NPO法人静岡県環境カウンセラー協会

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[会報3号] 身近な環境問題

2004年03月29日 | 環境カウンセラー通信 しずおか No.3
身近な環境問題
市民部門 小関幸子/裾野市


その1. 我が家のさるるるる
 昨年の12月中旬頃の事、夕刻に近所の小学生が「さるだ、さるだ」と騒いでいるのを耳にしていました。愛鷹山東麓に開発された1000戸ほどのニュータウンで、隣接のゴルフ場内の境界となっている針葉樹林ではときどき猿の群れが移動しているのを見ていたので、さほど驚くことでもないことでした。ニュータウン入口付近には別の群れがいて、座敷に上がったという話は聞いていたし、メイン道路のガードレールでは並んで日向ぼっこをしていたり、市民農園は野菜を取られるので、檻で囲った中で作っている、という有様なので、今年はぶなの実が少ないから、猿も大変だろうなと思っていました。翌日、夕刻に帰宅すると、一足先に帰っていた家族が隣家から、昼間猿が家に入っていった、庭の別棟の屋根の上にまだいると告げられて見ると大きな猿が屋根にいるのを目撃したとのことでした。2階のベランダにはりんごのかじりかすが直径1mに散らかり、会談と台所への廊下にも何ヶ所かりんごのかすが落ちていました。座敷犬2匹のためにベランダ入口は戸がいつも20cmほど空けてあり、そこから部屋を抜けてすぐの階段を下りて台所を見るとすぐにりんごが見えるところに1個置いてありました。そばにみかんとバナナがあったのですが、目もくれず、りんごが大好物のようです。犬はいったいどうしていたのか、それが一番心配だったのですが、若干おびえている様ではありましたが何も言ってくれません。隣人によれば、吠えてはいなかったとの事なので、1匹はコタツの中に隠れ、もう1匹は、そういえば2回目は帰宅したとき玄関の戸にぴったりくっついていましたので、それなりに退避していたのでしょう。10kgの犬より大きな猿なので戦ったら絶対負けるでしょう。しばらくは仕方ないのでカギを閉めてベランダに出られないようにしていたのですが、つい開けたまま外出してしまった日、廊下、階段、ベランダには中をかじったかぼちゃの種の外側がぱらぱらと散らばり、台所のレンジカバーには明らかに猿の足跡がくっきり残っていました。りんごはしまっておいたので、仕方なく持ち込みのかぼちゃの種を我家でポロポリしていったことになります。りんごを置いてあげるわけにはいかないので、庭にぶなの木を植えようかと真剣に考えてしまいました。数年前に他地区で市が捕獲大作戦をやった様なさわぎにならないといいのにという思いを込めて農林担当に問い合わせると、犬がいたら来ないはず、戸締りをしてください。猿が登ってこれるようなものを取り払ってください。見に行きますが、空気銃でおどすぐらいしかできませんという答えでした。庭のいちょうの木に登り、別棟(1階建て)のやねに上ればベランダへは猿には朝飯前の配置です。父の形見のいちょうを切れと?ピアノ室を撤去しろと?ベランダは犬の生活エリアじゃ!しかし、檻を仕掛ける気はないとわかって少しほっとした翌日、メイン道路の歩道を大きな猿と小さな猿がお腹にあかちゃんをかかえて、道路際のお宅の庭に入って行くのを目撃しました。この家族がやって来ていたのでしょうか。隣家では正月過ぎも庭に猿がやって来ていたそうですが、それ以降、我家のこたつむり犬たちはベランダで時々日向ぼっこの日々を取り戻しています。鹿、猪、ハクビシン、数々の野鳥と愛鷹山麓の恵みにあふれた暮らしをしておりますが、第2東名工事はすでに鹿や猿のテリトリーを犯しています。帯状に切り取られた山林のむき出しの土の上は彼らは渡ってこなくなり、県内名所だった桜並木は一部切り倒され、ここは見なかったことにしようと目をつぶって行き帰りする毎日となっています。あと何十年、この赤むけた山を見て過ごすのでしょうか。環境アセスメント報告書には、この現実は何も触れられることはありません。こうして日本の国土は開発されて来たんだとあらためて実感しています。現に実家に帰るときは東名を突っ走って行くし、第2東名工事車両を通すために完成した東名下のトンネルによってストレートにR246に出られて重宝しているのです。だけど、桜並木や緑の山林は切らないでと思うこの矛盾した毎日です。この矛盾を乗り越えて日本中にプロジェクトXが生まれたんだと、生まれて初めて国家レベルのプロジェクト(第2東名)に接してまたまた悩み深くなっています。
・・・・・・うちの猿は今頃どうしているでしょう。


その2. 企業CO2排出量増加の実態
 昨年末に1件の宅配便を受け取るのに不在票が5枚ついたことがありました。イラクへ兵器輸送もするN社です。初めの2回は帰宅後に電話を入れられなかったから3回目には夫から不在連絡票を見て「同じ時間に来ていなかったら少しは考えないのかね」と指摘されました。連絡を取ると、この便は(N社には家庭向けのシステムがある)何時に届けられるかわからない、明日はいるのか、の一点張りなのです。昼間はいませんとしか答えられないので、こちらの責任でいいから玄関前に置いてよい(大型荷物だったので)といっても、それはできないのやり取りの末、しぶしぶ事前連絡をくれる事を約束させたあげく、ちょうど人が変わったからと約束は守られないまま、偶然受け取るに至りました。平成16年3月11日付け朝日新聞の記事によれば、中央環境審議会地球環境部会で環境省が公表した01年度トラック物流など運輸部門が17.1%増(対90年)とありました。1件の配送に大型トラックで遠路5回も運んでいればさもありなん、という事件でした。配送システムが間違っているからで、荷を出したメーカーに問い合わせたところ、こちらも困っているんです、という返事でした。配送伝票には大きな要事前連絡のステッカーが貼ってあるのにもかかわらず、平然と無視しているN社です。地球温暖化は、それでも家庭をねらいますか、の1件でした。
A4の紙1枚の請求に対し、宅配便2回(1回はこちら負担)、速達1回、FAX長文3回、電話数知れず、かかった日数8日間、ほしいものは手に入らず、な仕事をする省エネルギーセンターという団体もあります。

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