想い・思い・おもい ver.2

***つなぎ、つながり、つなげあう***
since 2009.7.16(2009.3.28~ver.1)

第951回 確認をしてみると・・・

2011-09-06 00:21:14 | 実践
先週の土曜日の一人出勤のとき、一件の相談の電話。

その方、Aさんとしておきましょう。
Aさんが、数年前、脳梗塞を患ったのをきっかけに、同居していた、やはり脳梗塞の夫は特養に入所した。
現在。私は一人で何とか生活しているが、出来れば夫と暮らしたい。夫もそれを望んでいる。
特養のケアマネや地域包括支援センターに相談しているが、埒があかない。
退所しても、支援は必要。
あなたのところで、サービスは受けられるか?
という内容。

Aさんは、必死に、夫を在宅に戻したいとおっしゃられる。
ADLは車いすレベル。
お住まいを聞くと、古い市営団地の一室。エレベータはある団地だが、障害者向けの住宅ではない。
Aさんは、介護する自信はあるとおっしゃるが、
年齢や既往疾患から、これからのことを考えると、ご自身がおっしゃられるほど、
介護がスムーズに行えるとは、ちょっと思えない。
担当のケアマネにも、地域包括支援センターにも相談していて、実現に至っていないというのは、
支援者側にも、それなりの判断があってのことだろう、と推測。

とりあえず、担当のケアマネや地域包括に状況を聞かせてもらってもよいですか?
と伺い、了解をもらい受話器を置いた。

そして、今日。
まず、地域包括に電話をいれた。
やはり、Aさんは、夫を家で介護したいと、
春頃より、あちこちの居宅介護支援事業所に電話を掛けていたよう。
しかし、自宅の状況やAさんの介護力からみて、在宅生活は困難と判断している。
行政も交え、何度かカンファレンスも行っており、
その時、その時で、在宅生活に戻すことが困難な状況を伝え、
Aさんには納得していただいているはずだったのだが・・・とのこと。
地域包括としては、このような電話があったことを、改めて行政に報告するので、
Aさんの夫のことについては、直接、特養にケアマネに電話をかけて聞いてほしい、と言われた。

で、特養のケアマネに電話をして、
Aさんからの電話、地域包括とのやりとりなどの経緯を説明し、状況を確認した。
状況を伺うと、確かに、車いすでの生活を維持できるだけの、
様々な家庭環境ではない様子。

支援者には、支援者側の判断があったのだろう。

Aさんのデマンドは「家に帰ってきてほしい」ということだが、
その背景を探っていくと、それは、必ずしもAさんの夫の「健康で文化的な生活を営む権利」を
阻害する可能性がある、というものであったし、
Aさんが、本当に困っているのは、実は経済的な問題があってのことらしい。
従って、そのニーズに手当てしない限り、
Aさんは、あちこちの居宅介護支援事業所に電話し、
そのたびに、支援者サイドから「夫を在宅に戻すのは無理」と説得される、
ということを繰り返すのだろう。

現在、関わっている支援者達も、Aさんのことを「困った人」とだけ見ているようなメンバーではない。
このままではいけない、と思いつつ、
次の手立てを見つけることができず、悩んでいるのだと思う。
特養のケアマネは、Aさん夫婦の子も交え、カンファレンスを開く予定にはしているが、
それがいつになるかは、子どもさんと連絡も付きにくく未定だ、とのこと。

地域包括に電話をかけて、現在の方針は?と伺ったところ?
「一旦は、納得されたようなので、それで様子を見ていました。
 何かあったら、何かあったときに考えよう、ということで・・・」ということだった。
それで、私は、
「では、今が何かあったとき、と考えられる訳ですね。
 Aさんから電話をもらった私は、どうすればいいでしょう?」
と聞いたが、「こうしてください」という指示はなかった。

Aさんが、「また夫を家に戻したい」といってくることは、想像しなかったのかな?
もし、そういう想像が出来ていれば、
「居宅介護支援事業所さんへは、Aさんには(例えば)行政に相談を返すように伝えてください」
とか、何かしらの対応策を考えておくことができるだろう。

結局、私は、地域包括と特養のケアマネに電話連絡をし、その話の結果から、
「Aさんには、
 既に、きちんと相談すべき所に相談をされているようなので、
 その方々と、続けてお話しを続けられるように、
 と、ご説明をしますね」
ということを、それまでの支援者に伝え、Aさんに連絡することとした。

それでも、Aさんは、特養のケアマネも、地域包括にも、不信を持っている。
ただ、その繰り返しでいいのかな・・・とも思う。
もちろん、今の私に何かしらの手立てがあるわけではない。
Aさんを、相談援助難民にしちゃったら、ダメだよな・・・。
そこは、行政でも、地域包括でも、特養のケアマネでも、誰でも良いので、というか
一番、信頼関係を築けそうな人が、支援者側のキーパーソンとして、
Aさんとしっかりと関わりを持つようにしないといけないんじゃないかな?

特養に入所なので、外泊を行ってみて・・・ということはできない。
もし「在宅・入所相互利用」というシステムを使うことができれば、
何か、違った展開を迎えることができるのかな?

他に、何か手立てはあるのかな・・・。
こういった相談電話は私は初めてだったけど、
地域でケースを集めてみると、必ずしも、ない話ではないんじゃないかな。
第948回 実は知らないことばかり~施設でのこと でも書いたけど、
こういったこともあるから、在宅と施設のケアマネが顔の見える関係になっておく必要があるな、と
やっぱり、思ってしまった。

あ~難し・・・。 


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