・ハバネロHabanero chilliはばねろ
近年は、激辛ブームで、スパーでも幾種類かの唐辛子類の食材を見かけるようになりました。
ハバネロは、一見赤ピーマンのようにも見えます。
人によっては好んで食べられているようです。感受性の強い人、体力の無い人では流涙症や鼻液漏、排尿障害、胃食道逆流症などの症状をあらわします。粘膜炎症や吐き気、嘔吐、高血圧などの症状の報告があります。
そんな、ハバネロとともに、その主成分としているカプサイシンについて調査してみることにしました。
ハバネロは、ナス科,メキシコのユカタン半島を原産とします。
2016年11月キャロライナ・リーパが辛さの単位スコルビル値約300万が世界一になるまでは、トリニダード・スコーピオン・ブッチ・テイラーのスコビル値146万3700などなど、20年前に世界的に有名になったハバネロのスコルビル値約57万～30万と世界的に辛いと言われているトウガラシです。
名称はハバナにちなみ、付けられました。
ハバネロは実の大きさは4～6センチ、1個当たりの重量は10g前後（乾物で２ｇ）で単に猛烈に辛いだけでなく、柑橘系のフルーティーな香りとやや青臭い香りがあり野菜としてではなく、香辛料としてソースに少し加えたり、乾燥させてパウダー状にしたものを料理に用いたりするような使い方をします。鳥、牛肉料理、カレーなどに用いられています。
カプサイシン含有率は5%で、一般の生唐辛子1本５ｇ(ひとつの実に0.5～5mg)の１０倍ほど5～50mgを含み、LD50の半数致死量(カプサイシン60～75mg/kg bw(body weight:基準体重)は体重50kgで3,000～3750mg:3～3.75gくらいになります。
ハバネロは、直接皮膚に付くだけで赤くはれ上がるといいます。
辛さの成分カプサイシンについて調べてみました。
カプサイシンを量を増やすに従い経口摂取することによ灼熱感（焼けつく痛み）を引き起こします。
舌上の灼熱感を人は辛みとして認識しますが、その刺激は口腔内だけに生じるわけではなく、気管支や消化管全体におよびます。
気管支が強く刺激されると気管支収縮により息切れや咳が生じます。感覚神経を介して胃酸の分泌を抑制します。
動物試験では、少量のカプサイシンの摂取によって、口や食道、胃が適度に刺激し唾液が出て、食欲の増進に作用しますが、胃粘膜を保護する作用が働いて胃潰瘍が発生しにくくなることが知られています。
一方、大量のカプサイシンの摂取では、感覚神経のTRPV1(カプサイシン、酸、熱などの侵害刺激を受容するイオンチャネル型受容体)が機能不全を起こし胃粘膜の保護作用がなくなり胃腸が荒れるとの報告があります。
消化管から吸収され血中に入ると、感覚神経から中枢神経系を介して、副腎からのアドレナリン分泌を促進し、アドレナリンが、脂肪代謝などエネルギー代謝を促進したり、発汗を促したりします。
カプサイシンの刺激が繰り返されると、感覚神経細胞のTRPV1を介して細胞内に流入したカルシウムイオンによって、TRPV1が脱感作して感覚神経が麻痺し辛み、痛みを感じにくくしています。鎮痛外用薬、温湿布、クリームがあるようです。
伝統的な食事から大人の1回の食事当たりの総カプサイシン(カプサイシン、ジヒドロカプサイシン、ノルジヒドロカプサイシンの濃度の合計)の摂取量を最大5mg/kg:bw（体重５０ｋｇで２５０ｍｇ）と推定しています。
日本でも馴染み深い激辛としているタカノツメ、辛くないピーマンやシシトウ、パプリカなど様々なものが知られます。
辛さの単位としているスコルビル値(スコヴィル値)は、1912年に化学者のスコヴィル氏が、トウガラシ抽出物の辛みを感じなくなるまで砂糖水で薄めた時の希釈倍率で辛さを表したことに由来して命名です。
スコヴィル値Scoville scale(スコヴィル辛味単位Scoville heat units:SHU≒1mg/kg乾燥重量として換算)は、カプサイシンの量に比例します。
