goo blog サービス終了のお知らせ 

政治そのほか速

政治そのほか速

サークルのメリット、大学生の7割が「人間関係構築」

2015-03-13 10:40:48 | キャリア・教育

 サークルのメリット、大学生の7割が「人間関係構築」


 

 イオレは11日、「大学生のサークル」に関するアンケート調査の結果を発表した。調査期間は2月5日~24日、対象は「らくらく連絡網」を使用する全国の大学生149名。


学生の9割がサークル・部活などに所属

 大学生に「サークルや部活に所属しているか」を聞いたところ、9割以上が所属していると回答。ジャンルごとに見ると、「学内サークル」が55.0%で最多。次に「部活」(32.2%)という結果となった。3位以下は「インカレサークル」(10.1%)、「所属していない」(9.4%)、「学生団体」(8.7%)であった。


 「大学生にサークルや部活に所属しているか」


 「サークル・部活以外で熱中していること」では、「趣味・習いごと」(17.0%)が1位。2位は「アルバイト」(16.3%)、3位「友達と遊ぶ」(16.2%)、4位「恋愛」(14.8%)となった。


 「サークル・部活以外で熱中していること」


 「サークルや部活に入るメリット」については、「交友関係が広くなる」と回答した大学生が最も多く、47.5%を占めた。2位以下も「友達や恋人ができる」(16.1%)、「先輩、後輩関係を築ける」(10.1%)など人間関係を築けることにメリットを感じている大学生が多い。


 「大学生にサークルや部活に入るメリット」


 サークルに所属している大学生が感じる「困っている・直したいところ」については、「1人お酒が強い人がいると飲みサーと間違われる」「上下関係が激しいこと。もっと上級生は後輩に対してフランクに振る舞うべきである。またそういった環境をつくるべきだと思う」「文化系のサークルですが、特に活動をした記憶がないほど、何もできないことです。入らなきゃよかったと後悔しています」「部活の日が多く、他の人と行動することがほぼできない」などの声が寄せられた。



ホッキョクグマの赤ちゃん初めてのお外 ── 天王寺動物園で放育練習・10日から一般公開

2015-03-09 16:28:12 | キャリア・教育

 ホッキョクグマの赤ちゃん初めてのお外 ── 天王寺動物園で放育練習・10日から一般公開


 

 
  大阪市天王寺区の「天王寺動物園」で9日、昨年生まれたホッキョクグマの赤ちゃんの放育練習が行われ、母親の「バフィン」とともに初めて公開された。同動物園は9日は休園のため、あす10日から一般公開される。


鳴き声をあげながらヨチヨチ歩き

 [写真]初公開されたホッキョクグマの赤ちゃん。ヨチヨチ歩きだが母親を前に表情は笑顔?=9日午前11時10分ごろ、天王寺動物園で


 
  同園によると、赤ちゃんが生まれたのは昨年11月25日。長年同園で愛されたゴーゴ(10歳)と母親のバフィン(23歳)の間に生まれ、性別はメスだという。現在の体長は70センチほどで、いつもバフィンに甘えているとか。
 
  9日は降りしきる雨の中での放育練習となったが、すぐに出てきたバフィンとは対照的に、赤ちゃんはなかなか出てこない。バフィンが「早く」とばかりに声を出すと、赤ちゃんは鳴き声をあげながらヨチヨチと出てきた。集まった報道陣に見つめられる中、次第に歩き回るようになっていった。


動物園職員「こんなかわいい動きは今だけ」

 [写真]門が開き、初めての外を見てキョトンとした愛らしい表情を浮かべるホッキョクグマの赤ちゃん=9日午前11時ごろ、天王寺動物園で


  同園担当課長代理で獣医師の今西隆和さんは「かわいいでしょ」とにんまり笑顔。「ふだんはホッキョクグマ舎には水をはっていますが、そこには木々をたくさん置きました。水に落ちてもバフィンが助けるでしょうが、万が一を考え万全を期して公開します。また、10日から見に来ていただければ。こんなかわいい動きをするのは今だけですわ」と話していた。
 
