(最後のやさしさがこの世界のどこかに潜んでいる)
それ、なに味?
愛のかくし味。
いいなあ。
あげるよ。
派手な音たてて飲んでかまわない
ボクトツに生きる信念が
うり坊になって
(生きるのにもう必死なんだといった顔で)
スープをズルズルすすっている
フワフワうぶ毛さん、
ぜんぶ飲んでいいよ。
ユキちゃんのこのひと言で
朝日がワラワラ
(いまやっと目が覚めたといったぐあいに)
ちゃんと昇り
(これ以上ないくらいのやさしさで)
ラグビーボールのような
うり坊のフワフワ背中を輝かせている
(つづく)