1858(安政5)年6月17日、現在の東京・上野に『お玉ヶ池種痘所』が設立されました。
お玉ヶ池種痘所は、天然痘の予防及び治療を目的に設立された医療機関です。
日本で初めて天然痘が確認できたのは、奈良時代と言われています。100万人以上が亡くなる大流行を引き起こしました。東大寺の奈良の大仏は、この天然痘の大流行を鎮め、国家の安寧を願って743年に聖武天皇が建立を命じたものです。
独眼竜の異名を持つ伊達政宗は、幼少期にこの天然痘に罹って片目を失ったというエピソードが有名ですね。
疱瘡とも呼ばれたこの天然痘は、長らく「罹ったが最期の不治の病」とされていて、人類を最も苦しめた感染症であると同時に、現在では人類が唯一克服した感染症としても知られています。
お玉ヶ池種痘所の「種痘」とは、いわゆる天然痘の予防接種です。牛痘接種法といい、天然痘に罹った牛の皮膚などを敢えて自身の体内に取り込むことで免疫を作り対処する治療法で、1849年に長崎出島へ伝えられ、日本各地に普及していきました。
お玉ヶ池種痘所は80人以上の蘭学者たちの出資で設立され、その後も場所や名前を転々としながら、現在の東大医学部へと繋がっています。
今回の新型コロナウイルスも、早く治療薬やワクチンができるといいですね。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます