ドカモンモン

ポルシェ356Speedsterのレプリカ(CMC製)の奮闘記です。中身はビートルですから毎日楽しく走りますよ!

昔造ったナイフ(その②)です。

2012年11月07日 | 図画工作
納屋で片付けなんかしていたら、奥の方から古いものを発見して、片付はちょっとほっておいて、古い発見物の方に行ってしまうことがよくある。
ぼくの場合は納屋に限らず、引出のなかとか、ロッカーの奥とか、押し入れの中とかの片付け掃除はどうしてもその道に入り込む。
先日もその道に迷い込んだ。

発見したナイフだ、手作りのナイフだ。

シースの裏に1987年と1988年となっているので、東京からUターンして岡山の萩原工業で仕事していた頃だ。
毎晩弁理士試験を目指して勉強していた、1回目と2回目を落ちたときだ、毎日水島まで車でかよっていた。毎日作業着を着て糸を巻いたり樹脂を溶かしたり、機会を設計したり。製品試験したり。
工場の中を走り回っていた。クタクタになっていた。
あさ6時ごろ出て帰宅はいつも10時ごろだった。酒も飲まなかった。
将来のことを考えた、3人の子供のことを考えた、一番下の長男がまだ生まれたばかりだった。
子供たちの寝顔が可愛い。何とかしないと!
何とか独立しようと思い無謀にも弁理士の試験に挑戦していた時、忙しかった、夜遅くまで台所の食卓で勉強した。
そんな時唯一の気休めがナイフ作りだった。
           

ナイフ作りは本で読み見よう見まねでやった。材料を手配した、青紙とか銀一という日立安来の材料を鋼材屋さんから少量分けてもらった。
神目のおっちゃんの工場で切り出して、あらかさベルトグラインダーで加工して形を整え、
岡山に帰って台所の通用口の靴脱ぎにクランプでとめてやすりがけをした。
日曜日の午後がつかえた、夢中になるからすぐ時間が過ぎた。
           
これらを作る時間は本当は子供たちと遊んでやるべき時間だった。
その貴重な時間で作った。
ナイフ2本、まだあと何本か作った。

焼きが出来ないので、ガスバーナーで加熱した、何回もトライしてオイル焼き入れ、ゼロサブも挑戦した。
ニコルソン細目のやすりの目が立たないほどの硬さで良しとした。
田んぼの粘土質の土で波紋も入れてみた、SUS材でははっきり出ない。うっすらと出る。

握りも鹿の角から黒檀、赤チーク、ケヤキ木目と挑戦した。
これはスタッグと黒檀、グリップ内部を二本とも刃物鋼材が貫通している。強度は充分ある。

二十数年ぶりにシースから抜くと、錆びてなかった立派に光っていた、シースはかびてた、真鍮もくすんでいたが、刃材は光っていた。
両方とも日立安来の銀一だ。さすが安来の鋼、世界の誇りだ!

















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