Maa-chanさんの 「manapu様への返信」(2010.8.7) の記事のコメントで、
「そうなんです。介護福祉士に限らず,介護には倫理があります(日本介護福祉士会のホームページに出ています)し、
その「上位」(というと失礼なのですが)概念としてソーシャルワークの「倫理と価値」があると思っています。」
と述べられています。
しかし、私は、ちょっと違った見方をしています。
それが、図のようなものです。
人に関わる仕事というのは、いろいろとあるでしょう。
社会福祉士、介護福祉士、看護師、教師、臨床心理士、リハ関係職種、法律関係者、etc
「人間に対するサービス」、「人が他の人のために役立とうとする仕事」を行う上での
「人」のとらえ方は、
★一人ひとりがかけがえのない存在であること
★「人」は人格を有する存在→「全人格的」にとらえる
★「人」は絶えず、成長発達し、その過程において変化する存在
★人として尊厳され理解される
★人はみな、潜在的な力(ストレングス)を有する存在
★その人らしさ、その人らしく生きる力、価値観、規範を尊重される
★一人ひとりの違いを大切にする
★「人」を身体的・心理的・社会的・文化的・スピリチュアルな存在をもつ全体をとらえる
というものです。
そしてその上で、
「人間に対するサービス」、「人が他の人のために役立とうとする仕事」を行う上での価値は、
★人間の権利とニーズの尊重を基盤とする公正な社会の建設の具現化
★自分と家族の満足な生活を推進する諸サービスを受ける権利を実現する
★サービスを消費する市民は参加する権利があり、対等な立場にる人間中心のサービスである
(→システムを利用する人の側でなく、システムの側に変化を求める)
というものです。
(神奈川県立保健福祉大学大学院「ヒューマンサービス論」山崎美貴子教授 07.4.14 講義ノートより)
今回、「人間に対するサービス」、「人が他の人のために役立とうとする仕事」を行う上での土台を、
スライドでは「対人援助」とし、講義の内容の紹介では「ヒューマンサービス」としています。
詳しく調べたわけではりませんが、
「対人援助」という言葉は、介護保険制度が始まり、
介護支援専門員という「相談援助業務」が報酬の対象として認められたのを期に、
奥川幸子先生が「対人援助職トレーナー」と称されたころより、
耳慣れた言葉になってきたように思います。
しかし、上記で示した「対人援助」という概念と
奥川先生が用いっれている「対人援助」という概念は、同じでないように思います。
また、「ヒューマンサービス」という言葉については、
1970年代より、アメリカで生まれた概念のようで、
最近、日本でも聞かれるようになっているようですが、
他の外来語と同様に、日本語に訳せるだけの意をもった言葉はないようです。
「対人援助」にしろ、「ヒューマンサービス」にしろ、
これから、きちんととらえられていくべき領域なのだと思います。
人と関わる仕事である以上、どのような専門職であっても、
コミュニケーションに関する能力や、
利用者や家族が担っている課題の構造への理解、
他の専門職や機関に対する理解等を深めると共に、
ネットワークやチームアプローチ、アセスメント等の技法などを磨いていくことが求めれるでしょう。
そして、それらを土台として、
社会福祉士は社会福祉士として、
介護福祉士は介護福祉士としての
そして、それ以外の専門職もそれぞれにおける
「倫理」や「価値」や「技術」が求められていくのではないでしょうか。
「そうなんです。介護福祉士に限らず,介護には倫理があります(日本介護福祉士会のホームページに出ています)し、
その「上位」(というと失礼なのですが)概念としてソーシャルワークの「倫理と価値」があると思っています。」
と述べられています。
しかし、私は、ちょっと違った見方をしています。
それが、図のようなものです。
人に関わる仕事というのは、いろいろとあるでしょう。
社会福祉士、介護福祉士、看護師、教師、臨床心理士、リハ関係職種、法律関係者、etc
「人間に対するサービス」、「人が他の人のために役立とうとする仕事」を行う上での
「人」のとらえ方は、
★一人ひとりがかけがえのない存在であること
★「人」は人格を有する存在→「全人格的」にとらえる
★「人」は絶えず、成長発達し、その過程において変化する存在
★人として尊厳され理解される
★人はみな、潜在的な力(ストレングス)を有する存在
★その人らしさ、その人らしく生きる力、価値観、規範を尊重される
★一人ひとりの違いを大切にする
★「人」を身体的・心理的・社会的・文化的・スピリチュアルな存在をもつ全体をとらえる
というものです。
そしてその上で、
「人間に対するサービス」、「人が他の人のために役立とうとする仕事」を行う上での価値は、
★人間の権利とニーズの尊重を基盤とする公正な社会の建設の具現化
★自分と家族の満足な生活を推進する諸サービスを受ける権利を実現する
★サービスを消費する市民は参加する権利があり、対等な立場にる人間中心のサービスである
(→システムを利用する人の側でなく、システムの側に変化を求める)
というものです。
(神奈川県立保健福祉大学大学院「ヒューマンサービス論」山崎美貴子教授 07.4.14 講義ノートより)
今回、「人間に対するサービス」、「人が他の人のために役立とうとする仕事」を行う上での土台を、
スライドでは「対人援助」とし、講義の内容の紹介では「ヒューマンサービス」としています。
詳しく調べたわけではりませんが、
「対人援助」という言葉は、介護保険制度が始まり、
