NPO法人静岡県環境カウンセラー協会

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[会報3号] 平成16年度総会を4月27日(火)に開催

2004年03月29日 | 環境カウンセラー通信 しずおか No.3
平成16年度総会を4月27日(火)に開催
事務局より

さる3月18日に開催されました役員会において、第5回通常総会の開催が決定されました。例年5~6月に開催されてきましたが、総会決議案件の都合により4月の開催となりました。詳細につきましては、会員の皆様へ別途案内状を差し上げますが、ここに概略をお知らせいたします。

★ 日時:平成16年4月27日(火) 13時~17時
★ 場所:静岡県男女共同参画センター「あざれあ」
★ 議題:同封案内をご覧ください。

[会報3号] エコアクション21 新ガイドライン・認証制度 説明会

2004年03月29日 | 環境カウンセラー通信 しずおか No.3
エコアクション21 新ガイドライン・認証制度 説明会
事務局より


環境省では平成8年より、中小事業者等の幅広い事業者に対して、環境活動評価プログラム(エコアクション21)を策定し、その普及を進めてきました。しかし環境と経営に関する最新の動向に対応するため、エコアクション21を全面的に見直すこととなり、3月23日より全国5ヶ所で環境省主催の説明会が開催されました。3月24日の東京会場では、何人かの会員の方々が参加されていましたが、参加されなかった皆様へ概要をお知らせいたします。正式には4月になってから環境省のホームページで公開されます。
○ エコアクション21 2004年版
環境経営システムを明確に盛り込み、PDCAサイクルを導入することにより、継続的な改善が効果的に行えるようにするとともに、コミュニケーションツールとしての環境活動レポートの作成・公表機能を盛り込みました。
さらに、第3者による認証・登録制度を導入することにより、従来の内部利用を目的とした参加登録制度から、対外的な評価が得られる認証制度となり、エコアクション21に取り組む事業者にとっても大きなインセンティブになると考えられます。
○ 今後のスケジュール
4月 新ガイドラインの発行
6月
7月   審査人の募集・試験
8月   運営組織の体制整備
9月 認証・登録の開始

[会報3号] 私の活動日記

2004年03月29日 | 環境カウンセラー通信 しずおか No.3
私の活動日記
市民部門 小関幸子/裾野市


 3月16日、県地球温暖化防止活動推進員研修会で活動発表をしました。
 昨年10月の裾野市環境大会と今年1月の裾野市消費生活展に参加して取り組んだ事を題材に発表しましたが、15分の短さをあらためて痛感しました。いかに効率よく言葉を選んで伝えることができるか思い悩んでいましたが、翌日の静岡新聞にはほぼ主旨通りにまとめられていたので(さすがプロ)少し気を取り直しました。地域別に分けた意見交換では、男性が元県職と元企業の環境保全担当の3人と女性が地域活動家3人のバトルで、まるで環境カウンセラー協会の事業者部門と市民部門のすれちがいそのままで、ちょっとうんざりしてしまいました。市町村の環境担当は公害係だった頃からのつきあいで企業人を選出したのだと想像できますし、企業の環境保全のノウハウから学ぶべきことも多いでしょう。また、○○研究会では温暖化防止活動なんて昔からやってきているので「今さら」発言があるのに対して、それは会の中だけでしょうと突っ込まれたりしていて、果たして同じ方向性を持つまでに成長できるのやら、このまま勝手に行くのやら、というところです。他のグループから「男性は会社では環境をやっているみたいだけれど、家に帰ったらからっきしだめ」という発言が印象に残ったと、男性が発表されました。良い討論のできたグループだったのでしょう。
今年度は各市町村から1人ずつ(2人区もあり)推薦されて出ていることもあって、市町村に認識してもらうためということで、文書はまず役所に届きます。裾野市は問い合わせるまで、ずっとあたためてくれているので、直送を要望したところ、それは裾野市の環境に対する温度が低いからだと一蹴されてしまいました。とんだやぶへびで、私を出している事こそ温度が高いんじゃと反論するのが精一杯でした。地域温暖化防止活動推進センター設置に関しても云々を少しとばして、補助金が100万(?)出るのだからやればいいではないかとの県職発言があり(ただし、この2件は交流会でのオフレコ発言)県はそう来るのか、市町村合併推進で補助金をちらつかせているのと同じ手口なんだ、と県との深―い溝がその時実在するのを感じました。事実と真実が明確に使い分けられて、今日も県政は行く――そうだ、静岡空港をLCAしたらどうなるのかな。誰か教えて下さい。
 久々に駿府城に登城したらどっと疲れてしまい、消費エネルギーな1日でした。

