中国戦闘機、米哨戒機を追尾 挑発、空でも拡大
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/politics/snk20130114059.html
2013年1月14日(月)08:02
産経新聞
中国は公船の領海侵入を常態化させた海ばかりでなく、空でも軍を投入した対応をエスカレートさせたことが浮き彫りになった。緊急発進(スクランブル)との名目で戦闘機が沖縄県・尖閣諸島付近に接近してくる恐れもある。政府高官は東シナ海での日米両国と中国の攻防が「新たなステージに入った」と断じる。
中国軍の動向では、昨年9月の尖閣諸島の国有化以降、情報収集・哨戒を任務とする軍用機Y8による接近飛行が多発している。これに続き戦闘機の領空接近と過剰なスクランブルに出たことで、日本側の対処は一段と厳しさを増した。
次のステージとして懸念されるのが自衛隊機への「警告射撃」だ。政府は中国の領空侵犯機が無線警告に従わない場合、曳光(えいこう)弾で警告射撃を行う検討に入ったが、中国側が不当な警告射撃で機先を制しようとする可能性がある。別の高官は「日本の政治判断にプレッシャーをかけることを狙っている」と指摘する。
尖閣上空での戦闘機の領空侵犯も現実味を帯びる。
中国国家海洋局は昨年12月、所属航空機が尖閣周辺で領空侵犯した際、「釣魚島(尖閣の中国名)の領空」で「パトロール」を実施したと発表。日本の防空識別圏への戦闘機侵入についても、外務省の洪磊報道官が「通常の飛行」と主張した。この論法で尖閣上空の領空侵犯も「スクランブル」と強弁しかねない。
米軍機を執拗(しつよう)に追尾したことも、新たなステージの特徴といえる。2001年には南シナ海上空で米海軍の電子偵察機EP3が中国軍の戦闘機と接触し、米中関係が緊迫した。このため今回、米政府が中国側の過剰な対応に神経をとがらせているのは間違いない。16日にはキャンベル国務次官補とリッパート国防次官補がそろって来日し、日本側と協議する。
日中間では軍の攻勢に加え、対外発信でも揺さぶりをかけてくるのが中国の常套(じょうとう)手段となっている。自国のスクランブルを正当化する一方、自衛隊のスクランブルに批判を強めてくるのは確実とみられる。中国側の出方を想定し、危機意識を強く持つことが求められる。(半沢尚久)
中国戦闘機、米哨戒機を追尾 東シナ海上空
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/politics/snk20130114058.html
2013年1月14日(月)08:02
(産経新聞)
中国軍の戦闘機が今月10日、東シナ海上空で米海軍のP3C哨戒機と空軍のC130輸送機に緊急発進(スクランブル)し執拗(しつよう)に追尾していたことが13日、分かった。同じ時期から自衛隊機に対するスクランブルも過剰になった。中国軍用機による日本領空への接近飛行を受け政府が対抗措置の強化を検討していることに反発し、中国側は対応をエスカレートさせているとみられる。
P3CとC130はいずれも日中中間線付近を飛行していたところ、中国軍の戦闘機がスクランブル対処として接近・追尾した。米海軍は電子偵察機EP3も運用しており、中国側はEP3にも接近したとの情報もある。
政府高官は「自衛隊機だけでなく米軍機にもしつこくつきまとっている」と語る。中国軍の戦闘機は情報収集などにあたる自衛隊機の一部にもスクランブルで距離を詰めるなど過剰な対応をした。戦闘機はJ10(殲10)やJ7(殲7)とみられる。
別の高官によると「中国側のスクランブルが過激になったのは10日から」という。中国軍が沖縄県・尖閣諸島北方の東シナ海上空に2種類の戦闘機を飛行させたのが10日。このとき、日本領空の外側に設けられた防空識別圏にも入り、航空自衛隊はスクランブルで対処した。
米海軍は三沢基地(青森県)にP3Cを配備し情報収集活動を行っている。艦艇監視や潜水艦の捜索・探知が主要任務で、東シナ海にも展開している。C130は空軍が横田基地(東京都)に配備しており、輸送任務にあたっている。
海上自衛隊もP3CとEP3、画像データ収集機OP3を中間線付近で飛行させ、中国軍の情報を収集。航空自衛隊も早期警戒機E2Cと空中警戒管制機AWACSを派遣し、中国機の領空接近に備えている。