江花和郎@ブログ

2005~2011年連合新潟会長を務める間書いたブログをその後も時々更新しています。

BPOの意見書

2009年04月30日 | マスコミ・報道
BPO(放送倫理・番組向上機構)の「放送倫理検証委員会」が「NHK番組改変問題」で意見書を公表しました。

少し話を整理します。
①まず、BPO・放送倫理検証委員会とは何か?
NHKと民放連が設立した第三者機関で、放送事業者自らが自分たちの仕事の「正確さ」と「放送倫理」を確保しようとしているものです。
2007年当時の民放連会長は国会で「BPOの判断というのは最高裁の判断みたいなもので、ここが判断を出したら、いろいろ言いたいことはあっても、すべて守っていく、忠実に守っていく、そういう約束の合意書にNHK及び民放各社がサインをしてBPOに提出しております」と述べています。

②NHK番組改変問題とは何か?
2001年1月放送の「ETV2001・シリーズ戦争をどう裁くか『問われる戦時性暴力』」という番組が放送直前に自民党の安倍晋三・中川昭一の圧力で内容を変えられたという事件です。
このブログでも2008年7月10日に取り上げました。
魚住昭著『国家とメディア』(ちくま文庫)に詳しいので、一度読んでみられることをお勧めします。

③放送倫理検証委員会の「意見書」
BPOのHPで見ることができます。
http://www.bpo.gr.jp/kensyo/decision/001-010/005_nhk.pdf
国会担当局長が与党政治家に事前に番組内容を説明し、放送・制作部門に指示して改変に直接関与するなど、放送倫理上問題があったとする判断(意見)が出されました。
「公共放送NHKにとってもっとも重要な自主・自律を危うくし、NHKに期待と信頼を寄せる視聴者に重大な疑念を抱かせる行為であった」
「NHKの回答は、限定的であれ、この問題がいまもなお繰り返されうることを示しており、その改善は現在の課題である」

BPOの設立趣旨からしても、NHKはこの意見書を真摯に受け止めるべきだと思います。

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