ブログで学ぶ!日商簿記検定

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グローバル・スタンダードってなに?

2005-12-31 00:04:52 | ブログで学ぶ簿記3級講座
 こんばんわ
もうすぐ年が明けますよ~どうしましょう。
簿記の勉強なんてやってる場合じゃないですよね

 ところで、簿記は会計の一分野に属するものですが
わたくしが尊敬する京セラ稲盛会長は、「会計とは経営の
コクピットの計器類に相当する」とおしゃっています。
これは、経営者の側から会計を見た場合といえますね。

 また、会計は企業の強さを測る「モノサシ」であるとする
見方もあります。
これは、企業外部の投資者などの人達から見た場合といえます
 
 米国エネルギー大手のエンロン、そして通信大手ワールドコムなど
花形成長企業ともてはやされた米国企業の相次ぐ破綻は
「不正経理」の表面化が引き金となりました。
かつて、世界最大の会計事務所だったアーサーアンダーセンは
エンロンの不正を見逃した責任を問われ、解体に追い込まれましたね

 大学や専門学校で教える「簿記」は、仕訳とか転記など辛気臭い
経理処理がほとんどですが、それにより作成される決算書や仕訳の
考え方や会計基準など会計とは、もっと大きな意味を持っています
複式簿記における仕訳や金額の計算方法を決める会計法規を
「会計基準」といいますが、この会計基準が国ごとにバラバラでした。
それが、経済のグローバル化が急速に進み、金が国境を越えて動き回る
ようになった1990年代になると、国ごとに会計基準が異なることが
大きな問題としてクローズアップされるようになりました

 とくに、この問題に対して国際社会で図らずも大きな役割をした国が
ありました。それが、なにを隠そうわが国「日本」なのです。
すなわち、日本企業の強さの秘密の裏側には、強さを測るモノサシである
会計基準が違っていたのです。
つまり、80年代の日本企業の強さは、会計基準というモノサシが
狂っていたからではないのか?という疑念が世界で湧き上がったのです。
そこで、日本も含め世界中の企業を公正に比較できるひとつの
モノサシである国際レベルの会計基準を作るべきではないのかという声
が、欧米で強まったのでした。
これが、いま話題の「グローバル・スタンダード」なのです。

 現在、わが国もこの世界に通用する会計基準をどんどん作成している
最中です。
例えば、「有形固定資産の減損会計」という会計基準は、帳簿価額で
評価され続ける有形固定資産や営業権(暖簾)を、その収益性が
低下している場合、その低下分の損失を低下した段階で計上しよう
というもので、欧米ではすでにあったのですが、日本では数年前に
会計基準が作成され、適用はゼネコンなどへの影響が大きいことから
平成17年からの適用となりました。

 いま皆さんが勉強している簿記の処理については、その背景には
国際社会での経済ルールを巡る駆け引きや、財務省との駆け引き
業界団体との駆け引きなど、いろいろと大変なことがあっているのです。
このことについても、またおいおい見ていきましょうね

 それでは、また!

発生主義会計ってなに?

2005-12-20 22:22:11 | ブログで学ぶ簿記3級講座
 こんばんわ
今日も簿記の勉強をいたしましょう。
今日は会計の本質的なお話についてしていきたい
と思います。

 わたくしは、よく講義の中で受講生の方に
「収益とはなんですか? 費用とは何ですか?
収入・支出とはどう違うのですか? どうして
収益・費用という概念を使って利益を計算するのですか?」
という質問をいたします。
受講生の方でなかなかこの質問に答えられる方は
いません
でも、「今、簿記を勉強してるんだ」って
お友達にでも話したら、簿記や会計について何も知らない
人は、このような質問をしそうじゃないですか?
やはり、いくら問題が解けても、このような
質問にも答えられないようじゃ、簿記を勉強する意味は
ないってもんでしょ

 現代の企業会計は「発生主義会計」という形態をとります。
つまり、お金の収入と支出のみで利益を計算する会計を
「現金主義会計」というのに対して、収益・費用という概念を
使い、その両者の対応計算の結果として利益を計算する会計を
「発生主義会計」といいます

 ちょいと設例でみていきましょう。
例えば、1ヶ月に1回決算のあるお店があったとします
そして、得意先に8月1日に商品100円を掛けで販売したとして

 仕訳:(売掛金)100 / (売上)100

となります。
ここで、決算をむかえ、翌9月1日に上記売掛金100円を回収した
とします。

 仕訳:(現金)100 / (売掛金)100

現金主義会計の場合、8月の段階では利益は計算されず
現金収入のあった9月に利益が計算されることになります。

これに対して、発生主義会計では、商品を販売した事実と
その対価の支払請求権を手に入れた段階で「売上」という
収益を計上します。お金が入ってきたかどうかは問いません。

 それでは、なぜ、現代の企業会計は「発生主義会計」の
形態をとるのでしょうか?

 それは、現代の企業会計の主目的が「投資者に対する
情報提供」にあるからです。

 つまり、投資者は将来成長しそうな企業を見つけて
投資しなければなりません。
そこで、企業会計はそのような投資者が将来の成長性を
判断することのできる情報を提供しなければならないのです。

さきの設例では、8月の段階では。お店は商品を売っている
もののお金は入っていません。
よって、お店は小さいままです
これに対して、9月にはお金が入ってきて、お店の資産は
増加し、その分大きく成長しています

 この点で、投資者が欲しがる情報を提供するには
すでに成長した9月段階の情報を提供しても遅いのです。
成長する前の8月の段階での情報を投資家に提供するのが
合理的となるはずです
そこで、資本を増加・減少させる原因となる事実である
収益・費用という発生主義会計の概念を使って利益を
計算するのです。

 最近つくづく思うのは、簿記の3級には簿記に必要な
大事な部分の8割から9割の内容を含んでいます。
ですから、たかが3級とは思わず、3級はそれぐらい
会計の大事な部分を含んでいるだ、と思って
勉強してみてください

財務諸表をつくってみる?

2005-12-19 20:49:38 | ブログで学ぶ簿記3級講座
チワーす!!
勉強の方はどうですか?はかどってますか?
まあ、年末ですから色々な誘惑もあるので
無理せずに、毎日少しづつやっていくのがよろしい
かと思います

 現在、このブログにてできるだけ簿記・会計の
本質的なことも踏まえてお話しさせていただいて
おります。
なお、試験直前には、直前対策としてパターン別の
お話をメルマガにておこないます。
そのときは、こちらでもお知らせしますね

 基本的な仕訳とその背後にある考え方をしっかりと
理解しながら進むと、応用問題にも対応できるように
なりますし、実務についても「役立たず!」と
言われないで済むと思います。
100をもって100にあたるのではなく、100にあたれる
絶対的な1を基礎という土台を作ることで養って下さい。
  
 さて前回までは、簿記の重要な論点である
商品売買の論点についてみました。
そこで、今回はさっそく財務諸表を作成してみます。

 貸借対照表と損益計算書を作成するルートは3つありました
よね
今回はそのうちのルート2の作成についてみていきましょう。
図を載せてあるので確認しておいて下さい
 
取引
1/1:オーナがお店に1,000円出資した。
2/2:商品を500円現金で仕入れた。
4/5:上記商品のうち半分を400円で現金売上した。
7/3:給料を20円支払った。

 <仕訳帳への仕訳>
1/1:(現金)1,000 / (資本金)1,000
2/2:(仕入)500 / (現金)500
4/5:(現金)400 / (売上)400
7/3:(給料)20 / (現金)20

 仕訳は上記のようになります。

取引は日々多数に上ります。そこで、金額を把握するために
総勘定元帳へと転記をおこないます。

取引仕訳総勘定元帳へ転記

上記のまでが日々の流れになります。
この流れは、問題集でもしっかりと素早くできるように
なっておいてください。
合格のためには必ず必要になります。
   
 次に、12月31日になったらまず、日々の仕訳と転記が
正しかったのかどうかを確かめるため
「試算表」を作成します。
これは、総勘定元帳から金額を拾ってきます。
この「試算表」は、第3問で出題され、配点も30点ですから
必ずできるようになっておいて下さい

 そして、おまちかね決算整理仕訳をおこないます。

12/31:決算日につき、棚卸をおこなったところ商品が
    250円あった。

 仕訳:(繰越商品)250 (仕入)250

 こちらは以前みましたね。
仕入れた商品のうち、半分が売れ残っているわけですから
費用をその分消滅させて、仕入原価を売上原価に修正
しているのです。

この仕訳をきったあと、もう一度試算表を作成してみます。
これが、決算整理後残高試算表にあたります。(図参照)
仕入勘定が500250円に修正されています。

最後に、この決算整理後残高試算表から収益と費用を
拾ってきて損益計算書が作成され
資産・負債・資本を拾ってきて、貸借対照表が
作成されるのです

 なお、当期利益130が両者で一致しています。
両者は当期利益130円でつながっているのです
このような関係を「クリーン・サープラス関係」
といいます

ここまでの簿記の一連の流れをしっかりと頭にいれておきましょう。
次回からは、また個別の大事な論点と会計の考え方について
みていきますね


ちょいと今日は一休み

2005-12-14 18:23:00 | ブログで学ぶ簿記3級講座
 いやー寒いですね~

わたくしが、簿記の勉強を始めたのは大学生の
時なのですが、典型的文系人間で暗記ばかりで
きたので、ホント苦労しました

簿記って、複式簿記のルールにしたがって
目の前の取引を、その真実の姿を
貸借対照表と損益計算書に表現できるように
5要素を選んで、仕訳をすればいいという
単純な原理に基づく帳簿記入の技術なのですが
このルールにしたがって記入するということを
理解できず、仕訳を暗記ばかりしていました。

