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グループ討論、やっぱり司会が有利?

2012-03-08 09:07:41 | 日記
グループ討論、やっぱり司会が有利?  (1/4ページ)2012/3/7 7:00日本経済新聞 電子版

今回の疑問は「グループディスカッション、やっぱり司会が得?」
 初めて出会うライバルと討論したり、問題解決法などを話し合ったりするグループディスカッション。
選考手法の一つとして導入している企業は多いが、「話を切り出すタイミングをうまくつかめない」「いい意見が思いつかない」などと苦手意識を持つ就活生もいるだろう。
でも、司会・進行役なら、みんな話を聞いてくれそうだし、意見をまとめるのが役目だから、いいアイデアがなくても、ちゃんと目立つこともできそう…本当にそうなのか。調べてみた。
■「草食男子はなぜ増えた?」も議題に
 グループディスカッションは、エントリーシートなどで絞りこまれた学生を対象に1次選考に採用している企業が多い。
グループとなる学生数は「5~6人程度」(キリンビール)「8人」(凸版印刷)「4~7人」(ベネッセコーポレーション)など微妙に差異はあるが、10人未満の学生がグループとなり、
その場で与えられたテーマについて意見を述べ合ったり、何らかの結論を導き出したりするものが一般的。学生だけでなく「助言役の社員が同席する」(サッポロビール)ケースなどもある。
 テーマは「仕事をするうえで一番大切なもの」といった硬いものから「草食系男子はなぜ増えたのか」「富士山のゴミを減らすにはどうすればよいか」といった社会ネタまで様々。
事前に予想するのは難しいことが多そうだ。

■模擬ディスカッションに行ってみた
 グループディスカッションを導入した理由を企業に聞くと、「集団の中でどう行動するのかを見るため」(三菱自動車・人事労政部マネージャーの松井哲さん)との答えが多い。
中には「受験人数が多いので、1対1の面接では時間が足りない」という企業もあった。
グループディスカッション中に互いに評価しあい、自分の弱点を確認する(探偵が参加した模擬討議の会場=都内)
 ちなみにグループディスカッションの選考を突破し、次に進む学生はどれくらいの比率なのか。凸版印刷は「3割程度」と狭き門、ヤマト運輸は「3分の2程度は先に進む」とやはり幅があるが、
採用支援のジョブウェブの佐藤孝治社長は「一次選考でグループディスカッションを導入する企業の場合は50%前後にまで絞るのが一般的」だと説明する。
 参加学生の上位半分に位置できるかどうかが、グループディスカッションをくぐり抜けるひとつの目安となるようだ。
 はたして、その中で司会・進行役はお得なのか。
 まず、就活生に聞くと「司会役をすることが選考通過の近道だと先輩から聞いた」(中央大3年の横山真さん)。別の中大生も「進行役は議論をまとめる役割で目立つから評価が高いと思う」と言う。
東京理科大3年のAさんは「就活対策本に『司会が有利』と書いていたので、先日もやりました」と話してくれた。
 横山さんらがグループディスカッションを研究する会を立ち上げ、2月中旬に模擬討議をするというので、行ってみた。
 70人の学生が集まり、合計10回の模擬討議が開かれた。1回30分程度の討議が終わると、周りで見ていた学生が最も良かった参加者を投票で決める。
探偵は1回に参加、1回を「観戦」したが、両方ともに司会役は「最も良かった参加者」には選ばれなかった。司会役を買って出た学生は「目立てると思って進んでやったのに…」と落胆した様子だった。
うまく司会の役割は務めていたが、進行に徹するためか、自分の色が出せず、印象に残らなかった。
見ていた学生も「司会をやるよりも、様子をうかがって、いい意見を言える方が評価を得られそうだ」と話していた。
 模擬討議を見る限り、必ずしも司会がお得というわけでもなさそうだ。

■「司会不利」の声も
 企業の採用担当者に聞くと、やはり「司会が有利というわけではない」との意見が多い。サッポロビール・人事総務部の柳原知佳さんは「発言数が多ければ良いというわけではありません。
議論にどういった影響を与えたかに注目しています」と言う。キリンビールも「どの役割にしろ議論の発展にどう貢献するかが大切」と指摘する。
凸版印刷の人事部採用チームの青木明さんは「たとえひと言でも、鋭いことを言った学生は高評価になることもある」という。
 ヤマト運輸・人材育成課の小坂隆弘さんは「社内の会議でも進行役は偉いとは限らないですよね。むしろ決断する意見を出す方が大事」と見ている。
 毎年2000人の学生の就職活動を支援するアルファ・アンド・カンパニーの入住壽彦社長は「自分の意見を出しにくい司会や書記役はむしろ不利」とまで言う。
ジョブウェブの佐藤社長は「司会役は目立てるチャンスはありますが、学生で自分の色を出しながら議論を仕切れる人はまれです。
うまく仕切れない場合はマイナスですし、自分の意見を言うと『人の話を聞き入れない』などと悪い面が目立つリスクは大きい。
議論への貢献の仕方はいろいろあるので、自分の能力をよく見極めて役割を選ぶことです」と指摘する。司会・進行役は確かに目立つチャンスはあるが、その分リスクも大きい。
誰にでも司会・進行役が「お得」とは言えないようだ。
役割に関わらず、グループディスカッションで感心しない学生を採用担当者に聞くと、ヤマト運輸の小坂さんは「議論の対立が起きたときに相手に配慮できない人、他人の痛みが分からない人はサービス業として困ります。
まったく議論に参加しない人は点数のつけようがありません」とのことだった。
 三菱自動車の松井さんも「批判ばかりで自分の意見を言わなかったり、ひと言も発言しなかったりする学生は残念です」と同意見。
 しかし、あまりに自分を出さないのも問題。凸版の青木さんは司会を決めるまでの過程で最近見られる傾向に苦言を呈する。「誰かが司会をやりたいと申し出ると、ほかの人は譲るといった空気になる。
先輩の助言なのか、攻略本を読みこんできているのか…あまり良い印象を持ちません」と指摘する。

■グループ討議やめた理由は
 最後に、2年前にグループディスカッションをやめたというNEC子会社のアビームコンサルティング・人事部の谷美代子さんに、やめた理由を聞いた。
 「短時間ではどうしても声が大きかったり、発言が多かったりするなど目立った人の評価が高くでてしまうから」
 やはり、グループディスカッションでは採用担当者の目に留まらないと話にならない。自分の意見を打ち出しつつ、他人にも気配りしつつ…。どの役割でも、さじ加減が難しい。

■調査結果
司会の役割を生かせる能力があれば「得」。リスクもあることを知っておこう。