 地図URL:http://map.yahoo.co.jp/maps?lat=34.64913917389195&lon=135.50728440196073&z=19


 本記事は「THE PAGE」から提供を受けております。
 著作権は提供各社に帰属します。



質問するとき心がけていること -「最後まで聞く」「うやむやにしない」

2015-03-08 12:13:07 | キャリア・教育

 質問するとき心がけていること -「最後まで聞く」「うやむやにしない」


 

 Q.他人に質問するときに心がけていることを教えてください


 周到に用意された質問に答えるのはとても簡単。反対に、相手が気持ちよく答えてくれるように上手に質問することはなかなか難しいもの。今回はマイナビニュース会員のうち男女300名に、疑問点を質問したり、ヒアリングするときに心がけていることを聞いてみた。


 Q.他人に質問(疑問点、ヒアリングなど)するときに心がけていることを教えてください
 


 ■事前に調べてまとめる
 ・「まずは自分で調べる」(35歳男性/情報・IT/営業職)
 ・「すぐに聞かず、自分で調べてもう絶対にわからない、解決できないと思ったときに聞くようにしている」(33歳女性/学校・教育関連/事務系専門職)
 ・「ある程度内容をまとめてから質問する」(28歳男性/建設・土木/技術職)
 ・「事前に質問することを洗い出しておく」(35歳女性/情報・IT/事務系専門職)
 ・「いくつも質問するのではなくポイントを絞っておくこと」(33歳男性/小売店/販売職・サービス系)
 
 


 ■質問の意図を示す
 ・「何故、その質問をしたいのか、背景も含めて説明する」(27歳男性/自動車関連/技術職)
 ・「自分がどこまで調べて、どう理解しているか伝えてから質問している」(27歳女性/自動車関連/事務系専門職)
 ・「何がわかっていて、何がわからないのかはっきりさせること」(29歳女性/情報・IT/クリエイティブ職)
 ・「自分がなにがわからないかを整理する」(24歳女性/情報・IT/技術職)
 ・「わからない点を先に言う、それから事態の詳細を伝える」(25歳男性/電力・ガス・石油/事務系専門職)
 
 


 ■質問攻めは厳禁
 ・「メモを取り、同じ質問を繰り返さない」(26歳女性/団体・公益法人・官公庁/秘書・アシスタント職)
 ・「何度も同じことを聞かないように気をつけている、頭でちゃんとまとめてから聞くようにする」(30歳女性/金融・証券/秘書・アシスタント職)
 ・「連続で質問するとウザがられるので控える」(26歳男性/農林・水産/技術職)
 ・「質問ばかりしないようにする」(30歳女性/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)
 ・「長々ダラダラ質問しない」(29歳女性/生保・損保/営業職)
 
 


 ■知ったかぶりをしない
 ・「わからない時は都度確認する」(40歳女性/医薬品・化粧品/販売職・サービス系)
 ・「わからなくてもうやむやにしない」(48歳男性/電機/技術職)
 ・「ちゃんと理解しているか確認する」(38歳男性/情報・IT/技術職)
 ・「予め分からない事柄をメモし、1つ1つ解決しながら質問するようにしている」(43歳男性/機械・精密機器/技術職)
 
 


 ■相手の状況に配慮
 ・「その人が忙しくなさそうなときに声をかける」(27歳女性/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)
 ・「『お忙しいところすみません』などと言ってから質問する」(52歳女性/印刷・紙パルプ/クリエイティブ職)
 ・「今いいですか?と確認をとってから聞く」(30歳女性/自動車関連/事務系専門職)
 ・「相手の時間を奪っているのだという意識を持つことにしている」(27歳男性/電力・ガス・石油/事務系専門職)
 ・「低姿勢で学ぶようにしている」(22歳男性/運輸・倉庫/専門職)
 ・「聞き終わったらお礼を言う」(27歳女性/運輸・倉庫/その他)
 
