毎年恒例の野焼き行事があった。午前8時に荒神池に集まった。天気予報は曇りのち雨。組長さんの挨拶「せっかくの日曜日をつぶしてしもうて、順延してまたつぶすなあかなわんけえ、やってしめえやしょう。」いつも冗談ばかり言っているおじいさんが、バーナーでまじめな顔して「こりゃ、人でも焼けるんじゃ、焼いたらサンマみてえに銀色の煙だ」といったのだが、怖いことに、雨が激しく振り出して、煙が銀色に見えたので、みんな寒気がした。
池の土手
焼くまえに草を刈る
細い竹に
葛のツルが巻きついて
あぶない斜面
人の胴体を
切っても困るけど切られても困る
丸太は置いとけ
じいさんの草刈り機こわい
バーナーはもっとこわい
こりゃ、人でも焼けるんじゃ、
焼いたらサンマみてえに
銀色の煙だ
いつも冗談ばかり言っとる
いとうのじいさん
まじめな顔して
ガスバーナーで火を点ける
あちこちで
勢いよく燃えあがる
はじめだけじゃが。
そういやあ、
ヤギちゃん元気にしょうる?
おかげさんで
順調に発情
湿り気が多すぎる
思うように会話も広がらない
小粒の雨
どうする、
来週またやる?
いや、やってしめえやしょう。
風が吹いとる
刈った草あつめて
油まいて火を点ける
そっちは、あぶねえぞ。
ザーザー降りで
煙が銀に輝いている