルギー1849kcal、タンパク質67.3g(動物性36.0g)、脂質53.7g、炭水化物258g、カルシウム503mg、リン-mg、鉄7.4mg、ビタミンA効力:529μg、ビタミンB1:0.83mg、ビタミンB2:1.13mg、ビタミンC90mg

たんぱく質量の摂取は、変わらないのですが、その動物性は、戦後25%、近年53%と、その摂取量に大きな違いがありました。

リジンは、納豆、味噌などの大豆製品で補うことができました。
国産大豆[全窒素1g当たり]:イソロイシン290mg、ロイシン470mg、リジン390mg、メチオニン+シスチン190mg、フェニルアラニン+チロシン540mg、スレオニン(トレオニン)230mg、トリプトファン79mg、バリン300mg

納豆[全窒素1g当たり]:イソロイシン260mg、ロイシン440mg、リジン390mg、メチオニン+シスチン190mg、フェニルアラニン+チロシン540mg、スレオニン(トレオニン)210mg、トリプトファン84mg、バリン290mg

リジンは1889年に牛乳のカゼインより発見した苦味のある塩基性アミノ酸で、タンパクの分解で生じたギリシャ語で解く、離すlysisの意味から命名しています。
リシンともいい必須アミノ酸のひとつで動物性蛋白質に2~10%と多く含まれ植物性食品に少なく、必須アミノ酸の基準値(窒素1g当り)1973年FAO/WHO:340mg、1985年FAO/WHO/UNA(2~5歳):360mgときめられています。
たん白質の合成を促し、主に皮膚や筋肉、血液などの材料としてホルモン、酵素、抗体を合成します。糖代謝、カルシウムの吸収促進、コラーゲンの生成、発毛促進、受胎能力を高め、ビタミンCとリジン、メチオニンの組み合わせで脂肪燃焼作用、免疫力強化作用があります。
不足しやすいアミノ酸で欠乏すると成長障害、疲労感、貧血、集中力低下に陥ります。
ビタミンCとリジンの組み合わせで、体内で有機酸のL-カルニチンという物質を作り、筋肉が効率良く酸素を使うのを助け、疲労回復に役立ちます。
プロリン・リジン 残基を含めた形でコラーゲンのタンパク質を合成します。
リジンは、肝臓においてトランスアミナーゼ酵素によって代謝をうけますが、その代謝にはビタミンB6、B3、B2、C、及び、鉄、グルタミン酸が必要となります。
からだのたんぱく質の組み立てに、なくてはならない必須アミノ酸です。たんぱく質の吸収を促進させ、ブドウ糖の代謝やカルシウムの吸収にも重要な働きをしています。
また、アルコール摂取などで弱った肝臓に活力を与え、リパーゼ(脂肪を分解する酵素)の働きを活発にして、脂肪酸の利用を促進します。
細菌やウイルスに対する抗体をつくリ免疫力をあげたり、ホルモンを産出しています。そのほか、免疫力強化により単純ヘルペス(水ぶくれ)ウイルスによる庖疹(ほうしん:口唇ヘルペスなど)を予防、たんぱく質の合成により血管を強化し脳出血の発症を抑制する作用があります。
 リジンの不足と欠乏症は、疲れやすくなり集中力が低下、めまい、吐き気、目の充血、貧血などが挙げられます。最悪の場合は、突然死することもあります。穀類中心の食生活で不足、欠乏しやすい栄養素です。
サプリメントなどによる過剰摂取で吐き気、嘔吐、下痢、胆石の形成、血中コレステロールの上昇、胃けいれん等が起こるとの指摘があります。
リジンの過剰摂取による過剰症は、通常の食生活ならばとくに心配ないようです。
一日に30mg/1kgとして体重50kgでは1500mg程度の摂取が必要です。


 ◇スレオニンThreonineは、タンパク質を構成する20種類のアミノ酸の中で一番最後の1935年にアメリカのローズ(W.C.Rose)らによって血液のフィブリンの加水分解物から発見しました。
人体を構成する、必須アミノ酸のひとつで動物性タンパク質、血液中のフィブリノーゲンFibrinogen(上澄み血漿中の繊維素)に多く含みます。
トレオニンともいい植物性たん白質にも少ないながら含まれますが利用率も低くなります。わずかに甘味があります。精白米に不足ぎみの必須アミノ酸としリジンとともにスレオニンの2種がアミノ酸スコアより知られます。リジンは、大豆製品で補えていました。
スレオニンは、動物性食品(卵、蓄肉、魚肉)と一緒に取ることによって補うことができます。
畜産動物の飼料となるとうもろこしや小麦などの穀物は、スレオニンやリジン、メチオニン、トリプトファンなどの必須アミノ酸が不足します。不足のアミノ酸を飼料に添加することで、アミノ酸の栄養価を大きく高めています。
必須アミノ酸の基準値(窒素1g当り)1973年FAO/WHO:250mg(全卵290mg、蓄肉250~300mg、魚肉260~300mg、牛乳260mg)、1985年FAO/WHO/UNA(2~5歳):210mgです。スレオニンは糖原性と呼ばれる性質があり、体内でグルコースを生成する際の材料にもなり得るアミノ酸です。
医薬品として、低たんぱく質血症、低栄養状態に静脈注射、点滴、経口摂取によって投与します。
過剰摂取・投与により胃腸障害や頭痛になることがあります。日常の食事では、基本的に過剰になる心配はありません。
不足によって、食欲不振や貧血、整腸障害、体重の減少などを引き起こします。

酵素活性部位の形成、成長促進、コラーゲンの生成、肝臓への脂肪の蓄積を抑制する作用を有します。
一日に15mg/1kgとして体重50kgでは750mg程度の摂取が必要です。
基準値(窒素1g当り):250mg以上の植物性食品としてさつま芋360mg(たんぱく質1.2g/100g)、キウイフルーツ270mg(たんぱく質1.0g/100g)、柿290mg(たんぱく質0.4g/100g)、なめこ270m(たんぱく質1.7g/100g)がありました。



近年では、たんぱく質の摂取は、動物性食品が半分以上とバランスが良くなってきていますので、大きな栄養不足は減少傾向にあります。昭和25年以前の食生活を振り返ってみて、近年の食生活改善の進展を改めて感じることが出来たのではないでしょうか。


 
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