 


 ■ヒヤリングでの口調や態度
 ・「笑顔で話す」(27歳男性/金融・証券/営業職)
 ・「話せるように和やかに」(46歳男性/電力・ガス・石油/技術職)
 ・「きつい口調でなく、優しい口調にする」(27歳女性/情報・IT/営業職)
 ・「威圧的にならないようにする」(33歳女性/その他/その他)
 ・「相手の意見を肯定してからいろいろ考えて質問する」(34歳女性/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)
 ・「相手への敬意を忘れずに、否定的なことばかり言わないようにする」(30歳男性/情報・IT/技術職)
 ・「逃げ道を作り、追い込まない」(48歳男性/通信/事務系専門職)
 
 


 ■不快感を与えない
 ・「あまりプライベートなことに立ち入らないようにする、分かりやすいように要点を明確にさせる」(32歳女性/その他/クリエイティブ職)
 ・「自分が聞かれて嫌な事、困る事は相手に対しても聞かない」(35歳男性/情報・IT/技術職)
 ・「相手が答えにくいような質問はあらかじめしない」(27歳女性/学校・教育関連/その他)
 ・「不快な気持ちにならないような聞き方をする」(32歳男性/小売店/事務系専門職)
 ・「嫌味な印象をもたれないようにする」(35歳女性/機械・精密機器/事務系専門職)
 
 


 ■答えやすいよう配慮
 ・「答えやすいよう二択などにしてきく」(30歳女性/通信/事務系専門職)
 ・「言い換えたり、例えばを出して答えやすくしている」(23歳女性/商社・卸/事務系専門職)
 ・「説明が難しいときは相関図などを簡単に書いて一緒に持っていき説明する」(25歳女性/情報・IT/技術職)
 ・「5W1Hを意識する」(27歳女性/商社・卸/技術職)
 ・「具体的に質問する事」(31歳女性/金融・証券/事務系専門職)
 
 


 ■よく聞くこと
 ・「まず最後まで聞く」(24歳女性/アパレル・繊維/販売職・サービス系)
 ・「相手の顔(目)を見て、真剣に聞く」(27歳女性/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)
 ・「相手の話をさえぎらない」(31歳男性/商社・卸/事務系専門職)
 ・「相槌以外極力口を挟まない」(29歳女性/金属・鉄鋼・化学/事務系専門職)
 ・「何か言いかけたらしっかり聞く」(27歳男性/運輸・倉庫/事務系専門職)
 
 


 ■ズバッと聞くのも効果的
 ・「ストレートに濁さず聞く」(29歳男性/医療・福祉/専門職)
 ・「単刀直入にきく」(28歳女性/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)
 ・「まわりくどく聞かないようにすること」(37歳女性/商社・卸/事務系専門職)
 ・「何を知りたいかをはっきり言う」(40歳男性/学校・教育関連/営業職)
 ・「自分が思ってることをストレートにつたえる」(33歳男性/機械・精密機器/技術職)
 
 


 ■総評
 他人に質問する時に気をつけていること、まずは疑問点を尋ねる時の準備から見ていこう。多かったのは「自分で調べて」「疑問点を洗い出し」「ポイントをまとめる」こと。分からないからといって、すぐに聞くのではなく、調べてみて、質問事項をまとめることで、相手に「どこまで理解してどこから理解していないか」「どうしてそれを疑問に思ったのか」を伝えることもできるようだ。質問される側も「何が分からないのか分からない」状況を避けられ、お互いのストレスにならずに済むだろう。


 質問の時にやってはいけないことは、「何度も同じ質問をする」「知ったかぶりをする」こと。そのためにメモを取り、分からないことはその都度確認する、という真摯な姿勢で質問に望む人が多いようだ。質問に質問を重ねるというのも嫌がられる行為の1つ。それを避けるためにはやはり事前の準備が大事になるだろう。