 3月18日、裾野市家庭排水浄化推進協議会(県由来の名称は長くて困ります)研修会で、裾野市の上水道について学びました。
 昨年の富士山憲章フォーラムの資料で、裾野市の1人1日あたりの給水量が富士山周辺市町村の中でダントツに少なかった(さらに全国平均よりも)原因を解明すべく、資料を取り寄せたところ、数値の申告まちがい(有収水量を出していた)と判明したのですが、県の給水量のリストには企業の揚水量は入っていないことに気づいてしまいました。湧水保全というテーマのもとに出てきた資料で、しかも何社かの主要企業を集めていながら、最も重要な企業の揚水量を総体として把握できる資料ではなく、グラフとか表とかが出てくると、何か正しいような気がしてしまいがちですが、そこに落とし穴があると思った方がよさそうです。(地球温暖化防止活動の「家庭ねらい」もその口と見ています)そこで、裾野市の上水道担当に、そのあたりも聞こうと臨んだところ、会員からは、水栓の水漏れはどの業者に来てもらえばいいのか――蛇口の構造と節水パッキンの説明があったので――自宅の水質を調べてもらったらPHか塩素濃度が0.8だったとか、ぐぐっと基礎にひきずりもどされた質問が出て、この13年は何だったのだと暗い気持ちになってしまいました。追い討ちをかけて、我家の地区の配水場を見学できたのですが、新しい井戸が出来ていて、そこから(愛鷹山水系)60%と従来の水源から40%(富士山水系)ブレンドになっていたことを知り、裾野市の水としてボトル詰めされている上流(富士山水系)のものが一番おいしく、ミネラルが多いということでした。

 3月24日、NPOエコハウス御殿場の企画によるファイバーリサイクル会社ナカノ秦野工場見学会に参加しました。
 10年前には中古(輸出用)、ウエス、反毛が30%ずつの扱いであったのが、今はウエスは18%となっているとのことです。原因として、①工場が海外へ進出している②ISO取得のために使用後ゴミになるウエスを使わず、紙を使ってゴミ重量を減らしているか、レンタル方式を採用している、があげられました。油をふいた布の行き先を変えただけの汚れの移転でしかないといきなりからISOの欠点指摘をやられてしまいました。過日の温暖化防止活動推進員研修会の意見交換でも、沼津、三島がISOをとっているので清水町もと働きかけているという話が出かけたので、ISO14000シリーズ取得は、あくまで決めた範囲内のことで、RDFを抱える御殿場市などは市全域が環境都市になったわけではないと水を向けると、いや実はISO推進のため市職は連日の深夜残業で書類づくりに追われているなどといった現実も出てきたりしていて、そろそろISOほころび出現ではないでしょうか。(トータルなアセスメントがほしい!!)「ボロ屋」(なつかしい言葉に出会ってしまいました)から出発し、経費の方がかかってしまう現状にもくじけず、自然から得たものを自然に帰すのコンセプトをつらぬく会社でありました。リサイクルはリサイクル製品を使って初めて完成するんですよというきびしいパンチもトイレットペーパーの例を使って繰り出してこられるのですが、反毛製品もウレタンには太刀打ちできず、フリースも再生はアウトで、廃棄をするときの手立てのない石油製品が強敵となっているとのことです。エコハウス御殿場との取り組みでは、古着は選別されて納入されてくることと、数年来の信頼関係で結ばれていることが、ナカノ(株)とのファイバーリサイクルの強い推進力となっていることがわかりました。

