東埼玉病院 リハビリテーション科ブログ

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【災害とリハビリテーション】

2024年02月05日 | 紹介

2024 年1月1日午後4時10分頃、能登地方を震源とする令和 6 年能登半島地震が発生し、石川県をはじめとする北陸の各県に甚大な被害をもたらすとともに、北海道から九州にかけての日本海側の広範囲にわたって津波の被害をもたらしました。犠牲になられた方のご冥福をお祈りするとともに、被害を受けられた皆様、関係者の皆様に衷心よりお見舞い申し上げます。

私は元旦当日、当直医師として院内におりました。幸い埼玉県蓮田市は震度3程度で、人的にも設備的にもこれといった被害は生じませんでしたが、不安を訴える患者さんが続出していました。私自身も、「南海トラフ巨大地震が誘発されたらどうするか」、「地震後に火災が生じてしまった場合の避難誘導や初期消火を適切に行えるのか」、「家族は無事に避難できるのか」といった不安に苛まれながら翌朝を迎えました。現地で余震の恐怖に晒されつつも、被災者を支え続けている医療従事者の皆様には畏敬の念が堪えません。

被災地に派遣される医療チームとして一番知名度があるのはDMAT(Disaster Medical Assistance Team)でしょうか。知名度は低いかもしれませんが、我々リハビリテーション科もJRAT(Japan Disaster Rehabilitation Assistance Team)として派遣されることがあります。(活動の詳細はhttps://www.jrat.jp/をご覧ください)

 

私は2016年4月14-16日に発生した平成28年熊本地震の際に、JRATとして被災地(熊本県益城町)へ派遣されました。現地で活動したのは6月4-8日と発災から1ヶ月以上経過した「応急修復期」~「復旧期」のタイミングであり、避難所生活長期化による高齢者の廃用進行や障害を抱える被災者の生活困難を目の当たりにしました。避難所のボランティアスタッフと協力して1日のスケジュールの中に体操を組み込んだり、避難所の玄関・シャワー室・段ボールベッドなど転倒が生じやすい場所の環境調整(福祉用具設置など)を実施したり、障害を抱える被災者をサポートする上での注意点をボランティアスタッフへ伝えたり、廃用や災害関連死といった被災者の健康二次被害を少しでも減らすべく活動しました。

避難所生活における困難やリハビリテーションの需要が生じた際には解決の一助になるかもしれませんので、JRATのビブスを見かけたら是非お声掛けください。

 

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