馬屋記ーヤギとクリの詩育日誌

つらなりのほつれ fray of sequence(37)パサージュの魂

サイテーの愛でも
魂を目覚めさせられる。
ベテランの頸骨がぽつぽつと歩きだした。

商店街のアーケードはクジラの骨だよ、とレジ打ち係の同僚がぼやいた。パサージュから外に出るときその下をくぐるのだが、頸の骨はいくつあるか、それをとにかくハエトリ紙(そういうあだ名のベテラン女)に訊いてみたい。いくつになってもわからないことだらけ。なぜ在るものは消えて、無いものが現れるの?そしたら「サイテーの愛でも、裏路地の魂を目覚めさせられる……って、七つめの頸骨がぽつぽつと歩きだしたのよね……」ベテランの口からシャクトリムシのように外に這い出てきた「ぽつぽつと」が、いきなりサイコーの愛になって前景にきた。目を覚ました街を洗う、銀色の雨だ。あっちは晴れてるのに、こっちだけ降ってる。


ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「文学」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
2024年
2023年
人気記事