[会報3号] 環境カウンセラー活動実績等報告書

2004年03月29日 | 環境カウンセラー通信 しずおか No.3
環境カウンセラー活動実績等報告書
前号でお知らせしました活動実績等報告書は提出期限の2月末までに提出されたことと思います。
今回、会員お二人の方の報告書(抜粋)をご紹介いたします。
市民部門 星谷孝彦/修善寺町(星谷さんは、事業者部門でも提出されています)
環境保全活動の実績(400字以内)
環境保全活動として、①中小企業への環境啓蒙活動、②地域の中での環境活動に注力致しました。①に対しては、特にISOを推奨する機会が多く昨年は4社に実施したのですが、市民部門についての環境保全活動は、一般家庭に輪を広げることが重要との考えから、会社のISOのみでなく、全社員の家庭での関心度向上も必要との考えを強調しつつ指導しています。その結果、会社内での例えば省エネ活動は、そのまま家庭内での関心度向上に直結したとよく聞きます。家庭での効果は数値で把握できないのが残念ではありますが、確実に効果が上がっていると確信します。②については、行政責任者からの依頼で、例年の子供たちへのお飾り作りの講師などを通じて、伝統行事の大切さ及び自然を大事にすることの大切さ、更には環境の重要性を教えることができました。環境活動は、如何に子供達にその重要性を伝えることが重要と考えている故に有効だったと考えます。
研修の履修状況又は研さん活動の実績(150字以内)
団体主催の研修では、9月14日に静岡市で開催された静岡県主催の「しずおか環境・森林フェア」に県環境カウンセラー協会事務局の説明員として参加しました。ブースを訪れた方の中で、市民関連の内容としては、若い女性の廃棄物に関する具体的かつ技術的な質問に答えたことが印象に残りました。
今後の活動計画(150字以内)
昨年同様、家庭及び地域に対する環境保全活動の取組みの輪を広げることが必要との観点から、普段携わっている中小企業へのISO推奨活動を利用して、一般家庭へのPRを行って行きます。更に地域にあっては、地域清掃等ボランティア活動を定期的に行いつつ環境の指導啓蒙を実践します。

事業者部門 笹田尚利/浜松市
環境保全活動の実績(400字以内)
事業者の環境保全活動支援と一般市民への啓蒙活動を実施1.事業者の環境保全活動支援(1)新EA21パイロット事業    審査人として3事業者の取組みを指導・助言(9月~)(2)現行EA21  1事業者の取組みを指導・助言(10月~)2.一般市民への啓蒙活動(1)静岡県地球温暖化防止活動推進員の委嘱を受ける(6月~)(2)浜松市環境フェアー21実行委員として企画・運営に参加(9月20、21日)(3)浜松市消費者グループ連絡会メンバーとして省資源部会活動を支援(4)引佐町立南部中学校にて講演(7月1日)   テーマ:「わたしたちの生活と環境問題」
研修の履修状況又は研さん活動の実績(150字以内)
5月14日 「中部電力浜岡原子力発電所視察見学」浜松市消費者グループ連絡会として5月24日 「食品表示は信用できるか」食品問題研究家(増尾清氏)受講6月17日 「地球温暖化対策と推進員の役割」環境省地球環境局(吉川雅巳氏)受講8月28日 「EA21パイロット事業説明会(京都)」参加12月12日「地球温暖化の現状と今後の対応」国立環境研究所(原沢英夫氏)受講
今後の活動計画(150字以内)
1.中小事業者のEA21取組み支援 EA21審査員として中小事業者の環境経営を支援し、EA21審査登録制度の推進に 貢献したい2.一般市民への啓蒙活動 静岡県地球温暖化防止活動推進員、浜松市消費者グループ連絡会メンバー及び浜松環境 フェアー実行委員として、一般市民に対する啓蒙活動推進

