新・瘋癲球人日記

野球をこよなく愛する瘋癲球人の日記

お笑いプロ野球殿堂 ダメ監督列伝

2006年08月18日 | 野球本レビュー(2006.12.26)

『お笑いプロ野球殿堂 ダメ監督列伝』(知恵の森文庫  光文社)

「浦島太郎」監督@吉田義男、「ラーメン道場」監督@達川晃豊、「プロ野球ニュース監督」@関根潤三、「茶坊主」監督@武上四郎、「ぬるま湯」監督@安藤統男などなど、愛すべき「ダメ監督」27人をテリー伊藤がぶったぎる!?
「野球少年」がそのまま大きくなったような人、とても不器用な人、やきもち焼きな人、毒舌の過ぎた人、要は人間味にあふれた人たちなのだ。冷徹に結果を追求する監督よりもよっぽど魅力的。ファンをフロントを選手をメディアを敵に回してでもやりたい仕事なんだろうなあ、監督って仕事は。

バッテリーV

2006年07月05日 | 野球本レビュー(2006.12.26)

バッテリーV(角川文庫 あさのあつこ・著)

忘れた頃のバッテリー。 ─
あらすじもだいぶ忘れてかけた頃に「バッテリー」の新刊が出る。
「どこまで話が進んだっけかな?」なんていいいながら、ずっと買ってきた。

この巻になって、巧と豪の力関係に少し変化が出てきた。
わが道を行く、天才投手、巧にキャッチャーの豪が振り回されるというのがこれまでの二人の関係であったと思うが、豪が少しづつではあるが巧をコントロ-ル出来るようになっている。巧もそれを受け入れているように思えるふしがある。
それにしても、自分の中学生のときと較べると、この2人だけでなく、周りの子供たちも随分ませているよなあ。
僕は、この頃、野球ばかりでなく、すべてのことをもっとシンプルに考えていたような気がする。

また、あらすじを忘れたころにVIが発売になるのだろう。これが最終巻だろうか?

白球礼賛

2006年06月28日 | 野球本レビュー(2006.12.26)

(岩波書店 平出隆・著)

「フィールド・オブ・ドリームス」の「 それを作れば、彼はやってくる」ではないが、「それを読んだら彼がやってきた」。

この『白球礼賛』を初めて読んだ1993年、同じ草野球の世界にありながら、平出隆さんも彼の愛するチーム,クーパースタウン・ファウルズと僕は、まったく違う「宇宙」にいた。会社の先輩の付き合いですでに草野球チームには入っていたが、どこかナメているところがあって、ファウルズとは程遠い真剣味のなさだった。「どうせ草野球をやるならこういうチームでやりたい」強く願い、また嫉妬したものだ。その願いが通じたのか、それからしばらくして、妻の会社の人間である、ファウルズのメンバーと知り合いになり、やがて対戦、そして10数年で100試合を超える試合を戦うライバルチームとなった。げに縁とは不思議なものである。

『白球礼賛』には平出さんの野球への愛がちりばめられている。
「野球という遊びを徹底的に遊びつくそうぜ、楽しもうぜ」という熱いメッセージを野球を愛する多くの人たちに「キャッチ」して欲しい。

熱球

2006年05月30日 | 野球本レビュー(2006.12.26)


『熱球』(徳間書店 重松清 著)

人生の岐路に立ったときに「逃げる」という選択肢も大事なのかも知れない。エースとして「シュウコウ」を甲子園まであと一歩のところまで導いたヨージは東京から娘を連れて、故郷に「逃げてくる」。捨てたはずの故郷には思いがけず大切なものがたくさんあって.....。
立ち止まる、逃げることによって人はまた歩きだせる力を蓄えることができる。しかし、歩きだすには背中を押してくれる力が必要だ。ヨージにとって、それはシュウコウであり、チームメートであり、故郷であったのだ。
再び歩き出すヨージの耳に聞こえたのはコンバット・マーチ。
まあ、重松さん自身が早稲田OBだしなあ(笑)。あんまり関係ないか。