鳥・鳥・鳥

『日本の鳥618』-山と渓谷社-VHS『日本百鳴鳥』『日本の珍鳥』-シンフォレストDVDの撮影者佐藤進の妻が書く鳥雑記

ヤイロチョウ(八色鳥)

1999-09-15 | バードウォッチング
八色鳥と名のとおり日本で最も華美な鳥と言われています。
主に四国や九州で繁殖する夏鳥です。

動きの速い鳥で、見えたかなと思うとさーっと飛び去り、枝に止まってもじっとしていないのです。
声のする方にカメラを向けて、焦点があったと思うと数秒で飛び立ち、うしろの方で声がしたり、、、、、(さえづりはシロペン、クロペンと聞きなしされます)

八色とは「茶・クリーム・黒・白・緑・青・黄・赤」に見えるのですが、皆さんには何色に見分けられますか?
このプリントは2年前、富士山の山中湖の近くにある「洞の水場」で撮ったものです。

例年この時期に、富士山の5合目へ探鳥に出かけるのですが、この水場へも立ち寄ります。
この年もいつものように「洞の水場」へ行くと、後ろの方でいつもと違う、聞きなれない鳴き声がします。
私は「ひょっとするとヤイロチョウ?」と感じたのです。
その後、声はすれども姿は見えずの日が続き、数日通いました(約10日)。
ここは「大洞の水」と名付けられている所で、富士の水が上の道路下から流れて、自然にできた岩場に溜り、そこから小さな滝のように流れ落ちて、30cm幅くらいの流れをつくって土にしみ込んでいきます。

富士山は火山石ですので水溜まりがほとんどなく、鳥たちのちょうど良い水浴びの場所となっています。
この流れの横に平地があり、バードウォッチャーたちがここに陣取って、水浴びにくる鳥を撮影しています。
ヤイロチョウのために、その日も60人近くいました。
誰も口も聞かずに、静かに鳥を待っていましたら、左前方にヤイロチョウがいるらしいのです。
声と羽音がするのですが姿が見えず、皆かたずをのんでいました。
そこへ、左の方から地元の人が薮の林を無雑作に登りはじめたのです。
せっかくのヤイロチョウが遠くへ行ってしまうのでは、と皆ハラハラしていました。
そうしたら逆に、その地元の人に追われるようにして目の前に移ってきたのです。
そして、水浴びをしてくれたのです! 私はヤイロチョウがさえずっている所をビデオ撮影したく、後日四国へ行く事があったので、ヤイロチョウがいる場所まで足をのばしました。