[会報3号] 身近な環境問題

2004年03月29日 | 環境カウンセラー通信 しずおか No.3
身近な環境問題
市民部門 小関幸子/裾野市


その1. 我が家のさるるるる
 昨年の12月中旬頃の事、夕刻に近所の小学生が「さるだ、さるだ」と騒いでいるのを耳にしていました。愛鷹山東麓に開発された1000戸ほどのニュータウンで、隣接のゴルフ場内の境界となっている針葉樹林ではときどき猿の群れが移動しているのを見ていたので、さほど驚くことでもないことでした。ニュータウン入口付近には別の群れがいて、座敷に上がったという話は聞いていたし、メイン道路のガードレールでは並んで日向ぼっこをしていたり、市民農園は野菜を取られるので、檻で囲った中で作っている、という有様なので、今年はぶなの実が少ないから、猿も大変だろうなと思っていました。翌日、夕刻に帰宅すると、一足先に帰っていた家族が隣家から、昼間猿が家に入っていった、庭の別棟の屋根の上にまだいると告げられて見ると大きな猿が屋根にいるのを目撃したとのことでした。2階のベランダにはりんごのかじりかすが直径1mに散らかり、会談と台所への廊下にも何ヶ所かりんごのかすが落ちていました。座敷犬2匹のためにベランダ入口は戸がいつも20cmほど空けてあり、そこから部屋を抜けてすぐの階段を下りて台所を見るとすぐにりんごが見えるところに1個置いてありました。そばにみかんとバナナがあったのですが、目もくれず、りんごが大好物のようです。犬はいったいどうしていたのか、それが一番心配だったのですが、若干おびえている様ではありましたが何も言ってくれません。隣人によれば、吠えてはいなかったとの事なので、1匹はコタツの中に隠れ、もう1匹は、そういえば2回目は帰宅したとき玄関の戸にぴったりくっついていましたので、それなりに退避していたのでしょう。10kgの犬より大きな猿なので戦ったら絶対負けるでしょう。しばらくは仕方ないのでカギを閉めてベランダに出られないようにしていたのですが、つい開けたまま外出してしまった日、廊下、階段、ベランダには中をかじったかぼちゃの種の外側がぱらぱらと散らばり、台所のレンジカバーには明らかに猿の足跡がくっきり残っていました。りんごはしまっておいたので、仕方なく持ち込みのかぼちゃの種を我家でポロポリしていったことになります。りんごを置いてあげるわけにはいかないので、庭にぶなの木を植えようかと真剣に考えてしまいました。数年前に他地区で市が捕獲大作戦をやった様なさわぎにならないといいのにという思いを込めて農林担当に問い合わせると、犬がいたら来ないはず、戸締りをしてください。猿が登ってこれるようなものを取り払ってください。見に行きますが、空気銃でおどすぐらいしかできませんという答えでした。庭のいちょうの木に登り、別棟(1階建て)のやねに上ればベランダへは猿には朝飯前の配置です。父の形見のいちょうを切れと?ピアノ室を撤去しろと?ベランダは犬の生活エリアじゃ!しかし、檻を仕掛ける気はないとわかって少しほっとした翌日、メイン道路の歩道を大きな猿と小さな猿がお腹にあかちゃんをかかえて、道路際のお宅の庭に入って行くのを目撃しました。この家族がやって来ていたのでしょうか。隣家では正月過ぎも庭に猿がやって来ていたそうですが、それ以降、我家のこたつむり犬たちはベランダで時々日向ぼっこの日々を取り戻しています。鹿、猪、ハクビシン、数々の野鳥と愛鷹山麓の恵みにあふれた暮らしをしておりますが、第2東名工事はすでに鹿や猿のテリトリーを犯しています。帯状に切り取られた山林のむき出しの土の上は彼らは渡ってこなくなり、県内名所だった桜並木は一部切り倒され、ここは見なかったことにしようと目をつぶって行き帰りする毎日となっています。あと何十年、この赤むけた山を見て過ごすのでしょうか。環境アセスメント報告書には、この現実は何も触れられることはありません。こうして日本の国土は開発されて来たんだとあらためて実感しています。現に実家に帰るときは東名を突っ走って行くし、第2東名工事車両を通すために完成した東名下のトンネルによってストレートにR246に出られて重宝しているのです。だけど、桜並木や緑の山林は切らないでと思うこの矛盾した毎日です。この矛盾を乗り越えて日本中にプロジェクトXが生まれたんだと、生まれて初めて国家レベルのプロジェクト(第2東名)に接してまたまた悩み深くなっています。
・・・・・・うちの猿は今頃どうしているでしょう。


