NPO法人静岡県環境カウンセラー協会

静岡市葵区追手町10 新中町ビル 222 (2階)
tel.054-205-8083 fax.054-205-8096

[会報3号] 書籍案内

2004年03月29日 | 環境カウンセラー通信 しずおか No.3
書籍案内        
市民部門 小関幸子/裾野市

・トゲウオのいる川 淡水生態系を守る           森 誠一著  中公新書1365
・ちょっと待ってケナフ! これでいいのビオトープ?
   よりよい総合的な学習、体験活動をめざして     上赤博文著  地人書館
・世界の環境都市を行く             井上智彦、須田昭久編  岩波ジュニア新書
・週刊 日本の樹木                    学研グラフィック百科
・週刊 花の百名山                    朝日新聞社

「ちょっと待ってケナフ!」はケナフブームの一部始終に重点が置かれているので、ビオトープの理解のために「トゲウオのいる川」を呼んでおくと補完できます。
相次いで週刊百科が2シリーズスタートしました。植物系は今までも数々ありましたが、この2本はアウトドア(現場)で使える付録も付いていて、樹木の方は、No.1ブナではそのもの+ブナ林の樹木のこともわかる、といった構成に感激しました。花の方は、大ファンである小泉武栄氏による地質とその花がそこにある理由のわかるコラムをおさえてあり、これまたお気に入りの出来上がりとなっています。
おすすめ本を選んでいる時に、「ちょっと待ってナンキンハゼ」事件発生です。平成16年2月17日付け朝日新聞の記事で「鹿の好き嫌い、森変える」の見出しに目がくぎ付けになってしまいました。奈良市春日山原始林では、鹿がシイやカシの若木を食べるので山麓の日当たりが良くなり、ナンキンハゼが増えて4499本/45haになってしまった。(1haに約100本,100m2に1本=10m四方に1本の喬木)シイやカシを食べる増えすぎた鹿を奈良公園での芝生維持に適正な頭数に管理するというわけです。林業造園家必携の「樹木ガイドブック」(加藤書店)によれば、ナンキンハゼは乾湿肥痩の地を問わず生長が早く剪定は強くしなくてはならない、とあります。(種子は有毒)鹿は外来種を食べる訳はなく、鹿にとってはとんだ言いがかりの何物でもありません。ナンキンハゼ対策は別に立てるべきでしょう。本当に<ちょっと待って事件>頻発です。

最新の画像もっと見る