・「そばかすの少年」/ジーン・ポーター
ある日、リンバロストの森の伐採場にやってきたのは、片腕のない、みずぼらしい少年だった。彼は食事と仕事を求めていた。飯場のコックは彼の貧相な姿を見るなり、ここでやっていくのは無理だと追い返そうとした。しかしその時、少年は現場の支配人のマクリーン氏に呼び止められる。そこで語る、少年のなめらかな声と話しぶりに感心され、マクリーンは彼を雇うことを決めたのだった。
それから少年は森で働くことになった。彼の仕事はリンバロストの森の見張り、値打ちのある材木を盗まれないようにフェンスを張り、森を見回る仕事である。名前のない、孤児院から来た少年はただの「そばかす」から、マクリーン氏の名前を貰い受け、彼の息子同然の扱いとなった。他人から愛され、愛を受け取ることが、どんなに幸福なことか!そばかすはマクリーンの期待にこたえるよう、精一杯仕事をがんばるのだった。
同時にそばかすを感動させたのは、リンバロストの森に棲む多様な鳥たちだった。そばかすはこれらの鳥の名前や生態に興味を持つようになり、本を買って読むことを覚えた。見張りの合間合間に餌をやったり、歌を歌ったり、花や昆虫を集めたり…。リンバロストの森はまさに、そばかすにとっての我が家、故郷となるのだった。
何も持たないボロボロの少年が仕事を得て、より人間らしく成長していく…という、とても純朴な話ではあると思う。でもまあ「仕事」という側面で考えた時、やっぱりそこまでしないと人の信頼関係は築けないものなのかなあ…と。ある意味バカみたいに、飼い犬みたいにマクリーンさんにすがりついていくのが、果たして正しい道なのか?という。
実はそれをそばかすに問う場面が最初のほうにあって、その時そばかすは「マクリーンさんは僕にとって親以上の存在だ、だから僕は裏切るわけにはいかないんだ!」と、まるで教科書のような理想的な返答をしている。まあべつにこれが間違いってわけじゃないけどね。
とまあネガ思考はここまでとして、ある日リンバロストの森にとても魅力的な少女が現れる。それはまさに少年のもとに現れた天使、エンジェル。彼女はそばかすの片腕を気にすることなく、とても親しく接してくれる。その振る舞いはまさに小さなレディといった感じで、こんな素敵なレディが隣にいたら、誰だって自然と紳士の振る舞いをしたくなってしまうもの。
やっぱりそんな感じで、世の女性たちが男性の不甲斐なさを嘆くのも、それは女性自身が魅力的な、気品あふれる淑女ではないのも原因なんじゃないのかな…と思った。
そして物語は、そばかすのエンジェルの友情から恋愛へと発展していく。なんかこれも今更ながらに気づいたことかな、恋愛って、親しい友達関係から発展していくんだっていう。こういうプロセスってけっこう大事。
そばかす自身はエンジェルのことを愛しているものの、なかなかそれを認めようとはしない。それは自分自身に対する嫌悪、こんな片腕のない姿になってしまったこと、それから自分を捨てた両親への嫌悪など。けれどもエンジェルは主張する、あなたに備わっている紳士の振る舞いや素晴らしい歌声は、あなたの両親から授かったものではなくて?それはあなたの両親を憎む理由にはならないはず。だから私のことも嫌いにならないで、と。
最後はそばかすが貴族の息子だったという事実を、彼がどんないきさつで片腕と名前を失ったのかをエンジェルが足早に語ってエンドで。これによってそばかすは多大な遺産を受け取ることになるんだけど、彼は本国には戻らず、リンバロストの森が自分にとっての故郷なんだ…と答えるのもまた、お約束的展開ですね。
ある日、リンバロストの森の伐採場にやってきたのは、片腕のない、みずぼらしい少年だった。彼は食事と仕事を求めていた。飯場のコックは彼の貧相な姿を見るなり、ここでやっていくのは無理だと追い返そうとした。しかしその時、少年は現場の支配人のマクリーン氏に呼び止められる。そこで語る、少年のなめらかな声と話しぶりに感心され、マクリーンは彼を雇うことを決めたのだった。
それから少年は森で働くことになった。彼の仕事はリンバロストの森の見張り、値打ちのある材木を盗まれないようにフェンスを張り、森を見回る仕事である。名前のない、孤児院から来た少年はただの「そばかす」から、マクリーン氏の名前を貰い受け、彼の息子同然の扱いとなった。他人から愛され、愛を受け取ることが、どんなに幸福なことか!そばかすはマクリーンの期待にこたえるよう、精一杯仕事をがんばるのだった。
同時にそばかすを感動させたのは、リンバロストの森に棲む多様な鳥たちだった。そばかすはこれらの鳥の名前や生態に興味を持つようになり、本を買って読むことを覚えた。見張りの合間合間に餌をやったり、歌を歌ったり、花や昆虫を集めたり…。リンバロストの森はまさに、そばかすにとっての我が家、故郷となるのだった。
何も持たないボロボロの少年が仕事を得て、より人間らしく成長していく…という、とても純朴な話ではあると思う。でもまあ「仕事」という側面で考えた時、やっぱりそこまでしないと人の信頼関係は築けないものなのかなあ…と。ある意味バカみたいに、飼い犬みたいにマクリーンさんにすがりついていくのが、果たして正しい道なのか?という。
実はそれをそばかすに問う場面が最初のほうにあって、その時そばかすは「マクリーンさんは僕にとって親以上の存在だ、だから僕は裏切るわけにはいかないんだ!」と、まるで教科書のような理想的な返答をしている。まあべつにこれが間違いってわけじゃないけどね。
とまあネガ思考はここまでとして、ある日リンバロストの森にとても魅力的な少女が現れる。それはまさに少年のもとに現れた天使、エンジェル。彼女はそばかすの片腕を気にすることなく、とても親しく接してくれる。その振る舞いはまさに小さなレディといった感じで、こんな素敵なレディが隣にいたら、誰だって自然と紳士の振る舞いをしたくなってしまうもの。
やっぱりそんな感じで、世の女性たちが男性の不甲斐なさを嘆くのも、それは女性自身が魅力的な、気品あふれる淑女ではないのも原因なんじゃないのかな…と思った。
そして物語は、そばかすのエンジェルの友情から恋愛へと発展していく。なんかこれも今更ながらに気づいたことかな、恋愛って、親しい友達関係から発展していくんだっていう。こういうプロセスってけっこう大事。
そばかす自身はエンジェルのことを愛しているものの、なかなかそれを認めようとはしない。それは自分自身に対する嫌悪、こんな片腕のない姿になってしまったこと、それから自分を捨てた両親への嫌悪など。けれどもエンジェルは主張する、あなたに備わっている紳士の振る舞いや素晴らしい歌声は、あなたの両親から授かったものではなくて?それはあなたの両親を憎む理由にはならないはず。だから私のことも嫌いにならないで、と。
最後はそばかすが貴族の息子だったという事実を、彼がどんないきさつで片腕と名前を失ったのかをエンジェルが足早に語ってエンドで。これによってそばかすは多大な遺産を受け取ることになるんだけど、彼は本国には戻らず、リンバロストの森が自分にとっての故郷なんだ…と答えるのもまた、お約束的展開ですね。