青い雨
降りそうで降らない
あいさつが続いて
(ワシは空に裏切られるようなことはしとらんぞ)
その余白が
そっけないことばに
足りないものをおぎなっていく
(その風の句には行間はないがどくとくな間があってだれでもスーと玄関みたいに入っていける)
染めもの屋さんがきた
自然の彩りから
余った色をはぶいて
藍がほしい、らしい。
(ワシはあざやかな無色になるために)
日なたで乾く
そんなふうにさりげなく
生活はある
たしかな答えがありうるのか?
(言外にある疑問のはしっこが強い風ではでにめくられ)
自転車で、ちょっくら。
ほのかの湯まで
よそものであるタワシで容れものであるワシを洗いに
(ワシが裏がえる空を裏切るそのむくいしぶとく忘れないぞと言っているうちになにもかも忘れている)
ちゃんと読んでくれたかな
きのう書いたメモが
歩いてくる
いま、帰ったで。
(記憶のなかに遠のいていく川の)
水で洗われた空の
青
はおる風になって