ゆめつげ 畠中 恵

2008-05-24 20:13:31 | 読書
■ゆめつげ 畠中 恵 解説:三橋 暁 角川文庫 ¥522(外税)
しゃばけシリーズではございません。 独立した作品です。

時代は幕末、舞台はお江戸。
貧乏神社の神主業を務める二人の兄弟。

兄の弓月には未来や過去をのぞき見る能力、夢告(ゆめつげ)があった。
ところが、弓月の超能力は当たるときもあれば外れるときもある、いやほとんど外れてしまうものだから、周囲はほとんど信用していない。

ところがある日のこと、社格の高い神社から夢告の依頼があったのだ。
10年前に行方不明になった大店の一人息子の捜索をしたところ、三人が名乗り出てきたので、誰がほんとうの子供なのかを夢告で見て欲しい。

自分の腕は不確かだからとしぶる弓月だったが、貧乏神社の経営は苦しい。 お礼のお金で雨漏りがする屋根を直したい、屋根だけではなく他にも修理したいところはたくさんある。
金に目がくらんだ弓月は、弟の信行と一緒に格上の神社に向かった。

そして、わけのわからない事件に巻き込まれてしまいます。
そうそう、事件に巻き込まれているうちに、弓月の夢告能力がどんどん上がって、見えないはずのものが見えてきて、いっそう怖さが身に沁みる趣向。

当時の常識である神仏酒豪、、ではなくて神仏習合と、先が見えない幕末の不安な政情が背景にあるせいで、しゃばけシリーズのようにのんびりはしていません。
でも弓月は(しゃばけの)若旦那と似たキャラクターです。 頼りないけれど、でもしっかりしているところも多少はあって。

~~~ちょきちょき~~~
幕末の政情が組み込んであるところがミソですね。
これから寺や神社はどうなっていくだろうか、お寺も神社も不安に思っている。
将来について不安に思っているのは武士も庶民も同じ。

畠中恵を待ち焦がれている、あなたにお勧め。(^_-)-☆



最新の画像もっと見る

コメントを投稿