 いま考えれば自分ってアホだな~と思います。

以前お話ししたのですが、2級や1級に進むにつれて
仕訳の裏にある考え方を理解する必要がでてきます。

 まあ、こんなわたくしでも1級をとり、講師をしている
のですから、みなさまも焦らなくても大丈夫ですよ
やってるうちに自然と身につきますって

 ところで、勉強のスタイルはもう出来上がりましたか?
簿記検定の試験にかかわらず、合格という栄光を手に入れるには
自分に一番合う勉強スタイルを確立することと、そのスタイルを
貫き通すことが必要となります。

 勉強方法は、いくつかに分かれるとおもいます。
1、勉強の仕方
 ①ノートを作るタイプ
 ②ノートを作らず、テキストに書き込むタイプ
2、勉強の時間帯
 ①早朝派    
 ②真夜中派
 などなどです

 わたくしも経験があるのですが、決してやってはいけない
ことがあります。
それは、自分の勉強スタイルをすてて、周りの人に合わせて
しまうということです

 ついつい、周りにデキル人がいて、その人が夜遅くまで
自習室などで勉強していたり、ノートをとらない派だったり
すると、自分もそれと同じようにしなければ合格できない
というふうに勘違いしてしまったりするときってありますよね?

 自分に合わないスタイルで勉強しても、まったく効率があがりません
絶対にやめたほうがいいです

 それでは今日の格言です。
「自らのスタイルを確立し、そのスタイルを貫き通す者が
勝利者となる!!」
 さあ、三回叫んでみてください。やる気でますよ

そんなに抜け道あったの!?

2005-12-11 09:44:28 | ブログで学ぶ簿記3級講座
 こんちは!!
今日も、楽しく簿記のお勉強をしましょう!

 簿記の最終目標は「貸借対照表」と「損益計算書」の2つの報告書を
つくることでしたね

 これら2つの計算書類を作るルートとしては3つあります。
きょうは、そのことについてお話ししましょう。

 簿記の日常の流れは
 お客さんと取引「仕訳帳に仕訳をする」
「総勘定元帳に転記する」でした。

 つぎに、一定期間または会計年度末に、仕訳と転記が正しかったか
どうかを確かめるため「試算表」を作ります。
この「試算表」には3種類あります。

 ①合計試算表 ②残高試算表 ③合計残高試算表

これら試算表の作成問題は、第3問で出題され、配点がなんと!
30点超なのです!
合格点が70点以上ですから、ここを落とすとかなり、合格は
厳しいのであります!

 では、次いってみましょう。
この「試算表」から運命の分かれ道になります。

「貸借対照表」と「損益計算書」を作成する3つのルートのうち
第1のルートは

<第1のルート>

「仕訳帳に仕訳をする」
「総勘定元帳に転記する」「試算表作成」
「決算整理仕訳」「決算振替仕訳」
「損益勘定の設定」「繰越試算表作成」

 なんか、矢印ばかりで、アタマがおかしく
なりそうですが、この第1のルートが正規のルートといえます。

上記で「損益勘定」が損益計算書になり、「繰越試算表」が
貸借対照表になります。

 第4問や第2問で
「期中仕訳」「決算整理仕訳」「決算振替仕訳」の流れを問う
問題が出題されます。

 次に第2のルートです。
<第2のルート>
「試算表作成」「決算整理仕訳」
「決算整理後の試算表作成」
「貸借対照表」「損益計算書」の作成

 このルートは、3級ではそんなに出題されませんが
1級などでは頻繁にでます。

 次に第3のルートです。
<第3のルート>
「試算表作成」「決算整理」「貸借対照表」「損益計算書」
の作成という流れを「精算表」という1枚の紙で
やってしまう。というものです。

 この「精算表」の作成は、第5問で出題され、配点は
30点くらいとなっています。
よって、「試算表」の問題とともに、この「精算表」は
合格のためには、意地でもマスターする必要があります!

 精算表を作成できるようになるためには、決算整理仕訳を
おさえなければなりません。
 特に・・
 ①売上原価の計算
 ②減価償却
 ③貸倒引当金の設定
の3つは必ずや出題されます。
なにが、なんでもおさえましょう

 以上が、全体的な流れなのですが、テキストを読むときや
問題を解くときに、上記の流れのどの部分をいまやっている
のかをアタマに思い浮かべながらやるようにしましょう。
それが簿記上達のためには必要となります。