その2. 企業CO2排出量増加の実態
 昨年末に1件の宅配便を受け取るのに不在票が5枚ついたことがありました。イラクへ兵器輸送もするN社です。初めの2回は帰宅後に電話を入れられなかったから3回目には夫から不在連絡票を見て「同じ時間に来ていなかったら少しは考えないのかね」と指摘されました。連絡を取ると、この便は(N社には家庭向けのシステムがある)何時に届けられるかわからない、明日はいるのか、の一点張りなのです。昼間はいませんとしか答えられないので、こちらの責任でいいから玄関前に置いてよい(大型荷物だったので)といっても、それはできないのやり取りの末、しぶしぶ事前連絡をくれる事を約束させたあげく、ちょうど人が変わったからと約束は守られないまま、偶然受け取るに至りました。平成16年3月11日付け朝日新聞の記事によれば、中央環境審議会地球環境部会で環境省が公表した01年度トラック物流など運輸部門が17.1%増(対90年)とありました。1件の配送に大型トラックで遠路5回も運んでいればさもありなん、という事件でした。配送システムが間違っているからで、荷を出したメーカーに問い合わせたところ、こちらも困っているんです、という返事でした。配送伝票には大きな要事前連絡のステッカーが貼ってあるのにもかかわらず、平然と無視しているN社です。地球温暖化は、それでも家庭をねらいますか、の1件でした。
A4の紙1枚の請求に対し、宅配便2回(1回はこちら負担)、速達1回、FAX長文3回、電話数知れず、かかった日数8日間、ほしいものは手に入らず、な仕事をする省エネルギーセンターという団体もあります。

[会報3号] 1枚のデータから(シリーズ第1回)

2004年03月29日 | 環境カウンセラー通信 しずおか No.3
1枚のデータから(シリーズ第1回)
                        事業者部門 河島義郎/富士宮市
 
環境問題関連のさまざまな公表データの中から、筆者が気になったデータを皆様に紹介して意見を述べさせていただきます。筆者の独断と偏見で選択していますので、「そんなことは前から知っている」、「データの信頼性はどうなのか?」、「データの解釈が間違っている」等のご指摘もあると思います。ぜひご意見、反論をお寄せください。会員同士の議論が大いに盛り上がるきっかけになれば、と思っています。


 第1回 京都議定書の効果

 1月にEメールアドレスをお持ちの方にご案内を差し上げました「エネルギーと環境セミナー」(2/8静岡市「あざれあ」にて、電力中央研究所 中岡講師)で使用されたデータです。

