
私が清水谷戸隧道を絡めて撮影した一番古い写真です。この日、珍しくカメラを手にした学ラン姿の大学生が撮影していて”何を撮影しているのですか?”と聞くと155系と言われほどなくしてこの列車がやって来ました。 71,10,03 現:戸塚―保土ヶ谷 8311M 155系こまどり COOLSCANⅤ
JR東日本のHPによると今年の07月11日は東海道線横浜―国府津間が開通して130周年になるそうです。保土ヶ谷・戸塚・藤沢・平塚・大磯各駅及び国府津駅では記念のイベント開催と記念のグッツが発売されるそうです。この開通130周年を違う目で見ると戸塚―保土ヶ谷間に存在する日本の鉄道の隧道の中で現役日本最古参である清水谷戸隧道も130年を迎えることにもなります。
この隧道の特徴として第一に挙げられるのは将来は東海道線と言う輸送量が多い大幹線となる事は明白にもかかわらず単線で開通している事です。これは予測の範疇ですが当時、隧道掘削には多大な費用が必要としたためにとりあえず単線で開通させて、輸送量が多くなったらもう1本隧道を掘削する事にしたのではないかと推測しています。なお開業当時、単線として開通した隧道は現在の上り線で現在の下り線は後に開通しているので隧道断面が上下線で異なっているのが特徴でそれが特筆にもなっています。
この清水谷戸隧道の位置は東京方からも大阪方からも上り勾配の頂点にあり東海道線東京口でもこれだけの高低差のあるサミットとしては唯一の存在です。当然、列車の運転方法もこの清水谷戸隧道をどう通過(どれくらいの速度で通過)するかで速度制御が異なり興味が尽きません。速度の高い列車はこの清水谷戸隧道までほぼ目いっぱいで運転しますがラッシュ帯等は上り列車に運転時分に余裕がある場合は戸塚駅を発車してフルノッチで加速しあとはノッチをオフにして惰行で走り清水谷戸隧道で停止ギリギリで通過しあとは保土ヶ谷までの下り勾配でノッチを投入することなく加速すると言う運転方法ほ採る運転士もいて乗っていてどのような運転方法で清水谷戸隧道まで走るかが楽しみのひとつです。余談ながら清水谷戸隧道の東京方には長い直線の先に大カーブがあり速度超過が懸念されたためめ国鉄時代はATSの警報音が無条件に鳴動し乗務員に速度超過の注意喚起がなされていました。現在はATS-Pとなり速度超過は常に監視されておりこのカーブだけ特別な警報が鳴る様な事は無くなっています。
この清水谷戸隧道は地理的には多摩丘陵と三浦丘陵の境に位置しこのトンネルの保土ヶ谷よりの川は東京湾に流れ込み、戸塚よりの川は相模湾に流れ込む分水嶺となっています(ウィキペディアよる)。またここは武蔵野国と相模の国との国境でもあります。従って保土ヶ谷駅は武蔵野国、戸塚は相模の国に位置しています。国境と言う事訳でもないでしょうが真冬にこの隧道を境に景色が異なる事が多く雪の降った日などはトンネルの前後で積雪の量が一変する事も珍しくありません。