 回答者に対して敬意をはらうことも重要。「相手の時間を奪っているのだという意識を持つことにしている」という回答があったように、教えてもらう側の人間はへりくだる、低姿勢で「学ぶ」という態度が必要だろう。忙しくない時を狙って「今いいですか?」の一言、終わったらお礼を言う、というのも常識だ。


 ヒヤリングなどの場で注意したいことは、「和やかな雰囲気作り」と「相手を肯定すること」のようだ。「名前を先に言うと柔らかい印象を与える」とか「クッション言葉を交える」なんて、細かなテクニックを駆使している人もいた。質問ばかりで相手を追いつめることももちろん厳禁。プライベートに立ち入ったり、聞かれたくないことを根掘り葉掘り聞くのも、相手に不快感を与えてしまうので、避けられていた。


 相手が答えやすいような質問を用意するという意見もあった。具体的にする、図を用いる、質問を二択にする、言い換えたりたとえを用いる、5W1Hを意識するなど、いろいろなテクニックが明かされていた。質問全般にいえることは、とにかく「相手の話を良く聞く」ということ。話を途中で遮ったり、口を挟んだりしない、また相手の目を真剣に見るなど、真面目に聞こうとしているという態度を見せることが最も重要かもしれない。


 「回りくどくしない」「ズバッと単刀直入に聞く」なんて意見もあった今回のアンケート。相手のもっている知識や情報を引き出すために、直球を投げてみたり変化球を使ってみたり、相手の打ちやすい球を考えて、さまざまなノウハウが駆使されているようだ。


 調査時期: 2015年1月30日~2015年2月1日
 調査対象: マイナビニュース会員
 調査数: 男性137名 女性163名 合計300名
 調査方法: インターネットログイン式アンケート



意外に重要な「FF車」のリアサスペンション 進歩の変遷に見るクルマのあり方

2015-03-02 19:23:07 | キャリア・教育

 意外に重要な「FF車」のリアサスペンション 進歩の変遷に見るクルマのあり方


 

  いまや小型中型の実用車のほとんどがFFレイアウトだ。いまさら説明する必要もないかもしれないが、「FF」とはフロントエンジン、フロントドライブのことだ。
 
  エンジンは一般的にフロントに横置きされ、前輪にオーバーハングして搭載される。エンジンと隣合わせに置かれたトランスミッションによって減速された出力は、トランスミッションに組み込まれたデファレンシャルギアで2分割され、ドライブシャフトを介してタイヤへ伝えられる。フロントタイヤは当然のごとく、舵を切る役割も与えられているから、クルマの仕事のほとんどは前輪が行うことになる。ざっくり言えば、駆動も舵とりも前輪が行う。言ってみればリアタイヤはただ転がってくれさえすればいいことになる。
 
  実はFF車のポテンシャルのキーはリアタイヤのグリップが握っているのだ。しかしそれが分かるのはずっと後のことだ。


日本初のFF車は1955年の「スズライト」

 [写真]1955年に、国産初のFF車として登場したスズライトは、スズキ自動車初の4輪車でもある


  日本で最初のFF車は1955年にデビューしたスズキの軽自動車、スズライトだ。小型車にとってパッケージ効率を高めることは万国共通で重要だ。ところがFF車の場合、舵を切る都合上、動力を伝えながらタイヤを動かさなければならない。これを無理なく実現できる等速ジョイントが発明されるまではFFはかなりハードルの高いメカニズムだった。
 
  後にホンダがN360やライフと言った軽自動車でFFを普及させるが、それらの継ぎ手はユニバーサルジョイントで、たった31馬力の力を伝えるだけで3000キロ毎のオーバーホールが必要と言う手間のかかるものだった。
 
  継ぎ手の問題点はいくつかある。前述の耐久性も大きな問題だが、もうひとつの重大な欠点があった。動力を伝えながら舵を切る角度が大きくなる ── つまり舵角が大きくなると、シャフトが1回転回る途中で速度の不均衡が出るのだ。これが振動となってステアリングにキックバックを与える。
 
