
この1年間を振り返って一番面白かった演劇(ミュージカル)作品を挙げるならば、文句なしに「スウィーニー・トッド」になる。宮本亜門・市村正親・大竹しのぶの組み合わせで、面白くないはずがない。ストーリーは幸福な家庭を奪われ復讐に燃える床屋のスウィーニー(市村さん)と、彼が殺害した人間の肉でパイを焼くロンドンの下町のおかみさんのラヴェット夫人(大竹さん)を中心に進んでいく何ともおどろおどろしい話。
あらすじだけ読むと血生臭くて異様に暗い話に思え、ついていけるかどうか心配だったが、市村・大竹コンビの演技に完全に惹き込まれた。大竹さんの歌は正直、ミュージカルとしてはどうかと思う出来だったが、あの人の演技力がそんな杞憂を完全に一掃してしまった。彼女は天性の女優だと感じた。この役で本年度の菊田一夫賞を受賞している。10年くらい前だろうか、大竹さんと寺島しのぶさんによる「奇跡の人」を見た。寺島さんがヘレン・ケラーを、大竹さんがサリバン先生を演じたのだが、一言もせりふを発しない寺島さんと、障害があるがゆえに両親に甘やかされ、わがまま放題に育てられたヘレンを、力ずくで躾け直す大竹さんの激しい闘いに息を呑んだ。そこにいるのはまさしくサリバン先生その人だった。感動した。
市村さんの巧さは今更言うまでもない。彼がいて初めてこの作品は成り立つ。このやりきれないほど暗いミュージカルに、時にシニカルな笑いを吹き込む。脇を固めた武田真治さんがまたいい。彼は実年齢は30代半ばだが、この作品では10代の知的障害を持つ(作品の最後で極めて重要な鍵を握る)少年を演じたがどこから見ても10代の少年そのもの。彼の役者魂を見た思いだった。近い将来ぜひこのキャストで再演することを願っている。
来年1月19日には、ジョニーデップ主演の映画が公開される。こちらも見に行くつもりだ。既に映画の公式サイトができているが「パイレーツ~」の時とはまったく違う顔を見せるジョニーがそこにいた。彼の歌唱力は未知数だが、大竹さんの歌みたいに、技巧的な巧さ云々でなく、魂のこもった演技力で聞かせてくれそうだ。映画の公式サイトは次のURL。
http://wwws.warnerbros.co.jp/sweeneytodd/
あらすじだけ読むと血生臭くて異様に暗い話に思え、ついていけるかどうか心配だったが、市村・大竹コンビの演技に完全に惹き込まれた。大竹さんの歌は正直、ミュージカルとしてはどうかと思う出来だったが、あの人の演技力がそんな杞憂を完全に一掃してしまった。彼女は天性の女優だと感じた。この役で本年度の菊田一夫賞を受賞している。10年くらい前だろうか、大竹さんと寺島しのぶさんによる「奇跡の人」を見た。寺島さんがヘレン・ケラーを、大竹さんがサリバン先生を演じたのだが、一言もせりふを発しない寺島さんと、障害があるがゆえに両親に甘やかされ、わがまま放題に育てられたヘレンを、力ずくで躾け直す大竹さんの激しい闘いに息を呑んだ。そこにいるのはまさしくサリバン先生その人だった。感動した。
市村さんの巧さは今更言うまでもない。彼がいて初めてこの作品は成り立つ。このやりきれないほど暗いミュージカルに、時にシニカルな笑いを吹き込む。脇を固めた武田真治さんがまたいい。彼は実年齢は30代半ばだが、この作品では10代の知的障害を持つ(作品の最後で極めて重要な鍵を握る)少年を演じたがどこから見ても10代の少年そのもの。彼の役者魂を見た思いだった。近い将来ぜひこのキャストで再演することを願っている。
来年1月19日には、ジョニーデップ主演の映画が公開される。こちらも見に行くつもりだ。既に映画の公式サイトができているが「パイレーツ~」の時とはまったく違う顔を見せるジョニーがそこにいた。彼の歌唱力は未知数だが、大竹さんの歌みたいに、技巧的な巧さ云々でなく、魂のこもった演技力で聞かせてくれそうだ。映画の公式サイトは次のURL。
http://wwws.warnerbros.co.jp/sweeneytodd/
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