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経営と会計の実学

2006-10-23 14:03:10 | みんなの会計雑学講義
京セラ創業者稲盛和夫氏の経営と会計に関する考え方

稲盛和夫氏は、名経営者として大変有名です。

その稲盛氏が以下のように、「稲盛和夫の実学」という著書で
以下のようにおしゃられています。


原理原則に則って物事の本質を追求して、人間として何が正しいかで判断する

 物事の判断にあたっては、常にその本質にさかのぼること
そして人間としての基本的なモラル
良心にもとづいて何が正しいのかを基準として判断をすることが
もっとも重要である。

減価償却と原理原則による判断
 会計の分野における原理原則に則った判断というものについて
固定資産の減価償却に用いられる耐用年数の例で考えてみたい。

たとえば、経理の担当者に「機械を買うとなぜ減価償却が必要になるのか」と
尋ねるとする。

「機械というものは使っても形を変えずに残っている。原材料のように
使えば製品に姿を変えてなくなってしまうものとは違う。
それゆえ、何年も動く機械を買ったのに一時にすべて費用として落として
しまうのはおかしい。」
「そうかと言って、さんざん使ったあげく、捨てるときに初めて費用に
落とすというのも明らかに不合理である。
その機械がきちんと動き、製品をつくることができる耐用年数を定めて
その期間にわたって費用計上するのが正しい」という答えが
返ってくるであろう。これは納得のいく話である。

ところが経理の常識では、その耐用年数について
いわゆる「法定耐用年数」に従って償却することを考える。
財務省の省令の一覧表にあてはめて償却年数を決めるのである。

たとえば、その一覧表によるとセラミックの粉末を
成型する設備は「陶磁器、粘土品、耐火物などの製造設備」の項目に該当し
耐用年数は12年と定められている。この規定に従えば、非常に硬度の高い
セラミックの粉末を成型するため磨耗が激しい機械設備でも12年で
償却することになる。一方、磨耗がそれほど激しくない
菓子製造用の砂糖やメリケン粉を練る機械は
「パン又は菓子類製造設備」の項目に該当し耐用年数は9年と
セラミックより短くなっている。
 
これは容易に納得できことではない。

それぞれの機械が正常に機能する期間で費用に計上することが
当然であるにもかかわらず、実務には
法定耐用年数」に無理矢理あてはめるという決め方をされて
経営者として平生としていられるだろうか。
法定耐用年数というものは「公平な課税」を
重視する税法において、定められたものであり、個々の企業の状況の相違を
認めないで「一律公平に」償却させるためのものである。

 私の経験では、セラミックの粉を四六時中練れば、機械の保守をきちんとして
大切に使っても、せいぜい5、6年持たせるのが精一杯である。
そうであれば、償却も実際に機械を正常に使える年数で行なうべきであろう。

 しかし、経理・税務の専門家は、「決算処理上6年で償却したとしても
税法上は12年で償却しなければならない。
だから、もしそうすれば最初の6年は償却が増えて利益は減る。
ところが、税金計算では法定耐用年数の12年での償却となるので
利益は減ってもその分の税金は減らないことになる。

 いわゆる税金を払って償却する有税償却になる。」と言うであろう。
また、「税務上の耐用年数が法令で定められており、みんながこれに
従っているのにわざわざ無理に異なったことをやるのは賢明ではない。
実務的にも償却計算が二本立てになって煩雑になる」と主張するかもしれない。
このような専門家の意見にたじろいで多くの経営者は「そのようなものか」と
思ってしまうのではないだろうか。

 たとえ実務上の常識がそうであったとしても経営や会計の原理原則に
従えば、有税であっても償却すべきである。
6年で駄目になるものを12年で償却したら、使えなくなっても償却を
続けることになる。
すなわち実際に使っている6年間は償却が過小計上されており
その分があとの6年へと先送りされていることになる。

「発生している費用を計上せず当面の利益を増やす」というのは
経営の原則にも会計の原則にも反する。
そんなことを毎年平然と続けているような会社に、将来などあるはずがない。
「法定耐用年数」を使うという慣行に流され、償却とはいったい何であり
それは経営的な判断としてどうあるべきなのかという本質的な問題
忘れられてしまっているのである。
ジャンル:
独立開業起業
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