  当時のクルマにはパワステなどというものはないから、振動でハンドルが急に重くなったり軽くなったりする。これに左右のシャフトの角度差によって、アクセルを踏んだ途端勝手にハンドルが回ろうとするトルクステアが加わる。つまり舵を切った状態 ── コーナーリング中に、ステアリング系が勝手にじたばたして挙動が不安定になるわけだ。
 
  そのため当時の小型車は、RR(リアエンジン、リアドライブ)派とFF派に分かれ、時代を遡れば遡るほどRRが優勢だった。量産車でFFのジョイントの問題を最初に解決したのはBMC(後のローバー)ミニだ。それまでのユニバーサルジョイントに代わって、複数のボールベアリングを介して動力を伝える等速ジョイント(ツェッパジョイント)を採用したことによって、FF車の新時代を拓いた。
 
  ミニはこれ以外にも横置きFFによるコンパクトなレイアウトを構築したことでも自動車史に多大な貢献を残した。ミニのパワートレインはエンジンがミッションの上に乗る二階建て方式(イシゴニス式)レイアウトだったが、フィアット128でエンジンとミッションを隣合わせに並べるジアコーサ式レイアウトが考案され、この2台の傑作車が現在のFF乗用車の源流になっていくのだ。


軽視されていた後輪のグリップ

  こうして前輪にまつわる諸問題が解決したことにより、FFの時代が始まるのだが、次なる課題はリアサスペンションだった。初期のFFは前述の通り「ただ、タイヤがついていればいい」という考えでリアサスペンションが設計されていた。しかし、パワートレーンの全てがフロントに依存するため、元々前後の重量配分が悪く、後輪のグリップは極めて失われやすいという欠点がFF車には潜んでいたのだ。
 
  元来がパッケージ効率を高めるために採用されたFF方式なので、メカニズムは出来る限り車両前端にまとめたい。それはすなわち、前荷重が限りなく増大する方向である。幾度となく書いているように、タイヤのグリップは垂直荷重に概ね比例する。だからFFはリアタイヤにかかる重量が足りないことによってグリップが足りなくなる要素が揃っている。
 
  この状態でブレーキをかけると、荷重はさらにフロントに寄り、リアタイヤのグリップが失われて前輪を軸にスピンモードに入る「タックイン」という現象が起きる。路面が下り勾配であったりすればなおさらだ。タックインから回復するのはドライバーに高い技量が求められる。クルマの方向安定性が失われてしまっているので、普通のドライバーはコントロール不能になってしまうのだ。
 
  対してフロントは垂直荷重は常に十分に足りているから、グリップが失われるとしたら、タイヤのグリップが遠心力に負けてドリフトアウトする場合だけだと言っていい。これはいわゆるアンダーステア状態で、別の言い方をすれば安定し過ぎて曲がらない状態である。よほどコーナーへのアプローチ速度が間違っていない限り、滑りながら速度が落ちて行けばタイヤのグリップが回復するのでタックインよりずっと危険が少ない。
 
  つまり、FFを安全な乗用車に仕立てるためにはどうやってタックインを抑え込むかに掛っているのである。


初期はトレーリングアーム式が主流

 [写真]トレーリングアーム式。初代バラードのリアサスペンション上面図。タイヤの前方に設けられた1点の揺動軸から後方に伸びるアームの先にタイヤが取り付けられている


  初期のFF車はリアサスペンションの重要性をエンジニアリング的に消化していなかった。そのため「トレーリングアーム式」の簡易なサスペンション形式が多数派を占めた。トレーリングアーム式の図を見てみて欲しい。車両の前後方向に向いたスイングアームの先にタイヤが取り付けられている。
 
