理由は違うだろうが<ドラキュラ>は
シン・ソンウの胸の中にもタトゥーのように刻まれた作品だ。
1998年に初演後、2000年と2006年と
三回公演された<ドラキュラ>に全て出演した彼は、
セリフを一つも忘れずにいただけでなく、
いつでも機会があれば再挑戦したいという気持ちだ。
「最初は、何かと思いましたよ。
演劇でもないしコンサートでもないし、その時はロックで忙しかった頃だったから。
今もそうだけど、美しく歌うこと自体を常に行っていたことなので。その時、OSTを聞いてみたら、良かったんです。
セリフも無しに、歌だけで進行されるから
プレッシャーも少なかったし。」
こうしてチャレンジした初舞台は難航の連続だった。
ラーニングタイムが3時間を越える公演で、
400年間死ぬことも出来ずに愛する人を見送り、
結局 自分を殺してほしいと絶叫しながら23曲にも及ぶ歌を歌った。
大衆歌手のミュージカル出演に対する鋭い視線と、
警戒も半端じゃなかった。
だがすぐに、一人で立つコンサート舞台に慣れていた彼にとって、
数多くの人々の心を集めてこそ完成するミュージカルは
新しい魅力として近づいてきた。
演技に対する魅力を感じることが出来たのも、この時からだ。