


あらすじ(「BOOK」データベースより)
祖母と一緒に行くはずだったお伊勢参り。急なトラブルでひとりでお参りすることになった元喜は、ある男の子と出会う(「もしも神様に会えたなら」)。幼い頃に引っ越し、生まれ故郷の記憶はまるでない。両親の思い出話を頼りに故郷をめぐる旅に出るが(「失われた甘い時を求めて」)。心ときめく景色や極上グルメとの出会い。旅ならではの幸せがたっぷり詰まった7編を収録。読めば旅に出たくなる文庫オリジナルアンソロジー!




おいしい旅 初めて編の読書感想文はこちら。
おいしい旅 思い出編の読書感想文はこちら。
おいしい、旅、しあわせってキーワード、見ただけで心が温まる。コロナが収束したころに書かれたようで、あぁ、コロナってあったよな、なんてことも思い出したわ。
1話ずつのちょこっと感想。
「もしも神様に会えたなら」大崎梢
少年の未来に向かう瑞々しさ、頼もしさに心ウキウキしたわ。もちろん食欲旺盛で、読んでて楽しかった。
「失われた甘い時を求めて」新津きよみ
幼なじみがお互いをちょこっと思い出し、このふたりは出会うのかどうか微妙なところで終わる余韻がすてき。
「夕日と奥さんのお話」柴田よしき
離婚するかもしれない夫婦の妻がこれから先のことを考えるきっかけとなる旅。夫婦はお互い知っているようで知らないところもたくさんある他人。私もちゃんと夫のこと、自分のこと考えなくちゃ、という気にさせられた。
「夢よりも甘く」篠田真由美
いい旅ではなかったようだけど、祖母の想いに気付いたり、母の想いを直接聞くきっかけにったり、気づきの旅になったのかな。
「旅の理由」松村比呂美
ユニークな展開がおもしろかった。舞台は青森県三沢、行ってみたいな。
「美味しいということは」三上延
神奈川県出身の作者が冒頭で書いたのは崎陽軒のシウマイ。それだけでニヤリとしてしまう。祖母との思い出をたどる主人公にジンとくる。年を重ねた主人公が息子と飲む姿にもジンとくる。
「オーロラが見られなくても」近藤史恵
まるで立場がちがう女性ふたりがアイスランドで出会い、自分ががんばってきたことと向き合う。これからも前を向いて進んでほしい。