武田薬品の株主総会 創業家の一部など外国人社長に「待った」の質問状
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/business/snk20140627542.html
2014年6月27日(金)12:47
産経新聞
英製薬大手グラクソ・スミスクライン出身でフランス人のクリストフ・ウェバー最高執行責任者(COO)の社長就任に対し、創業家の一部などの株主らが反対を表明し、事前質問状を送付した武田薬品工業の株主総会が27日、大阪市浪速区の大阪府立体育会館で開かれた。同社では医師主導の臨床研究への組織的関与も明るみに出ている。
今総会を経て、長谷川閑史(やすちか)社長は会長に就任し、ウェバー氏が社長に就任する予定。だが、これに同社の創業家の一部や幹部OBの株主らが反発。近年の海外企業の大型買収が業績に結びついていないこともあり、計112人の株主が4月、事前質問状を送付した。
出席した株主によると、総会でウェバー氏はあいさつし「武田イズムを継承する。日本の文化を大事にしたい」という趣旨の発言をした。また長谷川氏は臨床研究をめぐる不祥事について謝罪したという。
幹部OBらは総会で、外国人社長の起用や、グローバル化の推進について追及する方針。ただ112人の株主の議決権数は全体の1~2%とみられ、ウェバー氏の社長就任が覆される可能性は低い。
一方、第三者機関の法律事務所が今月20日、武田薬品の降圧剤「ブロプレス」を使った医師主導の臨床研究で、同社の不適切な組織的関与があったとの調査報告を発表した。また、将来の収益源と期待されていた前立腺がん治療の新薬候補の開発中止も発表するなど、武田では“失策”が相次いでおり、株主も厳しい視線を注いでいる。
大阪市の植村元昭さん(71)は「外国人社長には違和感がある。どれだけグローバルといっても日本を大事にしないといけない」と強調。一方、和歌山市の宮田美千代さん(63)は「外国人とか日本人とか騒がないで、きちんとした経営をして」と注文をつけた。
武田薬品が株主総会 創業家ら「待った」も…外国人社長就任は可決
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/business/industry/snk20140627103.html
2014年6月27日(金)15:37
産経新聞
英製薬大手グラクソ・スミスクライン出身でフランス人のクリストフ・ウェバー最高執行責任者(COO)の社長就任に対し、創業家の一部などの株主らが反対を表明し、事前質問状を送付した武田薬品工業の株主総会が27日、大阪市浪速区のボディメーカーコロシアムで開かれた。株主4141人が出席し、ウェバー氏の社長就任の前提となる取締役選任議案など7議案を可決し、3時間4分で終了した。また、経営不振のユニチカや任天堂、昨年12月に社長が射殺された王将フードサービスも同日、総会を開いた。
武田薬品は総会でウェバー氏が取締役に選任された後、社長に就任、長谷川閑史(やすちか)社長は会長に就くが、これに同社の創業家の一部や幹部OBの株主らが反発。近年の海外企業の大型買収が業績に結びついていないこともあり、計112人の株主が4月、事前質問状を送付した。
総会に出席した株主によると、ウェバー氏はあいさつで「武田イズムを継承する。日本の文化を大事にしたい」という趣旨の発言をした。幹部OBらは外国人社長の起用やグローバル化の推進について追及。武田側は「グローバル化の中で優秀な人材を起用しないといけない」などと説明したという。ただ112人の株主の議決権数は全体の1~2%とみられ、ウェバー氏の取締役選任は議案通りに可決された。
一方、第三者機関の法律事務所が今月20日、武田薬品の降圧剤「ブロプレス」を使った医師主導の臨床研究で、同社の不適切な組織的関与があったとの調査報告を発表したことについて、長谷川氏が謝罪したという。将来の収益源と期待されていた前立腺がん治療の新薬候補の開発中止も発表するなど同社の“失策”が相次いでおり、株主も厳しい視線を注いでいる。
和歌山市の宮田美千代さん(63)は「外国人とか日本人とか騒がないで、きちんとした経営をして」と注文をつけた。
ウェバー体制、多難な船出=株主反発、信用回復に課題―武田薬
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/business/jiji-140627X077.html
2014年6月27日(金)19:45
時事通信
国内製薬最大手、武田薬品工業の社長にフランス人のクリストフ・ウェバー氏が就き、230年を誇る同社の歴史で初の外国人社長が誕生した。しかし27日の株主総会では、株主の一部が同氏の社長就任に反発。業績の低迷が続く中、臨床研究をめぐる不祥事が社会問題化するなど、ウェバー体制は内憂外患の多難な船出となった。
武田は会長になった長谷川閑史氏が社長に就任した2003年以降、総額2兆円を投じて外国企業を相次いで買収、海外事業を積極展開した。しかしそのプラス効果はまだ十分表れていない。一方で、大型新薬の特許が相次いで切れ、業績は低迷、回復に向けた道筋は見えない。
高血圧治療薬の臨床研究の不祥事では、社外調査機関が武田の不適切な「組織的関与」を認定。長谷川氏は株主総会で「根本的な社のカルチャー変革に経営陣を挙げて取り組みたい」と再発防止を誓ったが、自社に有利な結果を導き出そうとする製薬会社の体質に社会の不信感は募っている。
英製薬大手グラクソ・スミスクライン出身で、新興国でのビジネスにも明るいウェバー氏に託されたのは、武田の「グローバル化の一段の推進」。そのためにはまず、不祥事で失った信用と業績の回復に向けた道筋を示し、株主の信頼を取り戻す必要がある。