介護支援専門員という「相談援助業務」が報酬の対象として認められたのを期に、
奥川幸子先生が「対人援助職トレーナー」と称されたころより、
耳慣れた言葉になってきたように思います。
しかし、上記で示した「対人援助」という概念と
奥川先生が用いっれている「対人援助」という概念は、同じでないように思います。
また、「ヒューマンサービス」という言葉については、
1970年代より、アメリカで生まれた概念のようで、
最近、日本でも聞かれるようになっているようですが、
他の外来語と同様に、日本語に訳せるだけの意をもった言葉はないようです。
「対人援助」にしろ、「ヒューマンサービス」にしろ、
これから、きちんととらえられていくべき領域なのだと思います。
人と関わる仕事である以上、どのような専門職であっても、
コミュニケーションに関する能力や、
利用者や家族が担っている課題の構造への理解、
他の専門職や機関に対する理解等を深めると共に、
ネットワークやチームアプローチ、アセスメント等の技法などを磨いていくことが求めれるでしょう。
そして、それらを土台として、
社会福祉士は社会福祉士として、
介護福祉士は介護福祉士としての
そして、それ以外の専門職もそれぞれにおける
「倫理」や「価値」や「技術」が求められていくのではないでしょうか。
無意識の内にそれぞれがもっている能力をより意識的に捉えるための概念であり,そこからの専門性の発揮がより良い援助ができる可能性があると思います
新しい概念の構築を模索される
興味ある論考を読ませていただきました。
というか
これまでにぼんやりつながっていたことを
まとめてみるきっかけになりました。
*拙ブログ第3835号に図と文章をリンクさせていただきました。
どのように意識的に捉えるのか。
なるほど~と考えながら読んでいました。
「土台」となる部分は、人に関わる仕事における共通した視点や価値観という考え方はその通りだと思いました。
様々な職種すべてに共通する倫理や価値、技術をも含めて「対人援助」ですよね。内容の整理はもちろんですが、いわゆる「人」としての倫理や価値と専門職に共通する倫理や価値との違い、というか段階の違いをどのように考えていくのか、ということを私自身考えてしまいました。
例えば、コミュニケーションをとっても、コミュニケーション能力は「対人援助」職でなくても、社会で生きている中では誰にでも必要な技術・能力です。相手を理解し、自分を表現することは日常の中で行われています。それを「対人援助」に昇華させる段階というのはどこか、と考えてしまうのです。単なる私の不勉強なんですけど…。
そして、それぞれの職種に固有の倫理や価値、技術があるという部分ですが、
どりーむさんの図を使ってそれぞれ倫理、価値、技術の視点から整理すると面白そうです。
3段目の部分が活躍する場での整理となっていますが、そこを3つの観点から構成要素を探ります。
職種間で共通する部分、近接する部分、固有の部分が整理され、明確になるような気がします。その関係性の背景を分析すると職種間の連携を向上させていく上でのヒントが見えてきそうな…。
そうするとまた違った図に展開されていきそうな…と勝手に想像してしまいました。
>職種間で共通する部分、近接する部分、固有の部分が整理され、明確になるような気がします。
このあたりは、
笑福会でMaa-chanさんが、
社会福祉士・介護福祉士・介護支援専門員について、
法律からみて整理してくださったものとを
合わせていくことで、
整理する道も見えてくるかもしれませんね。
このあたりも、
みなさんの意見を伺いながら、
昇華させていきたいです。
この土台部分については、
基礎教育でも、
臨床についてからも、
繰り返し必要な部分だと思います。
そして、ケアマネの位置はどこだ?
と、探し中です。
そして、いつものように、
先生のblogで、
さらにこれからの方向性を
見いだしていただけたようで、
感謝いたします。
先日、施設職員であるまえに介護福祉士、社会福祉士というライセンスをもった「私」であることについて、そのライセンスたる行動は、自己責任にあって、そこにはまず、倫理や価値をどう自分で噛み砕き、消化し自分の血と肉としていくか、まずは「自分の成長やライセンス保持者としの自覚」が必要でないかという話をしました。
そういう意味で、この概念の今後は興味あります。
私の認識は,理想はどりーむさんが図で示されたような形での,専門職横断的な「対人援助の原則」があることですが,まだまだそのようにはなっていないようです。
そういう思いがありましたので,介護の倫理の「上位概念」という表現になってしまいました。(上位という言葉が誤解を与えているとも思います。改めて不適切な表現でした)
まずはそれぞれの専門職ごとの「倫理」とか「価値」を,少し追いかけてみようと思います。
いろいろなことを継続させていくために、
どのようなシステムを作り上げていくか
ということが大事なのと同じだけ、
そのシステムを動かしていくのは人である以上、
支援者の「人」としての感性や知識や技術を
より完成させていくことが必要ではないかと
思います
(完成することは、決してないでしょうが・・・)
システムと人は、車の両輪ですね。
今日の記事のことは、
私が介護支援専門員になって、
業務が落ち着いてきた頃から、
ず~っと思っていたことなので、
その思いを表明するきっかけをいただき、
ありがたく思います。
介護福祉士が
「介護士」ではなく、
なぜ、介護「福祉」士なのか。
介護福祉士さん自身が、
考えていかれる必要がありますね。