  理想を言えばサスペンションアームは長い方が良い。しかし長いとしなりやすく、アームを曲げる方向の剛性を維持するのが難しい。このタイプのサスペンションはコーナリング中に、ある一定までは踏ん張るが、タイヤのグリップが限界に達すると、そこまでアームを曲げていた力が解放されるため、曲げられていたばね鋼が跳ねるように一気にグリップを失う。専門的にはファイナル・ブレーク・アウェイと呼ばれる現象だ。この状態に陥ると車両は突然スピンモードに入る。タイヤやサスペンションの限界が低ければ変化も大したことはないが、性能を上げれば上げるほどしっぺ返しが強烈になってしまう。


ワンダーシビックのビームアクスル式

 [写真]ビームアクスル式。初代CR-Xのリアサスペンション。左右を適度に関連させながら、サスペンションそのものに構造的位置決めをさせるため、シャシーへの依存性が低い


  そこで、1980年代に入るとリアサスペンションの能力アップへのトライが始まる。おそらくその先駆けとなったのが、ワンダーシビック/CR-Xの「ビームアクスル式」だろう。構造的に見ると、このサスペンションは左右のトレーリングアームを車軸近辺で太いパイプでつないだものだ。トレーリングアーム式の弱点である横剛性を改善した方式だと言える。
 
  ただ左右をつなぐだけだと片側のタイヤに入力があった時に両側のタイヤが一緒に動いてしまうので、右側ハブにスウェイベアリングを組み込んで2本のトレーリングアームとアクスルビームの間を剛結しないようにしてある。これによってサスペンション全体がひしゃげるように片側だけを可動にできるわけだ。左右輪は相対的にキャンバーが固定されており、サスペンション全体はボディに対してパナールロッドという連結棒でつないで横方向の位置決めがされている。縦方向の位置決めはトレーリングアームが担う。
 
  当時のクルマはまだボディの剛性が根本的に足りなかったため、この左右輪が相対的に一体になった方式は大きな意味を持っていた。実際ワンダーシビックは、かなり意図的にタックインを起こそうとしてもリアタイヤがブレークするようなことは起きなかった。リアタイヤの問題の一応の解決をみたと言っていいだろう。


より高性能なダブルウィッシュボーン式

 [写真]ダブルウィッシュボーン式(変形)。3代目アコードのリアサスペンション。スペースの問題に工夫を凝らしている。ハブキャリアの一部を上方へ伸ばして、タイヤの上でアッパーアームと連結する。アッパーアームの長さを取りながらシャシー側への食い込みスペースを減らし、上下アームの取り付けスパンを広く採る設計


  その後、コンピューター解析技術が進歩してシャシーの剛性が上がるにつれ、サスペンションを左右独立にしても成立させることが可能になっていく。そうなればより高性能を求めたくなる。ビームアクスルでは、ばね下重量が大きい上、地面に対するタイヤのキャンバー(対地キャンバー)は固定で変えられない。これをより理想的にしていくために、「ダブルウィッシュボーン」が採用されるようになる。
 
  ダブルウィッシュボーンの基本的な特徴は、サスペンション単体での剛性が高いことにある。また、上下のリンクの設計を上手に行えば、他のサスペンション形式に比べ、車体がロールしても地面に対してタイヤを垂直に近い理想的な角度で保つことができる。タイヤをより上手に使えるのだ。
 
  ただし、その前提としてサスペンションをマウントするボディの剛性が高いことが求められる。ボディの方がぐにゃぐにゃと変形してしまうと、サスペンションをいかに緻密に制御しても意味がないからだ。そういう意味で、ダブルウィッシュボーンはコストの高いサスペンションだ。シャシーへの要求、部品点数の多さ、開発の手間の多さがコスト高を呼ぶのだ。
 
  バブルがはじけると、メーカーはこのリアサスペンションがオーバークオリティであるとの判断を下し始める。スポーツカーでもない乗用車にそこまでの高性能なサスペンションは必要ないと言う判断だ。さらにダブルウィッシュボーンはどうしてもスペース効率が悪い。ワゴンやミニバンが売れ始め、車内空間の増大が求められていく中で、リアサスペンションのコストダウンと、小型化の重要度が急速に増していく。


