東埼玉病院 リハビリテーション科ブログ

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低周波治療器 IVES+

2020年06月15日 | リハ科勉強会



作業療法部門で「低周波治療器 IVES+:Integrated Volitional Control Stimulator® (以下 IVES)」について勉強会を行いました。IVESとは電極から随意筋電を検出して、検出した筋電量に比例した強度の電気刺激を標的の筋肉に与える装置のことです。写真では前腕に電極を貼り、手指や手関節の伸展を行う筋肉を標的としています。その他にも肩の運動や足の運動に関係する筋肉などにも用いられます。

主に中枢神経疾患の患者さんに対して行われる治療方法で、①麻痺に対して標的筋の随意性を促通するとともに拮抗筋の痙縮を抑制すること、②随意収縮の強弱コントロールや収縮後の脱力などの運動学習すること、③日常生活の中での使用を促して上肢機能の向上を図ることが目的となります。

当院では医師の指示のもとに実施しており、発症早期の方から慢性期ボトックス治療後の方まで必要に応じて用いられています。心疾患の合併症のある方や感覚障害や運動麻痺が重度の方など不適応となる場合もあります。治療にあたってはどのような上肢機能改善を目指すのか、どの筋肉を標的とするのかなど十分に考慮することが必要です。また、標的筋に正しく電極を貼りつけるための触診も重要です。機械の設定によって電気刺激が生じる条件や強度などが異なるため、使い方や設定方法を学んだ後に、実際に機械を操作して練習を行いました。






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