想い・思い・おもい ver.2

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第284回 声を掛け合いましょう。チームで行動するのですから・・・

2009-12-18 00:20:01 | 実践
その方の週間スケジュールは、
(月)AM 訪問看護 PM 訪問入浴介護
(火)AM 訪問リハ 
(火)~(木) PM 訪問介護
となっています。

訪問看護と訪問介護で行ってもらうサービス内容は
それぞれ行為としては同じ「保清」です。
しかし、その行為の意味付けは、
看護へは「全身状態の観察」といった医療ケア的な側面を、
介護へは、私たちが普通に毎日お風呂に入ることの代わりの、
生活の一部としての清潔を保つ、といった意味付けで行ってもらっています。

ところが、その利用者さんに、床ずれが生じてしまいました。
発症部位は、仙骨部と両踵。
床ずれの処置は、「医療行為」とされ、
原則として、ヘルパーさんには処置をしていただくことができません。
そこで、訪問看護師さんに、毎日、処置のために訪問していただくよう、医師から指示がでました。

訪問看護師さんは、なんとか、その処置の為に訪問の時間を作り、訪問してくださいました。
ただ、その時間が、訪問介護が入る時間とほぼ同時刻だったのです。

当然、床ずれの処置をするためには、その方の身体に触れなければなりません。
その看護師さんは、ヘルパーさんに
「私は私のことをするので、ご自分たちのことをしていてください」と
おっしゃったそうです。

う~ん。「ご自分たちのことを・・・」っていったて、
「私たちに依頼されていることも、利用者さんの身体を触らせてもらわなくては
できないことなのに・・・」とヘルパーさんは思われました。

そりゃ、そうでしょう。

訪問看護師さんが、なんとかスケジュールをやりくりして、訪問してくださったのはわかります。
しかし、そのやりくりしてくださった時間に、訪問介護が予定されていることや
その時に行ってもらう内容はあらかじめ、伝えてあります。

それが、それが介護支援専門員が作成する居宅サービス計画(ケアプラン)です。

もし、どうしても、訪問介護が予定されている時間にしか訪問できないなら、
一言「同じ時間帯にサービスに入らざるをえない。ケアがダブってしまう」と
ご連絡を頂ければ、
訪問介護事業所に連絡し、時間をずらしてもらっり、キャンセルしたりするという調整だってできるのです。

「忙しいのにそんなこと、いちいち連絡してられない」とわれるかもしれませんが、
その一手間をかけるか、かけないかで、
所属の異なる事業所同士が、チームとなり利用者さんのケアに当たることができるかどうかが、別れます。

私は、チームケアを野球にたとえて説明することがあります。
例えば、センターとレフトの中間地点にボールが飛んできた場合、
お互いに声をかけあいながら、どっちがボールをキャッチをするかを決めるでしょう。
もし、声を掛け合わなければ、ぶつかってしまうか、お見合いをしてしまうかで、
結局ボールをキャッチすることはできなくなってしまいます。

介護にかかわるチームも同じだとおもいます。
相手の領域~ケアの内容や時間など~に入り込むなら、
その合図を相手にしなければ、その相手は戸惑うばかりです。

チームメンバーがお互いに信じ合うことができなければ、
それは、利用者さんや家族に不安や不信感を与えることになりかねません。
それが野球では「ボールを落としてしまった」という状況です。

今回のように、在宅療養を行われている方が、
何らかの病状の変化におうじ、臨機応変に対応をせざるをえないことは
ちょくちょくあります。
そのような場合は、どうしても「医療」優先に、物事を進めなくてはならなりません。
しかし、だからといって、相手の守備範囲に無言で入っていっていい訳ではありません。
ちょっと、一言「お邪魔します」と声をかけることで、
お互いにチームを組んでいるという実感をもつことができ、信頼関係が高まると思うのです。
信頼関係を気づいていかなくてはならないのは、利用者さんや家族ばかりではないのです。

今回は、訪問看護の方が訪問介護の守備範囲にはいってきたことを書きましたが、
訪問介護でも、結構、ケアプランに書かれた時間等を無視して、
サービスを提供されてしまうこともあります。
聞くと「ヘルパーさんの時間の都合がつかなかったので・・・」とのこと。

それも、一言いっておいてくれたなら、それなりに調整するのに・・・と思うことがあります。

その利用者さんのチームになったなら、お互いにもっと声を掛け合いましょうよ。
それが、チームとして行動するための、第一歩でしょう。



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4 コメント

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看護と介護 (bonn1979)
2009-12-18 09:17:40
外野のたとえがわかりやすいですね。

留学生の保証人をどの課が責任を持つか?

国際センターか学生課か?
教員か事務か?

えんえんと議論をしていた。
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助け合ってこそ・・・ (どりーむ)
2009-12-19 01:45:00
bonn1979先生、コメントをありがとうございます。

チームの基本は、
誰かがするではなく、「みんなでする」ですね。

基本と臨機応変をどうつなぎ合わせるか。

それも、ケアマネジャーに求められるスキルだと思います。

返信する
「みんなでする」が大切ですね (Maa-chan)
2009-12-19 02:06:22
 「みんなでする」,いい言葉ですね。とても大切なことだと思います。

 介護保険もそうですし,私も学校(教育)という枠組みにいるので,どうしてもその「役割」に動きが規定されてしまうことが多々あると思います。しかし,役割を少々逸脱しても「みんなで動く」ことによって,結果的にはその方の利益につながることが,少なからずあると思います。

 「声を掛け合う」ことや,「チームの仲間の現状を知りできるフォローをする」等が的確に行える関係づくりが,日頃の実践で大切なことだと感じています。
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パッチワーク (どりーむ)
2009-12-20 00:51:17
Maa-chan様、コメントをありがとうございます。

変なたとえですが、
パッチワークがすてきなのも、
小さな布が少しずつ重なり合って、
一つの大きなアートができあがります。

そんなふうに、少しずつサービスが重なりあって、
利用者さんの支援にあたれるチームつくりをしたいと思います。



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