NPO法人静岡県環境カウンセラー協会

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[会報3号] 1枚のデータから(シリーズ第1回)

2004年03月29日 | 環境カウンセラー通信 しずおか No.3
1枚のデータから(シリーズ第1回)
                        事業者部門 河島義郎/富士宮市
 
環境問題関連のさまざまな公表データの中から、筆者が気になったデータを皆様に紹介して意見を述べさせていただきます。筆者の独断と偏見で選択していますので、「そんなことは前から知っている」、「データの信頼性はどうなのか?」、「データの解釈が間違っている」等のご指摘もあると思います。ぜひご意見、反論をお寄せください。会員同士の議論が大いに盛り上がるきっかけになれば、と思っています。


 第1回 京都議定書の効果

 1月にEメールアドレスをお持ちの方にご案内を差し上げました「エネルギーと環境セミナー」(2/8静岡市「あざれあ」にて、電力中央研究所 中岡講師)で使用されたデータです。

 
京都議定書のCO2削減目標達成のため、行政も企業も大変な努力をしています。しかし、目標を達成することによって環境問題がどの程度改善されるのかの情報はほとんどないような気がします。地球温暖化によってさまざまな環境問題が発生する、だからCO2を削減しなければならない、だから京都議定書の削減目標を達成しなければならない、という図式になっています。逆に言えば、削減目標を達成すれば温暖化は防止できる、と思っている人が多いのではないでしょうか?
 上のデータによれば、日米欧がそれぞれ削減目標を達成しても、CO2濃度が600ppmに到達するのが無対策の2075年から2085年に、すなわち10年遅れるだけです。
 だから、CO2を削減しても無駄である、と言うつもりはありません。この目標では決して十分ではないということを認識するべきであると思います。現在の社会の風潮では、目標を達成すれば一安心、ということになっているような気がします。もっともっとCO2削減に努力するべきである、やりすぎということはない、という意識を人類が持つべきでしょう。そして、先進国だけでなく、開発途上国における対策も先延ばしにできる状態ではないのではないでしょうか?
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