小型化需要でカップルドビーム式

 [写真]カップルドビーム式。CR-ZのH型アームを使った典型的なカップルドビーム・サスペンション。左右を連結するビームの剛性を低めに取っていることが板厚からも見てとれる


  そこで考案されたのが「カップルドビーム方式」だ。考え方としてはビームアクスルに近いが、より簡素な仕組みだ。左右のトレーリングアームの間につっかい棒を渡し、これを溶接してしまう。ビームアクスルでは左右の自由度をスウェイベアリングで確保していたが、もっとシンプルにつっかい棒のねじれで辻褄を合せることにした。左右のアームの中間をつなぐH字型のアームの横棒の剛性を意図的に落とすことで、左右の独立性を持たせたのである。
 
  このサスペンションのメリットは安価なこと、そして非常に薄型なことである。ダンパーとスプリングを別にすれば床下だけでレイアウトが解決できてしまうのだ。現在では多くのクルマがこのカップルドビームを採用しているが、ここ最近、新たな動きが出始めた。スポーツ志向のクルマが増え始めたことで、リアサスペンションの重要性に再度スポットライトが当たり始めたのだ。現在のところその行き先はどうも再びダブルウィッシュボーンに向かっているように思える。
 
  FF車のリアサスペンションはその性能をどこに置くか、技術の進歩とクルマに求められる特性によって、行ったり来たりを繰り返しているように思える。あまり注目されることが少ないFF車のリアサスペンションだが、こうした流れを頭に置いて、眺めて行くとなかなかに興味深いのである。
 
 (池田直渡・モータージャーナル)


 本記事は「THE PAGE」から提供を受けております。
 著作権は提供各社に帰属します。



富山大に理工系新学部 16年度開設検討

2015-02-13 20:53:00 | キャリア・教育
 

  富山大は、立山連峰から富山湾の深海まで高低差のある地形や県内に集積するアルミ産業など、地元の特徴を生かした理工系新学部「システムデザイン学部」(仮称)の開設を検討している。

  同大は2016年度からの新学部設置を目指し、文部科学省と調整している。

  同大によると、新学部は、現在の理学部地球科学科を「地球システム科学科」、工学部材料機能工学科を「マテリアルデザイン学科」の名称でそれぞれ編入するほか、新たに「都市デザイン学科」を新設する。学部・学科名は現時点でいずれも仮称だが、定員は計150人とする計画だ。

  地球システム科学科は、3000メートル級の立山連峰から富山湾の深海まで、高度差4000メートルの多様な環境に恵まれている県内の“地の利”を生かし、自然環境や災害規模の予測に関する調査や研究を行う。

  マテリアルデザイン学科は、県内に集積するアルミ産業と連携して、世界トップレベルの素材研究や人材育成を行う。

  新設する都市デザイン学科では、路面電車など公共交通を活用した「コンパクトシティー」を掲げている富山市にキャンパスを構えていることを踏まえ、環境に優しく、災害に強い街づくりをデザインできるリーダー的人材を育成し、地域貢献につなげたい考えだ。

  新学部では、いずれの学科の学生も、他の2学科に関する科目も履修するカリキュラムを組む予定だ。

  国立大学法人である同大が、新学部を開設するためには、同大で決定後、文科省に申請し、「大学設置・学校法人審議会」の審査を受ける必要がある。新学部の開設時期について、同大は「早ければ16年度の新学部開設を目指して努力する」と説明しているが、今後の文科省との調整によっては、時期が17年度以降にずれ込む可能性もある。

  新学部開設に取り組む同大の堀田裕弘・工学部長は「新学部は、地域創生や安全・安心都市の創出を目指した教育や研究を行う計画であり、ぜひ実現したい」と話している。