マイルド(穏やかな辛さ)900-1,999SHU
中程度の辛さ2,000-19,999
辛い20,000-100,000
非常に辛い>100,000
総カプサイシノイド濃度(mg/kg乾燥重量)
マイルド(穏やかな辛さ)60-133
中程度の辛さ134-1333
辛い1334-6,600
非常に辛い>6,600
◇ピーマン、シシトウガラシ:辛さ0～10SHU、総カプサイシン濃度(mg/kg)<1
◇パプリカパウダー:辛さ100～500SHU、総カプサイシン濃度(mg/kg)<5-30
◇タバスコソソース:辛さ1600～5000SHU、総カプサイシン濃度(mg/kg)100-300
◇ハラペーニョ生:辛さ2500～8000SHU、総カプサイシン濃度(mg/kg)<500
◇タバスコ・ソース:辛さ7000～8000SHU
◇朝鮮唐辛子:辛さ2万～5万SHU
◇唐辛子、カイエン・ペッパー、 タバスコペッパー（タバスコ）:辛さ3万～5万SHU(辛い20,000～100,000SHU)、カプサイシンのLD50の致死量1kgあたり60mg～75mg(体重50kgで3,000～3750mg:3～3.75g)です。乾燥唐辛子1gに3mg程度を含みます。
◇チリパウダー:辛さ3～5万SHU、総カプサイシン濃度(mg/kg乾燥重量)1000～3000
◇スーパー・チリ・ペッパー、三鷹唐辛子、鷹ノ爪:辛さ4万～5万SHU
◇カロライナ・カイエンペッパー、能鷹唐辛子:辛さ10万～12万SHU
◇催涙スプレー:辛さ1万～18万SHU
◇ハバネロ:辛さ10万～35万SHU、総カプサイシン濃度(mg/kg)総カプサイシン濃度(mg/kg乾燥重量)＞6,600
◇ブート・ジョロキア:辛さジョロキア:100万SHU
◇トリニダード・スコーピオン・ブッチ・テイラー:辛さ150万SHU
◇キャロライナ・リーパー：辛さ300万SHU
天候が不安定になる6月や10月に土壌の水分量が急激に変わったり、高温（熱帯夜など）が続いたり、適切な量の肥料がまかれていない時には、ストレスがかかって辛いものができてしまうことが多いようです。
一部に唐辛子を多く摂る韓国、インドのような国では胃癌の発生率が高く、唐辛子の過剰摂取との関連性の指摘があります。
辛味成分でLD50の致死量はカプサイシン総量で体重50kgで3,000～3750mg:3～3.75gとしています。トウガラシの一種,、鷹の爪乾燥1本（平均重量は約1g：鷹ノ爪:辛さ4万～5万SHU）・生で5g程度には、約1～3 mg程度のカプサイシンを含みます。
同じような名前でカプサイシンは、唐辛子の果皮に含む辛み成分のことです。 カプサンチンは、唐辛子の赤い色素成分でれた抗酸化力があります。
唐辛子/生100g中でエネルギー72kcal、水分75.0g、タンパク質3.9%、脂質3.4%、炭水化物16.3%、灰分1.4g、
唐辛子/乾100g中でエネルギー270kcal、水分8.8g、タンパク質14.7%、脂質12.0%、炭水化物58.4%、灰分6.1g
唐辛子/粉100g中でエネルギー412kcal、水分1.7g、タンパク質16.2%、脂質9.7%、炭水化物66.8%、灰分5.6gから、およそ生の1./8とします。
激辛トウガラシを採取・調理する場合に、もし触れて灼熱感を感じたら、脂溶性なので油でこすり水道水とアルカリ性せっけんでよく洗い流す事を進めています。トウガラシに触れた部分に灼熱感や痛みを生じることがあるので、ビニール手袋などの着装しましょう。
食べるときに辛さが気になる場合には、辛さを中和するのに、料理にヨーグルトを加えたり、ヨーグルト飲料、豆乳、果物ジュース、加糖した低温の全乳と一緒にして食べるのがよいといいます。 カゼインが、カプサイシンと結びつき、舌に辛さを感じさせるのを和らげるのです。
香辛料としてのそれぞれの適量としての利用が望まれます。
ご愛読戴きましてありがとうございます。よりよい情報をお届けしてまいります。