 
京都議定書のCO2削減目標達成のため、行政も企業も大変な努力をしています。しかし、目標を達成することによって環境問題がどの程度改善されるのかの情報はほとんどないような気がします。地球温暖化によってさまざまな環境問題が発生する、だからCO2を削減しなければならない、だから京都議定書の削減目標を達成しなければならない、という図式になっています。逆に言えば、削減目標を達成すれば温暖化は防止できる、と思っている人が多いのではないでしょうか?
 上のデータによれば、日米欧がそれぞれ削減目標を達成しても、CO2濃度が600ppmに到達するのが無対策の2075年から2085年に、すなわち10年遅れるだけです。
 だから、CO2を削減しても無駄である、と言うつもりはありません。この目標では決して十分ではないということを認識するべきであると思います。現在の社会の風潮では、目標を達成すれば一安心、ということになっているような気がします。もっともっとCO2削減に努力するべきである、やりすぎということはない、という意識を人類が持つべきでしょう。そして、先進国だけでなく、開発途上国における対策も先延ばしにできる状態ではないのではないでしょうか?
(写真をクリックすると拡大します)

[会報3号] 書籍案内

2004年03月29日 | 環境カウンセラー通信 しずおか No.3
書籍案内        
市民部門 小関幸子/裾野市

・トゲウオのいる川 淡水生態系を守る           森 誠一著  中公新書1365
・ちょっと待ってケナフ! これでいいのビオトープ?
   よりよい総合的な学習、体験活動をめざして     上赤博文著  地人書館
・世界の環境都市を行く             井上智彦、須田昭久編  岩波ジュニア新書
・週刊 日本の樹木                    学研グラフィック百科
・週刊 花の百名山                    朝日新聞社

「ちょっと待ってケナフ!」はケナフブームの一部始終に重点が置かれているので、ビオトープの理解のために「トゲウオのいる川」を呼んでおくと補完できます。
相次いで週刊百科が2シリーズスタートしました。植物系は今までも数々ありましたが、この2本はアウトドア(現場)で使える付録も付いていて、樹木の方は、No.1ブナではそのもの+ブナ林の樹木のこともわかる、といった構成に感激しました。花の方は、大ファンである小泉武栄氏による地質とその花がそこにある理由のわかるコラムをおさえてあり、これまたお気に入りの出来上がりとなっています。
おすすめ本を選んでいる時に、「ちょっと待ってナンキンハゼ」事件発生です。平成16年2月17日付け朝日新聞の記事で「鹿の好き嫌い、森変える」の見出しに目がくぎ付けになってしまいました。奈良市春日山原始林では、鹿がシイやカシの若木を食べるので山麓の日当たりが良くなり、ナンキンハゼが増えて4499本/45haになってしまった。(1haに約100本,100m2に1本=10m四方に1本の喬木)シイやカシを食べる増えすぎた鹿を奈良公園での芝生維持に適正な頭数に管理するというわけです。林業造園家必携の「樹木ガイドブック」(加藤書店)によれば、ナンキンハゼは乾湿肥痩の地を問わず生長が早く剪定は強くしなくてはならない、とあります。(種子は有毒)鹿は外来種を食べる訳はなく、鹿にとってはとんだ言いがかりの何物でもありません。ナンキンハゼ対策は別に立てるべきでしょう。本当に<ちょっと待って事件>頻発です。

[会報3号] 編集後記

2004年03月29日 | 環境カウンセラー通信 しずおか No.3
編集後記 
当初計画どおり、年度内に3回の会報発行を達成することができました。会員の皆様のご協力に感謝いたします。特に小関幸子さんには功労賞を差し上げたい気持ちです。 
 会報名の提案を江間郁乃さん(浜北市)からFAXでいただきました。
  「“環”はいかがでしょうか?“わ”でも“たまき”でもよいです。環境の環、循環社会の環、ネットワークの環、行政・企業・市民の協働の環、等いろいろな意味が含まれます」
ありがとうございました。すでにいただいている案を含めて、4/27の総会のときに決定させていただこうと考えています。                            (河島)

◆発行 静岡県環境カウンセラー協会  静岡県静岡市追手町9-6
◆発行責任者 矢木 格        静岡県環境保全協会内