馬屋記ーヤギとクリの詩育日誌

青いイルカの夢㉞アンドロイドが泣いている

イエメンでは、いったい、誰と誰が戦って、あそこまで悲惨な現実となっているのか?ひとことで言うと2011年「アラブの春」の影響。ところが2015年、イスラム教シーア派VSスンニ派の内戦に。どうしてこうなるの?民主化闘争と宗教対立は次元が違うはずなのに。大衆が異議申し立てをして独裁政権を倒すというきわめて民主主義的な「物語」をイスラム教が利用したのだろうか。政権側のスンニ派をサウジアラビアが支援して、群衆側のシーア派をイランが支援している。乱暴に単純化すると、シリアのサダト政権をロシアが支援して、反抗線的組織を西側(キリスト教勢力)が支援するという構図と、真逆になっている。私たちは日本に住んでいるので、イエメンにイラン寄り政権ができるのは、アメリカにならって、マズイと思っている。だから、イエメン紛争は、戦争ではなくイスラム教徒間のいざこざとして報道されがちである。しかし、ここには、現代の不条理な権力による惨殺が露骨に顕現している。おそらく、今のウクライナが7年続いていると言っても過言ではないだろう。シリアもそうだが、生きるために自分の臓器を売るしかない。そういう現実がある、という意識が「イルカの夢」に影を落としている。

機械のなかを
泳いで
「モカ港」についた
紅海の
やわらかくない思考が
風をざわつかせる
アラビア語で
無線がつたえてくる
人口の8割が支援をもとめている
ここは、戦場です。
臓器を売るのは
避難をよぎなくされた
子どもたち
コーヒー畑に霧がでてきた
すみやかに、退避してくだざい。
悲しげな民族を
機械化して
なんなの、この赤い目。
ウサギが
アンドロイドの声で
砂漠を懺悔する


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